ミスコースのない堅実な走りも入賞逃す/全日本学生ジムカーナ選手権

2023.08.31

 灼熱(しゃくねつ)の太陽がアスファルトを照らす中レースは行われた。今大会は主将の坂井遼(法4=東邦大東邦)が個人11位に入るなどこれまでチームを引っ張ってきた4年生がタイムを残した。

 

◆8・20 全日本学生ジムカーナ選手権(鈴鹿サーキット国際南コース)

▼男子団体の部 明大――9位

▼男子個人の部 坂井――11位 菅谷――21位 田中――55位

 

 昨年度は車の不調に悩まされ9位という悔しい結果に終わった。今年度もブレーキの不調が見られたもののしっかりと整備され、かなりいい状態でレースに臨んだ。

 

 1走は菅谷洋雄(商3=日大藤沢)が担った。「例年に比べてパワーだけでは勝てない、技術が要求されるコースだった。自分ができる範囲で1走目としての仕事を果たそうと、ミスのない走りができたと思う」(菅谷)。ミスコースなく丁寧に走り抜け、1分24秒84とまずまずの成績を収めた。

 

 2走は田中寛人(商4=桐蔭学園)。1本目、2本目と共に1分25秒台を記録するも、パイロンに触れてしまうなどのミスが重なり合計で5つのペナルティを受ける。「自分が走りたかったコースを走れなかったことでパイロンに近づいてしまった。2本目はもう少しタイムを伸ばせると思っていたが、悪くはなかった」(田中)と自身の走りを振り返った。

 

 3走は坂井が主将としての意地を見せつけた。「とにかくミスなく、なおかついいタイムを出せるようにしたい。最後の大会なので今までの経験を生かして走った」(坂井)。その意気込み通りの堅実な走りで1本目に1分23秒73と個人4位の好タイムをたたき出し、有終の美を飾った。

 

 各選手が能力を出し切った明大。4年生の坂井と田中はこの大会で最後となった。「それなりに満足のいく結果だったと思う。後悔はない」と坂井は前向きに振り返る。一方で田中は「どうしても自分は本番に弱いと感じた。もう大会には出ないけれども、そういった経験などを後輩たちに教えることが今後はできればいいかと思う」。何度もハンドルを握った2人はそれぞれの経験を後輩たちへつなぐ。今大会での結果を糧に来年度に向けて新たな選手を育成し、明大自動車部は悲願の優勝を目指し走り出す。

 

[阿部倖明]

 

試合後のコメント

坂井

――今日のレース振り返っていかがですか。

 「エースドライバーとして部内で1番速いタイムを残せました。1本目でいいタイムを残せたことで2本目また各自ポジティブに進められるような雰囲気をつくれたのかなと思います」

 

――今大会の課題はどう捉えましたか

 「個人の課題点としては途中に細いミスがあったので、完璧とはならなかった点です。チームの課題点としてはシーズン中に車の故障などがあり、スケジュールが押し気味になったので、そういった所をしっかり管理できるようになれば練習回数を増やせることにつながるのかなと思います」

 

――引退後は競技を続づけますか。

 「この車ではやりたくないです(笑)壊れてしまうので。今年でもう5回くらい分解してやっていたので、壊れない車でならやるかもしれないです」

 

田中

――1本目はどのようなことを意識していましたか。

 「ミスコースしないこと、できるだけパイロンに触りたくないなということを思っていました。その中でもできるだけタイムを伸ばそうと考えていました」

 

――1本目ではどのようなミスをしてしまいましたか。

 「自分が走りたかったコースを走れなかったことでパイロンに近づいてしまった感じです」

 

――2本目も1本目と同じ25秒台で走れていました。

 「結果的には同じぐらいではあったのですが、内容としては自分の中ではだいぶ劣ってしまいました。もっと速く回って来られたり、パイロンに触らずに戻って来られたら良かったなとは思います」

 

菅谷

―― 1走目としてどのような意識で臨みましたか。

 「この大会に加え全関東学生ジムカーナ選手権と全関東学生ダートトライアル選手権、全日本学生ダートトライアル選手権と出場させていただき、そのうち3回を1走目として任されました。その中で団体の役割としての1走目は、どれだけ情報を持ち帰り後ろにつなぐかということ、そしてチームの足を引っ張らないことなのでそれはこの大会で一番果たせたと感じました」

 

―― 1本目も2本目も大きなミスもなく走れていました。

 「自分の中ではもう少しタイムが出るかと思って攻め所を決めたのですが、経験の足らない部分や、そもそもタイムを伸ばすためには何を絞っていけばいいかという知識がまだ未熟だと感じました」

 

―― 今日のレース全体の総括としてはいかがですか。

 「明大の底力を全部試して、団体入賞や全員20位以内を取れるような実力を示せる流れに持っていけたのはうれしかったです。しかしこのジムカーナと性質上、ペナルティという大きな足かせを負ってしまいました。なので、来年に向けてというのもありますが今年で決めきれなかったというのはとても悔しいです」

 

―― 今後に向けてはいかがですか。

 「今回生かした経験というのは、自分の中で考えてうまくいったことでした。そして〝上位〟という、いかなければならない場所がよりはっきりとした大会でした。4年生の2人は抜けてしまうので、これらの経験を自分ができるだけ伝えていきたいです。また、選手の育成をより確実にしてもっとレベルの高い選手を3人そろえ、今年と同じカタチではあるけれど、さらに底上げされたチームになれば入賞できるので自分もその支えになりたいです」