
チーム力見せ勝利 対抗戦3連勝/関東大学対抗戦Aグループ
関東大学対抗戦(以下、対抗戦)3戦目の相手は筑波大。試合開始から両者ともにセットプレーを基盤としたアタックを仕掛けていく。明大が勢いよく先制点を奪ったものの、筑波大の猛攻を止めることができず、同点で前半を終える。しかし後半は筑波大のミスを好機に変え、4トライを奪取。最終スコア40-21で勝利を収めた。
◆10・1 関東大学対抗戦Aグループ(ハワイアンズスタジアムいわき)
▼対筑波大戦
◯明大40{14-14、26-7}21筑波大
試合序盤は自陣からなかなか抜け出せない苦しい展開が続いた。前半7分、自陣22メートルラインでのマイボールラインアウト。FWを中心にパスを繰り広げるが、筑波大ディフェンスに阻まれ敵陣には踏み込めず。しかし直後の筑波大ボールスクラムでは相手の反則を誘い、明大がマイボールを勝ち取った。一気に敵陣へ突き進んでいき、17分にはハーフウエーラインでのマイボールスクラムからBK陣が一気に敵陣22メートルラインまでゲイン。フィールド右側で待機していたフルバック秋濱悠太(商3=桐蔭学園)にボールが渡り、最後は秋濱からの難しいパスを受け取った右ウイング安田昂平(商3=御所実)がインゴールへ飛び込んだ。「秋濱がいいキャリーをしてくれた。BKで連携してトライを取れて良かった」(安田)。この後も明大は流れを離さない。安田のトライ直後、敵陣10メートルまで粘り強いブレークダウンで前進すると、抜け出したフッカー松下潤一郎(法4=筑紫)が相手のタックルをかわし、追加点。幸先良く連続トライを奪った。このまま無失点で前半を終わらせたい明大だったが、36分に失点すると、前半終了間際にもキックパスを織り交ぜたアタックでディフェンスを突破され、追加点を許す。14-14の同点で試合を折り返した。
後半、先に流れをつかんだのは筑波大だった。開始直後、筑波大ボールスクラムから速攻され、勝ち越しを許してしまう。「セットプレーからワンプレーで取られているだけだったので、そんなにネガティブにならず『俺たちが優位だよ』というポジティブな声掛けをした」(スタンドオフ伊藤耕太郎・商4=国学院栃木)。なんとか試合を振り出しに戻したい明大は10分、敵陣22メートルでのマイボールラインアウトからモールを形成。FW陣で一気に押し込み、松下がトライを挙げた。「ここで一つトライを取り切れたことで、チームの士気が上がった」と松下が振り返る通り、その後も敵陣でのプレーを展開。17分に再び追加点を決め、点差を7点に離すと、22分にも度重なるブレークダウンでチャンスメーク。左センター廣瀬雄也主将(商4=東福岡)、秋濱へとパスが渡り、最後は再び廣瀬がゲインしトライ。さらに点差を突き放した。この際に、廣瀬への危険なタックルがあり、筑波大のフッカーがシンビン判定。これを好機に、敵陣での相手ボールスクラムでは明大が圧倒し、コラプシングを誘う。「明らかに筑波のテンションが下がっていたので、このシンビンの10分の間でしっかりメンタルを崩そうとみんなで話した」(左ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。試合終盤は圧倒的なFWのパワーで筑波大を圧倒し続けた。そしてロスタイムには途中出場の西野帆平(文2=東福岡)が敵陣ゴール付近まで大ゲインを披露し、最後はフル出場を果たした右フランカー福田大晟(商3=中部大春日丘)がダメ押しの追加点。「仲間がいいプレーをしてくれた。最後まで落とさずトライできて良かった」(福田)。試合は40-21でノーサイド。明大は対抗戦3連勝を飾った。
セットプレーで反則が目立つ場面も多かった今試合。「ペナルティーで自分たちの首を絞めている場面が何個かあるので、しっかり防げるペナルティーは防げるようにしていきたい」(廣瀬)。次戦の相手は、昨年度の対抗戦で無失点に抑え勝利した立大だ。対抗戦優勝、そして大学日本一に向けて、廣瀬組の連勝街道はまだまだ終わらない。
[森口絵美理]
試合後のコメント
松下
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「前後半含めて、あまりいいプレーができなかったです。セットプレーのところを安定させたかったんですけど、 全体を通してちょっと不安定な感じで試合が運んでしまいました」
――ロータックルがかなり徹底されていましたが、何か意識したことはありますか。
「練習でもハイタックルのペナルティーは厳しく取ってもらっているので、それが根付いてきて、みんな低く入るようになったのかなと思います」
山本嶺
――苦しい時間はどのような声掛けをされましたか。
「ちょっとしたキックだったり、ルーズボールが筑波に入ってトライ取られるっていう想定はしていました。そういう時に焦らずに、しっかりディフェンスだったら守って、アタックだったらボールキャリーでしっかり1対1で勝って、基本的なところにしっかり立ち返ってやり直そうという話をしました」
――立大への印象と立大戦への意気込みをお願いします。
「慶応にいい試合をしていて、タフなチームだなっていうのは感じているので、そういう相手でもしっかり明治スタンダードを落とさずに高いクオリティーでやっていきたいです」
福田
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「前半は結構自分たちのボールにならない時間が多くて、相手の時間が多かったんですけど、しっかり後半立て直して、自分たちのラグビーできたので良かったです」
――セットプレーはいかがでしたか。
「結構ラインアウトとかは特にミスが多かったので、そこはしっかりミスした後に話し合って、修正しようとなっていました。でもなかなか全体としてミスが多かったので、そこは次の課題に残るかなっていう感じです」
伊藤耕
――スクラムでマイボールを勝ち取った時、FW陣に笑顔で話しかけている姿が印象的でしたが、FW陣の活躍はいかがでしたか。
「今日はFWにとってすごいタフなゲームだったと思っていて。僕自身、FWにタフなチョイスをし続けていたので、やっぱりFWがペナルティーを取ってくれた時は、BKから鼓舞してあげようと思いました」
――次戦はどのようなプレーをしたいですか。
「やっぱりタフなゲームになってくると、簡単に力を抜けないですし、キックをもっとうまく使っていきたいなっていう風に思っているので、次のゲームはそこをもっとチャレンジしていけたらなと思います」
廣瀬
――タイトな試合でしたがいかがでしたか。
「先週筑波さんは早稲田さんにいい試合をしていたので、別にこうなることは想定内でした。でも自分たちがやってきたことは前半も後半も通して間違ってはいなかったので、それは自分たちが後半逆転されてもそこは遂行しようという話はしました」
――チームとして良かったところを教えてください。
「いいところは春、夏積み上げてきたモメンタムだったり、一人一人のFWのフィジカルだったり、BKのフィジカルだったり、そういうところをしっかり出しながらトライにつなげるということです。春、夏だけではなくて秋の対抗戦にもつなげられたことはすごく良かったんじゃないかなと思います」
安田
――相手のBKも強力でしたが、対戦してみていかがでしたか。
「明治の方が絶対に強いですけど、筑波は結構骨のあるチームと2戦戦ってきていて、明治はそこの接戦が慣れていなかったので、いい経験はできたなと思います」
――ご自身のプレー全体を振り返っていかがですか。
「僕的には全然良くなくて、ダメな試合だったので、自分としてはもっとボール貰えるようになりたいです。チームとしては勝ち切れたので良かったのかなと思います」
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