5艇が1位でA決勝進出へ 日本一へ大きく弾みをつける/全日本大学選手権

2023.09.10

 50回目の記念大会となった全日本大学選手権(以下、インカレ)。台風の影響で3日目のレースが全て中止となり、迎えた4日目は明大の各艇が奮闘した。準決勝に出場した7艇のうち5艇が1着でA決勝進出を果たすなど大学日本一達成に向けて期待の高まる結果となった。

 

◆9・9 第50回全日本大学選手権(戸田ボートコース)

▼女子舵手付きフォア(C岡部S鴇田3青山2山田B小野寺)――敗者復活戦1位

▼女子シングルスカル(S清野)――C決勝3位

▼男子シングルスカル(S青木)――D決勝5位

▼男子ダブルスカル(S中山B川竹)――C決勝1位

▼女子ダブルスカル(S平松B田草川)――準決勝5位

▼男子クォドルプル(S東坂3岸本2小笠原B大竹)――準決勝1位

▼男子舵手付きフォア(C村上S阿部3佐藤2平田B松川)――準決勝1位

▼女子ペア(S荒川B樋口)――準決勝1位――準決勝1位

▼男子フォア(S市川3佐々木剣2杉本B廣瀬)――準決勝5位

▼女子クォドルプル(S山吹3三中2B八塚)――準決勝1位

▼男子エイト(C鹿川S金澤7上戸6中條5佐々木丈4和田3平野2山本B大久保)――準決勝1位

 

 男女共にレースで圧倒した。対抗種目である男子エイトと女子クォドルプルでの優勝を目標に掲げる明大。その2艇を含む6艇が後続と大きく差をつけて1位でA決勝に駒を進めた。この充実したレース結果に星遼監督も思わず「1位で上がったクルーが多いことは最終日を勢いづける」と頬を緩ませた。しかし、大学日本一は決して一筋縄では達成できない。昨年度男子総合優勝を達成した日大や女子にとっては因縁の相手・早大など強敵が明大の前に立ちはだかる。「選手はこの結果に自信を持ってほしいが、相手にスキを見せてはいけない」(星監督)。気持ちを再び一つにし、確実に勝利をつかみにいきたい。

 

 大会最終日に望みをつなげたクルーもいた一方で中山祐貴(農4=熊本学園大付)にとってこの日は大学ラストレースとなった。中山が出場する男子ダブルスカルは台風接近によって大会3日目が中止となり、まさかの準々決勝が大会運営の関係で消滅。その影響で予選全体4位とA決勝に進む可能性が大きくあるタイムを持ちながら、C決勝での出場を余儀なくされた。「本人は明るく気合い入れ直してくれたように見えたが自分の方が悔しかった」(星遼監督)。気持ちを切り替え臨んだレースは2位と半艇以上の差をつけ、見事1着でフィニッシュ。ゴール後は艇の上に立ち「明治最高」と叫び、これまで一緒に戦ってきた仲間とラストレースを控える同期を強く鼓舞した。

 

 新型コロナウイルス感染症による制限がなくなり、かつての活気が戸田ボートコースに戻ってきた。白熱した各校の応援合戦は、選手の背中を強く押す。多くの決勝が行われるインカレ最終日は同時に多くの4年生にとって競技人生最後の戦いとなる。泣いても笑っても残すレースはあと一つ。「今年度は元気な4年生が多く、その雰囲気がチーム全体に波及している」(星遼監督)。持ち前の明るさと熱い応援を大きな力に変え、勢いそのままに大学日本一の頂きへと駆け上がる。

 

[原田青空]

 

試合後のコメント

星監督

――大会3日目は台風の影響で中止になりました。

 「コースも使えなかったので各自陸上で調整をするなど臨機応変に対応して大会4日目を迎えることができました。少し心配なところもあったのですが、実力通りの力を発揮してくれたと思います」

 

――夏はどのような練習をされていましたか。

 「ひたすら練習はしていたのですが、同じ練習をするというよりはそれぞれ課題を出しながらそれに応じたトレーニングずっとしてきたのでそれがうまくはまったと思います。新型コロナウイルス感染症が流行しましたが、合宿所を閉鎖することなかったので大きくトレーニングがストップすることなくここまでできたことが大きかったと思います」

 

――明日への意気込みをお願いします。

 「決勝でただ優勝してほしいです。優勝できるチャンスはあると思うので臆せず向かっていってほしいと思います」