格上相手に健闘するも慶大に完敗/関東大学男子1部リーグ戦

2023.08.30

 まさかの結果となった。関東大学男子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)第2戦の相手は、全日本学生選手権(以下、インカレ)シングルス覇者を擁する慶大。強敵相手に奮闘するも勝ち星を挙げることができず。最終スコア0―9と無念の完敗を喫した。

【男子D3横田大夢主将(政経4=足利大付)・松本洵(法2=松商学園)組VS林航平・高木翼組】

 法大戦とペアを組み変えて臨んだ今試合。相手は今年度の全日本学生選手権(以下、インカレ)でベスト4まで勝ち進んだ実力者だ。そんな格上に対し、横田・松本組はひるむことなく堂々と戦い抜いた。

 

 立ち上がりの第1セット。横田の強烈なフォアハンドや松本のリターンエースなどがさく裂し、早々とブレークに成功する。すぐにブレークバックされるも、その後は互いにサービスゲームをキープする展開が続いた。第4ゲームはポイントの取り合いとなり、ジュースに突入。松本のサーブが光りアドバンテージとなるが、相手も譲ることはない。甘いコースの球をボレーで打ち込まれ、再びジュースに。迎えた4度目のアドバンテージ。鋭い角度から放たれた松本のサーブに相手は追い付くことができず、見事このゲームを奪った。試合はその後も一進一退の攻防が続き、タイブレークまでもつれ込む。応援も白熱する中「大事なところで決め切れなかった」(横田)。甘いリターンやバックアウトで失点を重ね、第1セットを奪われてしまう。

 

 第2セットもキープする展開が続く中、第4ゲームでは粘りのラリーでブレーク。ゲームカウント3―3で迎えた第7ゲームでは、横田の角度あるバックボレーなどで点を重ねていく。「お互いがいいプレーをしていた」(松本)と格上相手とも対等に張り合い、手に汗握るラリーの応酬となった。接戦は続き、このセットも再びタイブレークへ突入。松本の好リターンで最初のポイントを奪うも、その後は相手に5連続ポイントを許してしまう。カウント1―6と後がない状況だったが、横田の強気なサーブで得点を奪い簡単には試合を終わらせない。続けてポイントを取り3―6まで追い上げたが、最後はバックアウトでゲームセット。両セットともタイブレークまでもつれ込む熱戦となったが、セットを奪い切ることはできなかった。

 

 スコア上ではセットカウント0―2の結果に。しかし「前回の法大戦よりはプレーも雰囲気も良かった」(松本)と2人の調子は上向きである。悔しい敗戦の中でも「勝てるレベルにはいる」(横田)と収穫も見つかった。今後ペアが変わったとしても、この試合の経験は確実に次へとつながるはずだ。

【S1鈴木久統(政経3=湘南工科大付)VS藤原智也】

(写真:バックハンドを放つ鈴木久)

 男子部のエースが、今年度インカレ王者と激戦を繰り広げた。「S1というポジションを任されたからには、必ずチームに1勝を持ってくる思いで試合に臨んだ」。気合十分に集中力を高めて挑んだ鈴木だったが、相手のドロップや強打を使い分けた巧みな配球に苦戦。第1セットを2―6で落としてしまう。

 

 勝つためには落とすことのできない、勝負の第2セット。互いに最初はサービスゲームをキープし合い、ゲームカウント1―1に。その後は一方的な展開となり、相手の4ゲーム連取でカウント1―5にまで広げられる。しかし、ここから鈴木の大反撃が始まる。「チームのみんなの応援がすごく力になり、自分のプレーの調子が少しずつ上がっていった」。ピンチなときほど仲間の応援は大きな支えとなり、その存在はコート上に立つ選手を奮い立たせる。再度気合いを入れ直した鈴木は、絶対に負けたくないという気迫のこもったショットで次々と得点を量産。「フォアハンドで左右に展開し、そこから得意のテンポを上げるバックハンドや前での攻めでフィニッシュまで持っていくことができた」。カウント1―5から今度は鈴木が4ゲーム連取の逆襲へ。試合はタイブレークにまでもつれ込む。タイブレークでも勢いは衰えず、最後は調子を上げ続けていたバックハンドのクロスがライン際に決まり、第2セットを7―6で取り返した。

 

 反撃の勢いそのままに勝利を目指した鈴木だったが、強敵との激戦に足の疲労が限界に。思うようなプレーをすることができず第3セットは2―6で敗北。強敵相手に悔しくも白星を挙げることはできなかった。

 

 「2敗してかなり苦しい状況」(横田)と目標の全日本大学対抗選手権決定試合(以下、王座)出場に向けては後がない明大。昨年度のリーグ戦、そして王座で優勝を果たした強豪・早大に対し、次戦はどのような戦いを見せるのか。苦境の今こそ、明大の底力が試される。

 

[久保田諒、高橋佳菜]

 

試合後のコメント

横田

――試合を振り返っていかがでしたか。

 「僕も松本選手もそこまで悪いプレーをしていなくて、むしろいいプレーをしていたと思います。それでいいところまで行っても差を離しきれなかったり、大事なところで決め切れなかったりしたので、そこが敗因だったと思います」

 

――次戦への意気込みをお願いします。

 「正直、今のままでは早大に勝ち切るのは難しいと思っています。慶大戦の反省を生かして全員が気持ちを切り替え、勝ち切るんだという気持ちで臨んでいくことが3戦目以降大事になってくると思います」

 

鈴木

――次の試合までに改善したい課題点はありますか。

 「第2セットの最後から足の疲労がきてしまっていたので、水の飲み方やストレッチなど試合前にできることを、試合中ではなくもっと試合の前にやるべきことをやらなくてはいけないなと思います。それでも体力的な面は難しいところもあるかと思いますが、そこはいつもトレーナーさんが完璧なマッサージをしっかりとしてくれているので大丈夫だと思います」

 

――相手の印象はいかがでしたか。

 「やっぱり強いですね。『強い』の一言です。まず弱点がなかったです。自分としては相手はサーブが苦手な印象があったんですけど、結局サーブでも大量に点数を取られてしまったので、本当に弱点がないんだなと思いました」

 

松本

――チームとしての収穫を教えてください。

 「インカレで優勝やベスト4の結果を残した相手に対し、手の届く範囲内であることが分かりました。勝てないと意味はないですが差はそれほどないと感じたので、これからの取り組み次第で結果は変わってくると思います」

 

――早大戦へ意気込みをお願いします。

 「早稲田も全国トップレベルの選手が集まっていますが、誰一人弱気にならず全員が勝つという気持ちで取り組めば、チャンスがあると思います。今この雰囲気だと正直厳しいところがあるので、この中日の2日でチームの雰囲気や気持ちをもう一回作って、また新たに強い気持ちを持って早稲田戦に取り組みたいと思います」

 

河野隼也(営1=鳳凰)

――初めてのリーグ戦はいかがでしたか。

 「最初は緊張するのは分かっていたので、声を出し、息を吐いて緊張をほぐそうと思っていました。それが最初の方はうまくいったんですけど、シンプルに実力が相手の方が上で、少し苦手なフォアを狙われた感じでした」

 

――今後の目標を教えてください。

 「これから残りのリーグ戦3試合全部勝てるように、もし出させてもらえたらしっかり今日の試合の反省をして頑張りたいです。もしサポートだったら、チームを勝たせられるように努力したいです」