
男女シングルス3人が3回戦進出/全日本学生選手権2日目
台風一過の晴れ空のもと、全日本学生選手権本戦(以下、インカレ)2日目が行われた。男女シングルスでは3人が2回戦を突破し、女子ダブルスでは2組が1回戦を快勝。3日目に弾みをつける結果となった。
◆8・14〜20 全日本学生選手権(四日市テニスセンター)
▼8・16
[男子シングルス2回戦]
飯田 1{6―3、5―7、0―6}2 脇坂(慶大)○
太田 0{0―6、1―6}2 丹下(日大)○
○鈴木久 2{6―1、6―2}0 髙村(岡山大)
[女子シングルス2回戦]
○吉田華 2{6―4、6―2}0 齋藤(早大)
○鈴木渚 2{6―2、6―1}0 山本(鹿屋体大)
五十嵐 0{6―2、7―5}2 塚田(筑波大)○
丸山 0{6―4、6―1}2 沼野(亜大)○
[女子ダブルス1回戦]
○南口・五十嵐組 2{6―3、6―2}0 河野・小畑組(早大)
○丸山・藤永組 2{6―2、6―4}0 藤田・森田組(関学大)
【男子シングルス2回戦:飯田翔(商3=足利大付)VS脇坂留衣(慶大)】
3時間を超える白熱した試合が繰り広げられた。相手はミスが少ないことに加え、飯田とプレースタイルが似ていることもあり、試合は終始長いラリー戦が続いた。第1セットは序盤から両者一歩も譲らない展開に。ゲームカウント3―3で迎えた第7ゲームでは、飯田から積極的にボレーに出てゲームを展開し、ストレートでブレークに成功。ニューボールに切り替わった第8ゲームでは「もう絶対取ろうという気持ちでギアを上げて、集中力を上げてできたから良かった」。自身のサーブゲームを危なげなくキープすると、勢いそのまま6―3で第1セットを獲得した。第2セット、ゲームカウント3―1とリードして迎えたサーブゲーム。しかし3度のジュースの末にブレークを許してしまう。「どちらかといえば守り気味になって、相手のミス待ちみたいなのがあった。もっと積極的に攻めたら良かった」。最後まで相手をなかなか先行することができず、5―7で第2セットを落としてしまった。
勝負を決める第3セット。しかし2時間以上プレーを続けた体は悲鳴を上げていた。足や腕にテーピングを施しながらコートに立つもなかなか体は動かない。それでも「明治の中心の選手としてやっているから、そういった気持ちもあって戦っていた。簡単に負けたくないなというのがあって頑張った」。スライスショットやドロップショットを駆使しながら戦い抜くも、最後は力尽き勝利を飾ることはできなかった。
今大会シングルスでの戦いは幕を閉じたが、ダブルスでの戦いが残っている。「ペアが大夢さん(横田大夢男子部主将・政経4=足利大付)でラストの年なので、優勝できるチャンスはあるから、1戦1戦優勝を目指してまずは明日しっかり勝ちたい。大夢さんのために頑張りたい」。同高出身ペアの躍動に注目だ。
【女子シングルス2回戦:吉田華菜子(法4=仁愛女子)VS齋藤優寧(早大)】
今大会で最後のインカレとなる4年生の吉田が、忍耐強いプレーで自身初の本戦での勝利を収めた。今試合の相手・齋藤(早大)には昨年度同大会の予選でも勝利している。しかしファイナルセットに及ぶ接戦であったため体力を消耗してしまい、その後の本戦を勝ち上がることができなかった。今年度は「勝ち上がったら連戦になっていくので、体力面のことを考えるとここでしっかり勝たないと」と勝ち切る気持ちで試合に臨んだ。
第1セット序盤はキープとブレークを繰り返す接戦に。相手の強みであるパワフルで重い球に対して攻め入ることができない。しかし「これで引いてしまうとチャンスボールで相手のペースになってしまうと思ったので、そこは(コートの)内側で我慢しながらやった」。強打を確実にコート内に返すことで辛抱強く耐え抜く。3ー3の場面では相手のサービスゲームをブレークすることで差をつけ、6-4で第1セットを奪った。
パワフルな相手と戦う中で「その強打が100パーセント入るという感じでもないので(強打には)しっかり耐えながら、それでも一定のリズムで打たせないことを心がけた」。ハイリスクな攻めではなく、緩急をつけた球で相手のミスを誘うプレーに切り替えることで着実に得点を重ねていく。第2セットは開始早々にブレークすると、ゲームの主導権を掌握。一切ブレークされることなく6ー2で勝利をつかんだ。
狙い通りファイナルセットに持ち込むことなく3回戦への駒を進めた吉田。次戦は5月の関東学生トーナメントで敗れた相手と戦う。「今の自分ならいけると思っているので、自信を持って頑張りたい」。全国の舞台で春のリベンジを果たしてみせる。
本戦2日目は男女シングルス2回戦、女子ダブルスの1回戦が行われ、シード権を持つ選手にとっては大会初日となった。本戦3日目は明大硬式庭球部の強みともいえる男子ダブルスが始動する。明大勢の躍進に注目だ。
[萩原彩水、春木花穂]
試合後のコメント
吉田華
――今日の試合を振り返っていかがでしたか。
「昨年も同じ大会で予選でやっていて、その時も勝ったんですけど、タイブレークまで行ってしまいました。これ勝ち上がったら連戦になっていくので、体力面のことを考えたら、ここでしっかり勝たないとなって思って、少し緊張したところもありました。相手のいいところもあったんですけど、それに我慢強く耐えながら、自分から前に入って打つということを最後までやれたことが良かったです」
――4年生で最後のインカレですが、特別な思い入れはありますか。
「私はコロナで始まって、あまりこういう大会とかなかったので、最後にこうやって大きな大会に出て、インカレのシングルスで本戦で勝つことが4年間で初めてでした。でも今年は単複ともにベスト4以上という大きな目標があるので初戦勝ったことに満足せず、しっかり勝ち上がって、明日からもダブルスが始まるので、そこでも勝ち上がりたいです。また終わったらすぐリーグ戦(関東大学女子1部リーグ戦)もあるのでいい流れを持っていけるように頑張りたいと思います」
南口亜美(国際4=野田学園)
――ダブルス1回戦を終えた今の率直な気持ちを教えてください。
「予選の時よりも2人のコンビネーションが良くなって、ダブルスっぽいポイントの取り方ができたので、どんどん持っていけました。全体的に試合を重ねるごとにペアの相性が良くなってきていると思うし、今の試合は積極的な姿を忘れずにプレーできたので、2人とも良かったかなと思います」
――女子ダブルス2回戦への意気込みを教えてください。
「予選にいなかったペアなので、どういうプレーをしてくるか分からないんですけど、ストロークはしっかり打ってくる相手だと思うので、ここは引かずにボレーで先に私たちが展開していけるように、まずは引かないで、ボレーで決めるっていう気持ちでやっていきたいなと思います」
飯田
――試合全体通して振り返っていかがですか。
「自分から展開することが全然できていなくて、それでずっと相手にリードされる感じでした。気持ち的に相手にプレッシャーをかけられなかったので、もっと自分からポイントを取りにいく形があったら良かったなと思いました」
――プレーを進めていく中で、何か戦術は変えていきましたか。
「バックラリーで全然自分がポイントを取れていなかったので、バックラリーの中で自分からストレートに展開して、相手にフォアを打たせて、自分のフォアで攻めるというのは意識していました」
鈴木渚左(国際3=野田学園)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか。
「最初は自分のプレーをしていたのですが、途中から相手が仕掛けてこなくて、それに対して自分が焦って打ち過ぎてしまうというのが多くて、4―0から4―2になってしまいました。そこからは一旦冷静になって、逆に相手にやらせるということを徹底して、1セット目は取れました。2セット目は相手のボールが浅かったりしたので、自分のリズムで前に入ってプレーができ、全体的に良かったと思います」
――次の試合に向けて意気込みをお願いします。
「同い年で、やったことがある相手なので、どうやってやるか、頭の中を整理してしっかりと準備して試合に臨みたいです」
鈴木久統(政経3=湘南工科大付)
――今日の調子はいかがでしたか。
「今日は正直、自分では全然納得いく試合ができなかったんですけど、その中でもちゃんと点を取るべきところは取れて、勝ちにこだわってテニスできたことがすごい良かったなと思います」
――今日の相手はいかがでしたか。
「今日の相手は正直知らなかったんですけど、油断してると『負けるよ』というのもコーチから言われたり、違う人からも言われたりしたので、そこで油断せずに最初から勢いよくいけたのが良かったと思います」
――今大会の目標を教えてください。
「今大会の目標はベスト4に入ることです」
五十嵐唯愛(政経2=四日市商)
――シングルスの試合を振り返ってみていかがですか。
「今日は相手がすごいハードヒッターで、がんがん打たれることが多くて、1セット目はそれに対応できませんでした。2セット目はスライスを使ったりして相手のミスを引き出していけたので、相手のミスでのポイントが結構多かったなと思います。5ー5でニューボールに変わったんですけど、その時に相手が打ってきたボールに対してすごい後ろに下がって振り遅れてしまいました。相手の方が攻めの姿勢が上手だったなと思います」
――今大会に向けて強化してきた部分はありますか。
「大学に入って最初の方は結構がんがん打ってしまって、自分のプレーを見失っていた時もありました。自分のプレーは打っていくことも必要なんですけど、スライスとかロブを使って相手を崩していくことが得意なので、そういったところを冬場から強化してきました」
――南口・五十嵐組の強みを教えてください。
「私のファーストサーブが入ると、南口さんのボレーがすごく上手なので、南口さんが前で私が後ろでストロークでつなぐという、私が後ろで南口さんが前の形が得意です」
関連記事
RELATED ENTRIES