攻守両面で奮闘 リーグ最終戦を勝利で締めくくる/関東学生リーグ戦

 試合開始直前の雷雨の影響により約1時間遅れで始まった早大戦。ファイナル4進出には勝利が絶対条件のHUSKIESは先制を許すも、立て続けに3点を取り逆転に成功。その後は一進一退の攻防が続く中で、第4QにA T(アタッカー)佐藤颯士(商3=徳島市立)が値千金の追加点をもたらし逃げ切りに成功。最終戦を白星で締めくくった。

 

◆7・912・24 第35回関東学生リーグ戦(大井ホッケー競技場メインピッチ他)

▼8・26 対早大戦(江戸川区臨海球技場)

○明大4{3―1、0―0、0―1、1―1}3早大

 

 試合序盤は両チーム細かいパス回しでチャンスをうかがい、手の内を探りあう状況が続く。ゴールに迫りながらもお互いの強固なディフェンス陣がシュートを打たせない中で先にゴールネットを揺らしたのは早大だった。細かいパス回しを中心とした攻めから一転し逆サイドへロングボールを供給。ディフェンスの枚数が足りないところをつかれ先制点を許した。勝利に向けて苦しい出だしとなったが「後がない試合だったので全員が全身全霊を懸けた」(今井)。すぐさまゴール付近のパス回しからMD(ミディ)木村直樹主将(商4=桜美林)のゴールで同点に追いつくと、M D山本悠翔(情コミ2=市ヶ尾)が「ここが勝負だと思ったところで行き切って良かった」。ドリブルで敵陣を切り裂きゴールを決め勝ち越しに成功。さらに第1Q終了間際に前の試合で3ゴールを挙げた佐藤に2試合連続ゴールが飛び出しリードを広げる。第2Qではディフェンス陣が早大の猛攻をしのぎ切り、2点リードで試合前半を終えた。

 

 試合後半に入ってからも早大の怒涛(どとう)の攻めは続く。第3Qには相手のロングシュートが決まり1点差に迫られる。その後も早大の多彩な攻撃が何度も明大のゴールを襲うが、G(ゴーリー)今井雄太(文3=日出学園)が体を張ったファインセーブを連発し、ゴールラインを割らせない。すると、第4Qにディフェンス陣の奮闘にオフェンス陣が応える。「1点差まで責められている場面で自分たちがボールを持ちたいというのがチームとしてあったが、いけるところは攻めていいよという風にコーチ陣から言われていた」(佐藤)。守備の時間が長かった中で、集中力を切らさなかったオフェンス陣の巧みな連携でゴールに迫ると、最後は佐藤にこの試合2ゴール目が飛び出し、早大を突き放す。試合終了間際に1点を返されるも、その後の攻撃は封じ最終戦を勝利で終えた。

 

 リーグ戦全勝の早大に勝利し、ファイナル4進出への望みをつないだH U S K I E S。ファイナル4進出は他大学の結果に委ねられることになったが、2連勝でリーグ戦を終えたことに選手たちは笑みを浮かべた。「1カ月近くファイナル4まで空いてしまうが、個人技術はもっとレベルアップできるところがあるので、慢心せずにしっかり全員で気持ちを作って、ファイナル4に行けることを信じて残り1カ月やっていきたい」(木村主将)。悪夢の2連敗からチーム全員がレベルアップを遂げ、その成長を結果で示したH U S K I E S。2年連続の全日本大学選手権決勝の舞台へ。選手たちは信じて練習を積み重ねる。

 

[冨川航平]

 

 

試合後のコメント

木村主将

――リーグ戦全体を振り返ってみていかがですか。

 「前半の連敗が、悪い意味で言えば最初もっと勝ち切れていれば今頃ファイナル4が確定していたってところだったのでそこの後悔はあります。でも前半の負けがあったからこそ最後2戦で勝ち切れました。特に今日の試合、全勝の早稲田に勝ち切れたってところはあったので負けは悔しいですが、逆にそれを通じて本当にみんな成長して、その負けをしっかり無駄にしないでやり切れたところは、このリーグ戦の大きな収穫だと思います」

 

――早大戦に向けて、何か特別な対策はされましたか。

 「リーグ戦で2連敗して全体的にチームが追い込まれたところでしたが、そこで本当に長いミーティングや、全員で気持ちを作っていくために、幹部で何回も話し合って、特別早稲田対策ももちろん頑張りましたが、みんなの気持ちが入れ替えて、本当に目の色変えてやれたところが一番変えられたポイントかなと思います」

 

佐藤

――今日の試合の収穫点と課題点をお願いします。

 「良かった点としては、ディフェンスもしっかり守りきってくれましたし追い付かれそうな場面で踏ん張って、いつもだったらここで崩れていましたがちゃんと踏ん張って、オフェンスもちゃんと点を取ってという風にできたのがいい点だったかなと思いました。自分たちのミスが目立った試合で、そこを修正すればもっと楽に勝てたと思うので次はもっと細かい部分ですけど詰めていきたいです」

 

今井

――試合終盤になるにつれてチームメイトやOBの方からの声援がかなり大きくなってきたと思いますが、いかがでしたか。

 「OBの方々が作り上げてくれたチームなのでその伝統を受け継ぐためにも自分たちがここで早稲田に勝つというのはすごく大事なことだと思うので、その気持ちを見せながら、というところですごく力になりました」

 

山本

――今リーグ戦を振り返っていかがですか。

 「自分の場合は、2年生からAチームに入れてもらってプレータイムをもらった中で、絶対に得点という形で恩返ししたいなと思っていました。最終戦まで決められずにミスもした中で、最後に得点決めることができて良かったです。終わり良ければすべて良しみたいな感じにできて、個人的にも成長できた収穫の1年でした」