
男子クォドルプルが圧巻V 他5種目でも準優勝/全日本大学選手権
50回目を数えた全日本大学選手権。前日までに6種目でA決勝、2種目でB決勝への進出を決めていた明大は、男子クォドルプル優勝を含む好走で男子総合2位に輝いた。
◆9・10 第50回全日本大学選手権(戸田ボートコース)
▼女子舵手付きフォア(S鴇田3青山2山田B小野寺C岡部)――A決勝2位
▼女子ペア(S荒川B樋口)――A決勝2位
▼女子クォドルプル(S山吹3三中2磴B八塚)――A決勝2位
▼女子ダブルスカル(S平松B田草川)――B決勝4位
▼男子舵手付きフォア(S阿部3佐藤2平田B松川C村上)――A決勝2位
▼男子舵手なしフォア(S市川3佐々木剣2杉本B廣瀬)――B決勝4位
▼男子クォドルプル(S東坂3岸本2小笠原B大竹)――A決勝1位
▼男子エイト(S金澤7上戸6中條5佐々木丈4和田3平野2山本B大久保C鹿川)――A決勝2位
ハイライトは男子クォドルプル。5月の全日本選手権後に結成したこのクルーは東坂謙志(法4=済々黌)、大竹海斗(政経4=小見川)ら4年生を中心に大会を通じて状態が良く、決勝でも2位の立命大に4秒の差をつけた。「自分たちの出せる全力を毎レース出せた。応援してくれた方を喜ばせることができて良かった」(大竹)と充実の色をにじませた。昨年度3位の対抗種目・男子エイトは序盤の出遅れが響き準V。クルー全体として後半勝負のプランが共通認識として浸透しており後半は互角の勝負を演じた一方、前半のビハインドが重くのしかかった。指揮をとる星遼監督は「(優勝した日大に対し)1挺身差をつけられてしまうと厳しくなるとは思っていた。後半差を詰めることができただけに、もう少し見える位置に捉えておきたかった」と悔やんだ。シーズンを通じて安定感が光った樋口莉胡(文4=大村)、荒川空美(政経2=岡山東商)の女子ペアもA決勝2位と健闘。スイープ種目への対応も苦にならなかった。磴梨菜(営4=美方)らの女子クォドルプルは「夏に2000メートルのレースに慣れるための練習をしてきた分、終盤まで粘り強く戦えた」(磴)とA決勝2位でフィニッシュ。その他女子舵手付きフォア、男子舵手付きフォアもA決勝2位に食い込むなど、種目を問わず今季の陣容の充実ぶりが目立った。
4年生にとってはこの日が大学ラストレース。試合後には上戸慧太(法3=坂出商)の来季男子主将就任が発表された。優勝艇1艇をはじめ6艇が3位以内に入るなど確かな手応えを得た今大会。悲願の男女総合優勝に向け、新チームは来月末の全日本新人選手権から始動する。
[上瀬拓海]
試合後のコメント
星遼監督
――優勝した男子クォドルプルを含む6種目で表彰台に登りました。
「個々の力量としてもそこまでずば抜けていたわけではないですが、ここ1〜2ヶ月は自分たち自身で各クルーの課題に取り組んできました。きっちりとトレーニングも積めていたことも含めて、そのあたりが要因としてあるのではないかと感じています」
平野公稀主将(政経4=熊本学園大付)
――男子エイトA決勝のレースでは後半で先頭を追い上げる展開になりました。
「優勝した日大のクルーは毎年中盤の強さが目立っていたので、そこで離されないということを意識していました。中盤の1000メートルあたりでコックスの鹿川(豪太・農2=吉田)から追いつこうと声掛けがあったのですが、最後まで差を詰め切ることができませんでした」
東坂
――クルーメンバーは4年生、1年生コンビでした。
「4年生はどんどん年を重ねていくごとに経験があるので少しこなれた雰囲気があるのですが、1年生がいたおかげで何事にもフレッシュに取り組めたのが良かったです」
大竹
――大会を通してどのあたりに成長を感じましたか。
「心が強くなりました。やはり2000メートル漕ぎ切るというのは辛いことです。それでも全員がメンタル的に強くなって、その辛さをどれだけ楽しめるかという方向に気持ちが変わっていきました」
岸本智樹(法1=美方)
――どのようなプランで男子クォドルプルA決勝に臨んだのでしょうか。
「スタート1000メートルで前に出て、中盤はリードを保ちながら耐える。そこから後半もう一度力を出し切る感じで追い込むというようなプランです。とにかく4年生と優勝できてうれしいです」
小笠原旺聖(政経1=日本橋)
――男子クォドルプルクルーの強みを教えてください。
「1年生の若さと4年生の経験値の融合です。最初の1000メートルで前に出るというのが自分たちの戦略だったのですが、決勝ではそれがうまくはまり優勝することができました」
田草川向日葵女子主将(法4=小松川)
――大会中のチームの雰囲気はいかがでしたか。
「最終日に近づくにつれ目の色が変わるというか、勝ち切る姿勢がどの選手にも見えていたと感じます。同期に対しては4年間このメンバーでボートを漕ぐことができて幸せだったと伝えたいです」
磴梨菜(営4=美方)
――応援団も連日応援に駆けつけました。
「1500メートル地点くらいから応援が聞こえてきました。決勝は自分たちでレーンを選べる状況でしたが、5レーンを選んだ理由の一つに応援団の存在があります」
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