
井上、堂々の準優勝! 土屋はベスト4/総合選手権
全国・世界から拳法の精鋭たちが一堂に会し、個人の頂点を決める総合選手権。明大からは7選手が出場し、井上晴陽(法3=三井)が5戦を勝ち抜いて決勝まで進出。頂点には惜しくも届かなかったが、準優勝と結果を残した。また今大会がケガからの復帰戦となった土屋賢生(法2=関西福祉科学大)はベスト4に入る奮闘を見せた。
◆9・17 総合選手権(Asueアリーナ大阪)
▼全日本男子個人
井上――2位
土屋――ベスト4
森川――3回戦敗退
大川――2回戦敗退
大谷――2回戦敗退
野村――棄権
▼全日本女子個人
市川――2回戦敗退
劇的な躍進でその名を知らしめた。2年連続での出場となった井上は昨年度、1回戦で敗退と悔しい結果に終わったが、今年度は違った。2、3回戦をやや苦しみながらも勝利すると、4回戦では前回大会準優勝の強敵・佐藤典英(博隆會)と対戦。拮抗(きっこう)した展開の中で開始2分過ぎに待望の1本を取ると、その20秒後に胴への1本で準々決勝進出。この日自己最速の1分17秒で勝利して迎えた準決勝の直前、先に行われたもう一つの準決勝で敗退となった土屋から「僕の分も任せました」と思いを託され、それに発奮。胴突きと上げ蹴りを決め、みごとに決勝への切符をつかみ取った。
そして迎えた決勝の舞台。対戦相手の前川晴人(洪游会本部)とは数年前に戦った経験があり「どんな拳法するかは分かっていた。自分もどう戦うか考えて、相手が来たところにカウンターで胴突きを狙っていた」(井上)。しかし相手の圧に押されて場外に出て警告を受けると「パニックになって自分の拳法を貫けずに欲を出した。リズムが崩された」(井上)。打開策を見いだせず、そのまま敗北を喫した。「この大会で優勝するのが小さな頃からの目標で、初めて決勝に立てた嬉しさと悔しさがある」(井上)。優勝は果たせなかったが、栄冠まであと一歩まで迫る活躍は自信につながった。
(写真:準優勝を果たした井上)
2月以来の実戦復帰となった土屋は復帰初戦を勝利で飾ると、勢いそのままに3、4回戦も突破。準々決勝も開始16秒で一本を取ったが、プレー中に右足を負傷。相手に一本を決められて追いつめられるも「根性でいったる」。試合再開からわずか5秒で胴に二本目をたたき込んだ。痛みに耐えながら準決勝に臨んだものの、手負いの状態で真価を発揮し切れず。3位決定戦も相手に先行を許すがすぐに一本を取り返した。試合は最後まで足の懸念を拭えずに敗戦。「去年も3位決定戦で負けてベスト4。これからも頑張って決勝戦に絶対行きたい」(土屋)。来年こそ決勝の舞台で輝くことを決意した。
(写真:本大会に出場した選手たち)
井上は昨年度の秋以降、大会で結果が出ない日々が続き「拳法人生のどん底で本当に拳法辞めようかな」と思っていたという。それでも「このままで終われるか」と自分の気持ちに向き合って鍛錬してきたこれまでの努力が身を結んだ。土屋も去年の全日本学生選手権での敗戦から試行錯誤をし「左手を意識して練習して、少しは使えるようになった」。そして2人は共通して、野村龍星主将(文4=関西福祉科学大学)をはじめ、4年生全員のために全力を尽くし、今後の大会で優勝することを誓った。後輩の頼もしい姿に「去年の経験を糧に、今年は王座奪還して4年生に花を添えてくれたら」(野村)。前期は野村をはじめ、ケガで欠場する部員が多かったが、それでも東日本リーグ戦で優勝、選抜選手権では準優勝。後期は土屋が今大会で復帰し、そして野村という一番大事なピースが来月の東日本選手権で埋まる時、スキのない完全体野村メイジが遂に始動する。
[北原慶也]
試合後のコメント
野村
――外から見て今大会を振り返っていかがですか。
「2位とベスト4は本当にすごいと思います。一番大きな大会でこの結果はすごいと思いますけど、僕が出てたら優勝してました(笑)」
――次は個人としては今季初の大会となりますが、意気込みをお願いします。
「前期試合出れなかった分は『縁がなかったのかな』ってもう割り切っていて、逆にいい休憩できたなと感じているので、後期は思いっきり爆発したいと思っています」
井上
――準決勝までの試合は長引いていましたが、戦略的にしましたか。
「元々緊張しいで、2回戦はなんとか2―0で勝ちましたが、3回戦は一本取られて判定になってしまったので、戦略とかじゃなくて。逆にそこを乗り越えられたからこそ、準々決勝は2―0で、そこから勝てていけました」
――「どん底」だと話していた時期からどのような部分が成長しましたか。
「技術面は野村先輩と、野村先輩のお父さんの道場でも教えてもらっていました。選抜選手権では後ろの方を任されて、僕の結果次第でチームの勝敗が決まる場面で勝ち、自分の殻を破って成長できたと思います」
土屋
――さまざまな地域の選手たちと戦ってみていかがでしたか。
「『なんかやりづらい、まだここ足りていないんだな』とか『こういう時焦っちゃったな』とか、そういう反省点が多くて。4位はすごい結果だと思いますが納得せずにこれからも頑張っていきます」
――最後に一言お願いします。
「今日の結果で俺が俺である理由を示せたかなって。これからも俺が俺であるゆえんを全世界に発信していきたいなって思っています」
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