
伝統校対決圧勝 対抗戦開幕2連勝/関東大学対抗戦Aグループ
関東大学対抗戦の2戦目の相手は、今年度からAグループに昇格した成蹊大。両校100周年を迎えた伝統校対決となった。試合序盤から明大ペースで展開し、攻撃的なアタックで点数を積み重ねていく。試合終了間際に相手の流れとなり苦しむ場面もあったが、終始圧倒し93―12と白星を挙げた。
◆9・24 関東大学対抗戦Aグループ(秩父宮ラグビー場)
▼対成蹊大戦
○明大93{51―5、42―7}12成蹊大
試合が動いたのは前半4分、スクラムハーフ萩原周(商4=大阪桐蔭)のパスから左脇のスペースを抜けて左ウイング西川賢哉(政経4=桐蔭学園)が先制トライを挙げる。明大は激しいアタックを続け、ますます勢いづいていく。前半8分にも、フルバック秋濱悠太(商3=桐蔭学園)のゲインを好機に、左センター廣瀬雄也(商4=東福岡)の巧みなキックパスに反応し、右ウイング安田昂平(商3=御所実)がグラウンディング。しかし、直後に明大のスキを突かれ、成蹊大に得点を許してしまう。その後は立て直し、FW、BKともにゲインで敵陣深く攻め込むと、左プロップ床田淳貴(情コミ4=桐蔭学園)がインゴール。「15人全員がしっかりラインブレークして、ゴール付近まで行ってくれていたので、ラストは自分が取るだけだった」(床田)。着実に点数を積み重ねるとともに、明大の鉄壁のデフェンスで相手を苦しめる。前半終了間際には、敵陣22メートルライン付近のマイボールラインアウトから左にパスが展開し、ゴールライン近くまで西川が攻め入る。そのチャンスを秋濱が活かし、前半51―5と大きく突き放しいい形で終えた。
「0―0の気持ちで」(廣瀬)。さらに気を引き締めて迎えた後半。開始直後、敵陣ゴールライン付近のマイボールラインアウトからモールになるも決め手を欠き、左にパスが展開していく。それでも、最後は秋濱のパスから安田が4本目のトライを挙げた。「みんながつないでくれたので、4本全て感謝のトライだった」(安田)。その後も相手にスキを与えることなく、明大の体を張ったプレーでゴールラインまで突き進み、勢いが止まらない。後半12分、左フランカー森山雄太(政経4=東福岡)によるインゴールへのダイブ。「ノミネートのミスはあったが、そこは焦らずに集中した」(森山)。その後も、相手のミスを見逃さず廣瀬や途中出場の中山律希(政経4=天理)の印象的なトライが続出。また、安定したセットプレーでチームに勢いを与え続け、次々とチャンスをものにし、相手との点差をさらに広げていく。そして、後半からコンバージョンキックを務めた右センター平翔太(商2=東福岡)も輝きを放つ。難しい角度も難なくこなし、全てのコンバージョンキックを決め、チームに安定感を与えた。しかし、試合終了間際、成蹊大が最後の反撃。明大は粘りの時間を続けようとするが反則が続き、右フランカー福田大晟(商3=中部大春日丘)がシンビンとなる。この状況に明大は粘り切れず、失点を許す。だが、最後までプライドを見せ続けた明大が成蹊大に81点差と圧勝した。
今試合は『全力』をテーマに掲げた。「最初の入りから明治の選手たちが自分たちにフォーカスしていい入りで試合を運ぶことができた」(廣瀬)。また、FW、BKともにゲインが光り、攻撃的なアタックの時間が続いた。「みんながすごくゲイン切ってくれたのでアタックがしやすかった」(スタンドオフ伊藤耕太郎・商4=国学院栃木)。だが、試合終了間際に相手に流れを渡してしまうなど課題も残った。「ペナルティーが重なり失点もしてしまって、気が緩んでいたと思うので突き詰めていきたい」(左ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。次戦の相手は、夏の菅平合宿で戦った筑波大だ。「機動力が高いので振り回されないようにして、自分たちのやるべきところのセットプレーなどでしっかり圧倒したい」(床田)。廣瀬組のさらなる進化と負けられない戦いが続く。
[井垣友希]
試合後コメント
神鳥裕之監督(平9営卒)
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「明治大学のスタンダードというところにフォーカスを当てて臨んで、80分のうち、70〜75分はぐらいまではしっかりと戦える時間は多かったです。最後の方に成蹊大学さんに時間を持っていかれたところは反省が残りますが、チームとしてはまだまだシーズンがあるのでレベルアップしていきたいと思います」
廣瀬
――後半どのような気持ちで挑みましたか。
「点差というよりかは、選手権の決勝でやるラグビーを通してできるようにいつも『0-0』という気持ちで思って入りました」
床田
――FWとして振り返っていかがですか。
「セットプレーはどの相手でも圧倒しようと思っていて、セットプレーは実際圧倒できたと思います。でも、随所で詰めの甘いところが出ちゃったところがあるので、そこはしっかり修正していきたいです。ラインアウトはマイボールの獲得率は高かったので、満足できる結果かなと思います」
山本嶺
――個人としてのプレーを振り返っていかがですか。
「ボールキャリーの部分でいいスピードでもらえているところもあったのですが、後半だんだん姿勢が高くなっていいキャリーができなかったので、そういうところを最後までやり通すことを意識していきます」
森山
――今試合のテーマは達成できましたか。
「個人としては結構意識していたので、特にキックチェイスの部分で一つ一つ全力で出来たかなと思います。チームとしても終盤にちょっとペナルティーが重なってしまってトライを取られてしまったこともあったのですが、全体的に見たらどんどん良くなっていると思います」
伊藤耕
――次戦の意気込みをお願いします。
「夏合宿の時は勝っていたのですが、キャプテンの谷山隼太もいなかったですし、チームとしても成長して全く別のチームになっていると思います。セットプレーは優位に立てていると思うので、FWをしっかり活かしていきながら試合を組み立てていきたいです。頑張ります」
安田
――後半は1トライに留まってしまいましたがいかがですか。
「後半はポジションがウイングからフルバックに代わって、自分よりも周りをした生かしたプレーに変えたので1トライは仕方なかったなとも思うんですけど、もう少し取れたかなと思います」
――ありがとうございました。
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