女子エペ個人 稲山、盧がベスト8/関東学生選手権

2023.10.05

 関東学生選手権(以下、関カレ)2日目は、女子エペの個人戦が行われた。前日の団体戦の疲労も残る中、明大からは4人の選手が出場。全員が決勝トーナメントに進んだものの、昨年度2位の稲山友梨(政経3=星槎国際)と昨年度ベスト4の盧承延(政経2=王子総合)によるベスト8がチーム最高成績に。来月の全日本学生選手権(以下、インカレ)に向けて課題を残す結果となった。

 

◆10・3~4、10〜12 第75回関東学生選手権(駒沢体育館)

▼女子エペ個人 

稲山、盧――ベスト8

佐藤――ベスト16 

國谷――30位

 

 予選には佐藤琴美主将(政経4=一関第二)と國谷優奈(政経2=宇都宮中央女子)の2人が登場。佐藤が3勝1敗で予選を8位通過する一方、國谷は初戦と2回戦で敗北し予選通過が危うい状況に。大会前の練習からコンディションが整っておらず、不安や焦りが募り黒星を重ねてしまった。それでも3試合目と4試合目は「逆になんかもう吹っ切れたというか、もうここまできたら自由にやろうという気持ちでやった」(國谷)。何とか悪い流れを断ち切ると、後半2試合で勝利し予選を26位で突破した。

 

 迎えた決勝トーナメント。國谷は、1回戦で過去4戦4敗という因縁の相手と対戦した。「苦手意識はあったが、時間を使っての我慢勝負だと思っていた」(國谷)。試合は両者一歩も譲らない接戦となり、最後は14-14と一本勝負にもつれ込む。最後まで我慢勝負を耐え切った國谷はここでも相手の攻めを待ち続けた末に、勝利のポイントをもぎ取った。「今まで負けていた相手というのもあって、勝てて良かった」(國谷)。國谷は、次の2回戦で今大会第1シードの明石(法大)と対戦し敗北。だが強敵相手にこちらも一本勝負に持ち込む健闘を見せたことは、今後の大きな糧となるに違いない。

 

 國谷と共に予選から勝ち上がった佐藤は2回戦で圧勝すると、3回戦では今大会第2シード・稲山との明大対決に臨んだ。「(稲山と)結構よく当たるので、もう嫌だなと正直思っていた」(佐藤)。一方の稲山は、互いによく知る相手を前に「いつもとは違う戦いを心掛けた」(稲山)。前で積極的に戦う普段の戦い方を、あえて後方で戦う戦法を選択。この判断も功を奏し、試合は終始稲山がリードし、軍配は稲山に上がった。「今の実力的にはこのぐらいかなというのも正直ある」(佐藤)。佐藤にとって最後の学生大会となる来月のインカレで、有終の美を飾れるか注目したい。一方、佐藤に勝利した稲山は準々決勝でまさかの敗戦。昨日からの疲労や器具の不良も重なる中、思うような戦いができなかった。「自分は勝てるという自信が、相手より自分になかった」(稲山)。点差が離れ思うような突きが決まらない中、精神面を立て直せなかったことも敗因となった。来月のインカレに向けて、勝利への決定力が備わるか。エース・稲山のさらなる成長に期待したい。

 

 今月1日に行われた日田市ランキングマッチで、シニア大会初の優勝を飾った盧は、今大会に第3シードとして出場。「日田のランキングマッチと同様に、自分の得意な距離とか場所とか相手を誘えて、そこから相手を慌てさせて自分のプレーができた」(盧)。危なげない戦いで白星を重ね、迎えた準々決勝。フェイントが得意な選手を相手に、これまでとは一転、苦戦を強いられる。「相手が前にいくふりをするときの距離が、自分が攻めの得意な距離なので、そこで我慢しなきゃいけないのに前にいってしまった」(盧)。相手の巧みな戦いに翻弄(ほんろう)され、最後は13-15で惜しくも敗北を喫した。「昨年度はベスト4で、今回いけなかったのはすごい悔しい」(盧)。この悔しさをバネに、盧のさらなる飛躍に期待がかかる。

 

 女子エペの選手たちは今回の結果でインカレの出場権を獲得した。来月のインカレでは、個人、団体共に大きな活躍が期待される。また、4年生の佐藤にとっては最後のインカレとなる。「琴美先輩(佐藤)と組めるのがもしかしたら最後の大会かもしれないので、自分たちなりのチームで最後笑って終わりたい」(稲山)。女子エペのインカレでの活躍が待ち遠しい。

 

[渡辺悠志郎]

 

試合後のコメント

佐藤

――インカレに向けて意気込みをお願いします。

 「学生の最後の試合なので、悔いのないように、もうやりきった感じで終われるように、練習からも集中して頑張っていきたいです。インカレ3位が自身の最高成績なので、そこを超えられるように頑張りたいと思います」

 

稲山

――今大会を振り返っていかがですか。

 「団体はやっぱり5冠を狙っていたっていうのもあって、準決勝で負けた時は正直、悔しいし、応援していただいたこともあって悔しかったんですけど、最後勝って終われたのは良かったです。みんなで反省してミーティングをして、次につなげなきゃいけないです。去年のインカレも専大に負けて3位で終わったように、専大とは相性がよくないので、もしインカレでやった時に同じような負け方をしないように、今よりもいい点が増えた状態で、新たにまたつなげたいです。個人としてはまずインカレ出場が決まって、メインは関カレじゃなくインカレだと思っているので、この1ヶ月ちゃんと準備をしていきたいなと思います。」

 

國谷

――トーナメント2回戦のとき、弘瀬功二コーチからはどのようなアドバイスをもらいましたか。

 「コーチには、予選とトーナメント1回戦も見ていただいたんですけど、その時からもう動きが硬いってずっと言われていました。なので、とにかくリラックスして、あとはいくところはもう思い切っていって、ダメだったらもうそこはすぐ切り替えるようにと言われました。フレッシュいくとか、アタックいくっていう時は、中途半端にならないように、思い切っていくように、というアドバイスをいただいて意識していました」

 

――ベスト8という結果はいかがですか。

 「去年はベスト4で、今回いけなかったのがすごい悔しいんですけど、反省しつつ、そんなに嫌に思わずに、インカレでは今回の試合の反省を忘れずにつなげて、優勝を目指して頑張りたいと思います」