早大に大勝 格上相手にリーグ戦初白星を飾る/関東大学男子1部リーグ戦

2023.09.02

 王者を相手に大金星を挙げた。関東大学男子1部リーグ戦(以下リーグ戦)第3戦の相手は2005年以来16連覇中の早大。絶対的王者を相手に明大はチーム一丸となって奮闘し、最終スコア8―1と大勝した。「早稲田に勝ったのは1991年ぶりのこと」(上原真吾監督)。今季リーグ戦の初白星は、明大にとって32年ぶりの歴史的な1勝となった。

 

【D1村田英夢(理工2=麗澤瑞浪)・山中朝陽(文2=四日市工)組VS高畑里玖・森田皐介組】

 (写真:拳を突き合わせる村田(左)・山中組)

 拮抗(きっこう)した戦いとなった。立ち上がりからキープ合戦が続いた第1セット。先に仕掛けた村田・山中組は第8ゲームでブレークを決め、ゲームカウント5-3で第9ゲームを迎えた。ポイント15―40からリターンエースやボレーを決めてジュースに持ち込むと、強気のリターンを続けてポイント連取。積極的な攻めでこのセットを獲得した。

 

 第2セットも流れに乗りたいところだが、第1ゲームをラブゲームで落としてしまう。「モヤモヤしてすっきりしない展開の中で、へこまないように声を出して明るくした」(村田)。しかし続くサービスゲームは早大ペアの好プレーにポイント15―40とブレーク目前まで追い込まれる。「ファーストサーブを入れることを重点に置いて、それから前衛を絡めて取っていく得意なパターンに持っていけるように、サーブの確率を意識した」(村田)。その戦略が功を奏し、サービスエースとボレーによってゲームキープに成功した。「ファーストサーブを入れて自分たちの得意な展開に持ち込めば取れる」(山中)。その後は両者一歩も譲らず、タイブレークへ突入。立ち上がりからリターンエースで先手を取ると、カウント4―2で折り返す。勢いそのままに、最後は山中のノータッチサービスエースで試合を決めた。

 

 王者が誇るD1を、期待の2年生ペアが撃破する快挙を達成した。「今日はサーブの調子が良く、大事なところは調子を上げてプレーできたのが良かった」(村田)、「ダブルスでかみ合うように、ストロークでは負けないようにした」(山中)。昨年度は関東学生トーナメントベスト4、関東学生選手権準優勝の実績を持つ村田・山中組。伸び盛りの2年生ペアの今後が注目される。

 

 

【S6今里翔吾(営2=海星)VS鈴木蒼平】 

(写真:フォアハンドを放つ今里)  「僕が一本取れば有利に進む」。ダブルスを2-1で終え、強敵・早大に対しての勝利が見え始めた中で迎えたシングルス6の今里。1セット目の開始早々「かなり緊張して自分のプレーが出せなかった」と、連続で3ゲームを落としてしまう。そんなピンチを救ったのは周りの応援であった。「応援も盛り上げてくれて、自分のテニスを取り戻した」。その言葉通りゲームカウント0-3の状態から得意のバックハンドで3-4まで持ち直す。しかし、積極的に攻めていくラリーの際にポイントを決めきれず、第1セットを3-6で落としてしまう。

 

 第2セットは相手のサーブミスで1ゲームを取ると「びびっていては駄目だと思っていったらチャンスが増えた」。今まで練習試合を通して一度も勝ったことがない鈴木(早大)に対して、一気に4-0と一方的な試合展開に。相手をストロークで崩し、ボレーで決める得意な流れを作り、勢いそのまま6―3で第2セットを奪取した。 

 

 運命の第3セット。この時点で明大は早大に対してすでに4勝を挙げており、今里が勝てば明大の勝利が決まる状況に。「かなり緊張がすごかった」。それぞれのプレースタイルを生かしながら両者一歩も譲らない戦いの中、ついに相手の足が限界を迎える。「相手が足にきちゃっていたのでラリーを続ければいけるなと思った」。最後は相手をコート全体に揺さぶり、ミスを誘う戦略で見事勝利。明大に待望のリーグ戦初白星をもたらした。

 

 リーグ戦4戦目となる次戦の相手は中大。この歴史的勝利の流れに乗り一部残留に向けてさらなる躍進に期待がかかる。リーグ戦は、ここからいよいよ後半戦へ突入する。

 

[大橋英晃、保坂啓太郎]

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