
(3)明大スポーツ第530号『一般生も活躍中! 体育会特集』ヨット部インタビュー拡大版 後藤玲音
8月1日発行の明大スポーツ第530号の3面『一般生も活躍中! 体育会特集』で大学から競技を始めたいわゆる〝一般生〟が活躍できる要因を語ってくださったヨット部。本企画ではやむを得ず紙面に載せることのできなかったインタビュー部分を掲載いたします。
第3回は後藤玲音(政経3=明大中野)のインタビューをお届けします。
(この取材は7月1日に行われたものです)
――ヨット部に入部した理由を教えてください。
「実際に試乗会に行ってみたところ、海の壮大さやヨットの爽快感のようなところときれいな合宿所での共同生活っていうところに引かれて入りました」
――ヨット部に入部するまでは、他の競技はやられていましたか。
「僕はずっとサッカーをしていました」
――入部してから初めて海に出るまでは、どのような練習をされていましたか。
「先輩方からは動画を見た方がいいって言われていて、イメージトレーニングぐらいしか陸ではできないです。先輩たちがいっぱいLINEにあげてくださっている動画を見て、イメージトレーニングっていうのは結構重ねていました」
――ヨットのルールや船の上で必要な作業なども動画で覚えたのですか。
「ルールブックがあって、そういうのは陸で読めます。結構座学というか、勉強メインっていう感じですかね」
――初めて海に出たときの印象などはありましたか。
「少し酔ってしまいました。自然相手のスポーツで、もちろん冬は寒くて夏は暑くて、プラス酔ったりするっていう、結構過酷な環境なんだなと思いました」
――初実戦の時の思い出はありますか。
「イメージトレーニングを重ねてきて、動く手順は頭では理解できていたのですが、実際に動くとなると、焦っちゃって分からないなっていうところが多かったです。初めての経験がとても多いスポーツなので、焦りなどは多く感じました」
――慣れてきたと感じるのは、具体的にどのような瞬間ですか。
「さっき言ったイメトレができているけど、実践できないっていう状態から、実際に自分のイメージ通りに体が動けて、少しずつ周りのことが見えるようになってきたときです」
――後藤さんが思うヨット競技の魅力、楽しいこと、やりがいなどあれば教えてください。
「自然が相手なので、そのときによって状況が異なって、全く同じ状況というのは一度も訪れないと思います。その勝ちパターンが決まっていなくて、練習でいい試合をするのはとても難しいんですけど、やりがいやその面白さっていうか、飽きなさ、奥が深いスポーツです。突き詰める面白さもあると思います」
――逆にヨットのきついことや難しいと思う部分はありますか。
「ヨットって優雅なスポーツに見えるかもしれないんですけど、結構全身運動で、1日ヨットの上で過ごします。あとは全身筋肉痛になること、過酷な環境下でも練習や試合をしなければいけない部分が多いので、そういう面ではきついかなと思います」
――ヨット競技に向いている人は、どのような人だと思いますか。
「結構売り文句にしているんですけど、運動したことがない人でももちろんできるようになります。あと、向いている人としては結構細かいことに突き詰めていける人です。細かいところにこだわることは、勝ちにつながることだと思うので、そういったところがかなり向いているんじゃないかなと思います」
――今まで競技やってきてきた中で印象に残っていることはありますか。
「(僕が)初めて出させてもらった大会が、1年生の11月で入部して半年ぐらいで結構大きな大会に出させてもらって、その大会が良くも悪くも印象に残っています」
――一般生で入られて、昨年度は全日本個人選手権と、全日本のインカレの方にも出られていると思うのですが、いつ頃から全国という舞台は意識されましたか。
「本格的に練習に参加して乗り始めたのがその11月ぐらいで、それからしばらくは大きな大会がなかったんですけど、去年の春のインカレからですね」
――実際に全国の試合に出て、感じたことはありますか。
「やっぱりレベルが高いなっていうふうには感じたんですけど、練習で関東勢の早大などの強豪校と一緒に練習する中で、一般生から始めても実力として付いていけるのかもしれないなというふうに感じました」
――その一般生でも活躍できる大きな理由はありますか。
「ペア競技なので、その相方とのコミュニケーションやうまく戦略を練るっていうことが落ち着いて練習の成果を発揮できますし、一番重要だと思います。コミュニケーションと、普段の練習の成果を発揮するっていうことができれば、いい順位は取れるんじゃないかなというふうに思います」
――明大ヨット部の大きな魅力として合宿所共同生活というのも挙げられると思うのですが、合宿所での生活はいかがですか。
「もう3年目で結構慣れてきたんですけど、最初の方は合宿形式であまり自分の経験したことがなかったので、新鮮なものが多かったです。人とのいざこざもあるかもしれないですけど、慣れてきたら社会に出ることについてもつながる力がつくと思いますし、あとは絆が深まるっていうのが大きいなと思っています。サッカーW杯やWBCも合宿所でみんなで見ていて、それはとても楽しいなと思いました」
――合宿所での生活を通して、一般生の人と経験者の方との仲がすぐ深まりやすいと思うのですが、実際に生活してみていかがですか。
「1年生のうちは結構お皿洗いや買い出しなど一般生とスポ薦の人が一緒になっていくのでそういう面でコミュニケーションも取れるし、男女関係なく仲良くなるのかなというふうに思います」
――チームの今の雰囲気はいかがですか。
「今も結構自由というか、誰もが発言しやすいような環境が整っています。頼りがいのある4年生に対して意見を言って、それを実践してもらったり、何かきちんと自分の意見を通せるっていうのがいい雰囲気だなと思います」
――一夏休みでチームとして意識していきたいことを教えてください。
「秋の関東大会が10月にあって、結構先のように思えて、あと2カ月ぐらいしか練習期間がないと思います。練習が長くてちょっと気が滅入っちゃうかもしれないんですけど、時間がないと思って頑張りたいなというふうに思っています」
――今シーズンのチームとしての目標が全日本インカレの入賞とチームスローガンが『一丸』ですが、その点はいかがですか。
「今からでもみんなで頑張れば、目標は達成できると思います。もちろん時間は限られているんですけども、みんなが全力で取り組めば、成し遂げられる目標じゃないかなと思っています。スローガンに関しても、470チーム、スナイプチームと別々に何か行動をとったりすることが多かったんですけど、今年は連携が取れています。クラス別でもコミュニケーションをしっかりとって、クラス間の対立がないような状況ができているのでいいかなと思います」
――ヨットの一番の魅力を教えてください。
「ヨットの一番の魅力は海に出ることができるっていう点だと思っていて、一般の方だとなかなか行かないですが毎週足を運んで、海の人になれるっていうのもあります。競技としては、コンディションが絶対に変わるので同じ状況ではレースは起こらないってことで、新鮮さが常にあります。かといって、同じことの繰り返しでは勝てないというか、新しい方にも挑戦していかないと勝てないです。そういった面で、やりがいとか突き詰める面白さっていうのはあるかなと思います」
――明大ヨット部の一番の良さを教えてください。
「一般生が多いっていう面と、合宿所がきれいっていう面があると思っています。他の大学のヨット部と比べると、一般生の割合がとても高くて、それでも成績も全国大会に行けるような成績を残しています。一般生が8割っていうことになっているので、だいぶ過ごしやすい環境です。体育会って聞くとスポーツ推薦が多くてちょっと怖いなと思ったりするかもしれないんですけど、ヨット部だったら一般生がメジャーという感じなので、過ごしやすい雰囲気が整っているのかなと思います」
――来年入学してくる新入生への勧誘やメッセージなどあればお願いします。
「大学で新しいことに挑戦したいと思っている方や海が好きな方は誰でもいいので、ぜひ試乗会に来てもらえたら、明大ヨット部の魅力やヨットの魅力もわかってもらえると思います。ぜひ新入生でも入りやすい部活っていうことで、足を運んでみてほしいです」
――ありがとうございました。
[冨川航平]
◆後藤 玲音(ごとう・れお)政経3、明大中野高、176センチ、64キロ
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