
喜びと悔しさの4日目 吉田華・鈴木渚組が準々決勝へ/全日本学生選手権4日目
明大勢から女子単複2試合ずつが行われた全日本学生選手権本戦(以下、インカレ)4日目。連戦で疲労がたまる中、吉田華菜子(法4=仁愛女子)・鈴木渚左(国際3=野田学園)組が見事な戦いでベスト8進出を果たした。
◆8・14~20 全日本学生選手権(四日市テニスセンター)
▼8・18
[女子シングルス4回戦]
吉田華 0{1―6、2―6}2 山﨑(亜大)〇
鈴木渚 0{5―7、4―6}2 金子(早大)〇
[女子ダブルス4回戦]
南口・五十嵐組 0{0―6、0―6}2 川出・西尾組(筑波大)〇
〇吉田華・鈴木渚組 2{6―3、6―4}0 加藤・安井組(中京大)
【女子シングルス4回戦:鈴木渚VS金子さら紗(早大)】
昨年度のリーグ戦で対戦した相手と四日市で再戦を果たした。「しぶとくて簡単にはポイントが取れない」。その言葉通り、試合開始直後長いラリーの間にミスを誘われブレークを許してしまう。だが鈴木も幾多の試合経験を生かし、無抵抗で終わらせることはない。ライン際にボールを落とす技ありショットや、徹底したバックハンドへの攻めなど巧みなプレーでポイントを重ねていく。一進一退の攻防が続く中「やり過ぎてしまった」。攻めの姿勢で自ら展開を作ろうとするも相手の粘りから思い通りのプレーができず、第1セットを5―7で落としてしまう。
「最初からやり過ぎない」ことを意識して迎えた第2セット。第1セットとは反対に自分がしぶとくボールを返すことで相手のミスを誘っていく。加えて相手を前後左右に動かす正確なショットを武器に3ゲーム先取に成功。しかし全国ベスト16の舞台は容易ではない。相手の緩急をつけたプレーによって自分の試合展開に持ち込むことができなかった。第6ゲームは7回のジュースを取り切れず、ゲームカウント3―3まで追い付かれてしまう。直後のサービスゲームはキープするも、気温の上昇と連戦の疲労が鈴木の体力を奪っていった。4―5で迎えた第10ゲームは、らしくないストロークのミスなどで1ポイントも取ることができず、1セットも奪えないまま試合終了。辛酸をなめる結果となった。
「もっとできたのではないか」。試合後そう語った表情には悔しさがにじんでいた。目標の優勝とは遠い結果に終わってしまったが、この経験が必ず進化への一歩となるに違いない。リーグ戦での鈴木の快進撃に期待が高まる。
【女子ダブルス3回戦:吉田華・鈴木渚組VS加藤穂乃佳・安井友菜組(中京大)】
ベスト8入りを懸けて挑んだ勝負の3回戦。「地域も全く違う初めての相手だったので、とにかく自分たちの持ち味を出せるように積極的に打つことを意識して試合に臨んだ」(吉田)。気合十分に始まった試合は、序盤から吉田・鈴木組が焦ることなく冷静に試合を組み立てていき、いきなり2ゲームを連取する。その後はお互いが交互にゲームを取り続ける展開になるも第6、7ゲームで再び2ゲーム連取に成功。「自分たちから積極的にストレートを攻めたりポーチに出たりして、いい形ゲームを進められたのが良かった」(鈴木)。そのまま相手に反撃を許さず、第1セットを6―3で獲得した。
続く第2セットでも2人の勢いは止まらない。第1セット同様、開始からいきなり2ゲームを連取。このままの流れでゲームを積み重ねていきたい吉田・鈴木組であったが、相手もそう簡単に引き下がってはくれない。「相手が自分たちのダブルスに慣れてきてしまっていた」(吉田)。それまで通用していた速いテンポでの攻撃が取られ始めるとミスを重ねてしまい、第3ゲームから連続で4ゲームを相手に献上してしまう。しかし、ここで慌ててしまうのではなくしっかりと声を掛け合い、次どうするべきかコミュニケーションを取ることができるのが吉田・鈴木組の強みである。「ループボールを使ったり2人で前に出たりするようにした」(鈴木)と攻撃のパターンを変えることで再び流れを取り戻すと、そのまま連続で4ゲームを取り返す。最後は鈴木のストロークで相手を崩し、吉田のボレーで決めるという2人の得意なプレーで決め切り、見事なストレート勝ちで準々決勝へと駒を進めた。
次戦はいよいよベスト4入りを懸けた大一番となる。「自分たちがやってきたことを信じて2人笑顔で頑張りたい」(吉田)。持ち味を生かした積極的なプレーで勝利をつかみ取り、必ずやコート上で笑顔を見せてくれるに違いない。
大会4日目を終え、明大勢もいよいよ残すは女子ダブルスの1組だけとなった。仲間たちからの期待を背に吉田華・鈴木渚組はいったいどこまで駆け上がることができるのか。まずは目先の準々決勝。ベスト4入りを果たすべく、2人は次戦も強敵に挑む。
[久保田諒、高橋佳菜]
試合後のコメント
南口亜美(国際4=野田学園)
――インカレを振り返っていかがでしたか。
「負けてしまいましたが予選からベスト16まで来ることができて、常に楽しく試合ができたことは良かったと思います」
――リーグ戦への意気込みを教えてください。
「リーグで戦う相手がまだインカレで残っている人も多く、明治は少ないので実力的には劣ってしまっているというのは分かっていますが、最後は勇気を持って気持ちで勝てるようにこれから練習します」
吉田華
――今試合を勝ち切ることができた要因は何だと思いますか。
「いつもだったらセカンドセットの悪い流れの時にそのままいっちゃうんですけど、約1年間組んできていろいろな大会にも出て、お互いの良い時と悪い時を分かって今大会は臨みました。そのため悪くなった時はお互いが声を掛け合って、最後は相手より積極的にいけたことが勝てた要因かなと思います」
鈴木渚
――準々決勝に向けての課題点はありますか。
「ただラリーをするのではなくて、自分たちから積極的にストレートを打ったりループボールを使ったりする。また、前でのプレーでもポーチに出たり2人で前に出たりというところ。この四つのことをしっかりと意識してやっていけたらいいのかなと思います」
五十嵐唯愛(政経2=四日市商)
――試合を振り返っていかがでしたか。
「大量リードされたことで相手は気持ちに余裕ができてどんどんプレーできていましたが、自分たちは焦りや取り返さないといけない気持ちが強くなってしまったことで展開することができなかったので、それが敗因だと思います」
――リーグ戦に向けて意気込みをお願いします。
「個人戦から団体戦に変わって雰囲気も大きく変わると思うので、波に乗っていけるように明治らしくプレーしていきたいです」
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