
リーグ初戦 熱戦繰り広げるも法大に惜敗/関東大学男子1部リーグ戦
関東大学男子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)2日目。第1戦の勝敗を懸けた男子シングルスが行われ、法大相手に奮闘した。太田翔(法3=大分舞鶴)、飯田翔(商3=足利大付)、山中朝陽(文2=四日市工)の3名が勝利。飯田は単複勝利となったものの、あと一歩及ばず4-5で惜敗を喫した。
【S4山中VS松﨑要喬】
フルセットの死闘の末、逆転勝利を収めた。序盤は相手のプレーに翻弄(ほんろう)されるも、確実にリターンを返して食らいつく。しかしゲームカウント2-4で迎えた山中のサービスゲームでは、8回ものジュースで粘ったもののブレークされた。「相手に押された部分もあり、取り切れそうで取り切れなかった。自分に流れを持ってこようという一心だったが、結局相手に取られてしまった」。第1セットは2ー6で落としてしまう。第2セットでは巻き返しを図るが互いにキープとブレークを繰り返し、ゲームカウントは4-3。その中でも「自分のサービスゲームを取り切れたので『これはいけるんじゃないか』と思い、強気のプレーが出てきた」。ネット前に出てきた相手のサイドをストロークで打ち抜く、抜群のコントロール力を発揮しブレーク。勢いそのままに6-3で第2セットを制した。
ここで雨が降り出し、試合は一時中断。「(第2セットは)腕とか足とか腹筋とか全部つっていて、なんとか最後取り切れたという感じだった。そこで30分ぐらい時間が空いてトレーナーの方にマッサージをしてもらい、テーピングもぐるぐる巻きに巻いて何とかファイナルセットに入れた。あの休憩は大きかったと思う」。満身創痍(そうい)だったが中断によって回復し、ファイナルセットに臨んだ。試合再開後すぐにS2太田とS3飯田の勝利が決まり、団体戦のスコアは3-4。S1の鈴木久につなげるためには、絶対に負けられない状況に。「1球も気が抜けない」。緊迫したラリーの中で差をつけることはできず、ゲームカウント5-4でサービスゲームを迎えた。40-30のマッチポイント、勝利がかかった一打はネットにかかり、ジュースにもつれ込む。「マッチポイントが何回もあったが、これを取ったら(団体戦スコア)4-4でS1に勝負を懸けるという中で緊張があり、何度も逃してしまった」。なかなか勝ち切ることができず、3回目のジュース。相手の鋭いボレーを必死に返し続けてアドバンテージを取ると、ついに勝利。山中はラケットを投げ出して叫び、会場は拍手喝采に包まれた。
【S5坂井修造(理工4=湘南工科大付)VS佐藤太耀】
リーグ戦シングルス初出場となった坂井。「緊張もあって、最初は力みが取れなかった」。第1セットは一進一退の攻防が続く白熱したラリー戦を繰り広げた。開始早々2ゲームを連取するが、相手の鋭い打球に対応できず試合は振り出しに。その後も両者共に譲らず、タイブレークへと突入した。4ポイントを連取するなど優位に進めていたものの、あと一歩のところで積極的なプレーができず、タイブレークは6-8で惜しくも第1セットを落とした。
第2セット、3ゲームを先制されて迎えた第4ゲーム。コートに現れた坂井は右足にテーピングを巻いていた。右足をかばいながらも相手の揺さぶりに負けじと反応し続けた。しかし、その直後に雨が降り出し試合は中断。「雨は自分の中でいい切り替えになった。この後どう戦うか整理できた」。しかし試合再開後も足の状態は回復せず、思うようなプレーをすることはできなかった。苦しい状況でも、第5ゲームではコートの隅をつくショットを見せ、ブレークを奪う。必死に食らいついたものの、ゲームカウント1-6で試合終了。初戦を白星で飾ることはできなかった。「自分のポジションに責任を持って、一人一人が全力を出して頑張っていきたい」。最後のリーグ戦を後悔なく戦い抜く。
(写真:ガッツポーズを決める坂井)
【S2太田VS平井健太郎】
実力を見せつけ快勝した。約2週間前に行われた全日本学生選手権(以下、インカレ)では、シードで出場したもののストレート負けを喫していた太田。今試合はダブルスを回避してシングルスに専念し「インカレと比べて今日は『勝とう』という気持ちが強かった」。その言葉通り、強気のプレーで相手を圧倒していく。第1セットの第2ゲームでは5回のジュースに競り勝ちブレークに成功。第4ゲームでは相手に1ポイントも取らせることなくブレークするなどの見せ場を作り、6-1で第1セットを獲得した。第2セットに入っても勢いは止まらない。「出だしがいつも悪くて取られてという流れになってしまう。(今日は)出だしに集中して差を広げて、そこからは余裕を持って自分のテニスができた」。サービスエースを連発するなどして一気に2ゲームを先取すると、雨による一時中断後も順調にゲームを重ねていく。サーブアンドボレーで積極的に攻めるプレーを展開。「コートが遅くて跳ねるので。相手も下がっていたので、サーブを跳ねさせて前に出るというのを、相手のポジションとかを見て考えてできた」。最後まで相手に流れを引き渡すことなく6-2とし勝利を飾った。チームの主力として順調に結果を残している太田。リーグ戦では「全戦全勝」という目標を掲げ、第2戦以降も躍動してみせる。
(写真:フォアハンドを打つ太田)
昨年度と同様、法大に惜敗し悔しい幕開けとなったリーグ戦。次なる戦いは8月29日に行われる慶大との一戦だ。全日本大学対抗王座決定試合出場に向けて勝利をつかみ取ることはできるのか。強豪校を相手に、チーム一丸となって戦いに挑む。
[萩原彩水、春木花穂、髙橋未羽]
関連記事
RELATED ENTRIES