リーグ戦初勝利 ファイナル4へ望みをつなぐ/関東学生リーグ戦

 雨上がりの心地よい風が頬をなでる中、行われた武蔵大戦。ここまで2敗と負け越しているHUSKIESにとって、ファイナル4に進出するためには絶対に落とせない試合だった。そんな窮地を救ったのはAT(アタッカー)佐藤颯士(商3=徳島市立)。果敢な攻めで武蔵大から3点を奪取し、リーグ戦初勝利に大きく貢献した。

 

◆7・9〜12・24 第35回関東学生リーグ戦(大井ホッケー競技場メインピッチ他)

▼8・14 対武蔵大戦(富士通スタジアム川崎)

○明大7{2―0、0―1、3―1、2―2}4武蔵大

 

 試合開始とともに攻勢をかけたのは武蔵大。しかしHUSKIESの固い守りでボールを奪い返すと、一気に駆け上がり相手陣地へ。息の合ったパス回しで得点の機をうかがうが、相手ディフェンスの屈強な守りに阻まれ一筋縄ではいかない。そうした中MF(ミディ)櫻井康(政経4=都立小山台)が一瞬のスキをつき、力強くシュートを放つ。この1点が明大の流れを作ると、その勢いのままにAT佐藤が追加点を挙げ、武蔵大に2点のリードをつける。「終了間際で点を取れて、流れをチームに持ってこられて良かった」(佐藤)。続く第2Q(クオーター)ではこのリードを守り抜きたいところだったが、序盤に1点を返されてしまう。武蔵大の追撃にディフェンス陣が耐えしのいだことでそれ以上の失点は防いだが、明大も得点には至らず。点差わずか1点と依然として厳しい状態で前半戦を終えた。

 

 拮抗した戦いに両チームの応援にも熱が入り、真夏の夜空に声援が飛び交う。勝敗を左右する後半戦。第3Qではより積極的な攻めを見せ、果敢にゴールを狙いにいく。相手ディフェンスの間を縫うように抜き去っていくと、AT不破直斗(政経4=伊奈学園)、佐藤と立て続けに得点。今試合前に合宿を行っていただけに、その練習の成果を遺憾なく発揮し4―1とリードを広げる。負けじと武蔵大も反撃の1点を返すが、それを打ち消すかのようにMF市川凛太郎(営3=成蹊)がゴールネットを揺らし着実に得点を重ねていく。5―2と勝ち星までもう一歩のところで迎えた第4Q。しかし勢いを増した武蔵大のオフェンスに押され、防戦一方に。2点を許し5―4と再び追い込まれた明大だったが、グラウンドボールを制すると敵陣へ駆け上がり、佐藤が自身3得点目を挙げ同点を許さない。試合終了間近でA T丹賀澤和幸(法4=県立守山)がとどめをさす見事なゴールを決め、リーグ戦初勝利を収めた。

 

 ここで勝ち星をあげたことで1部リーグ降格の危機からは遠ざかったHUSKIESだが、あくまでも目指すはファイナル4進出。リーグ戦最終試合となる早大戦を勝たないことには、その目標も絶たれてしまう。「次戦は自分たちもファイナル4が懸かっている大事な試合になるので、しっかりと相手チームのスカウティングや分析をやって、どう攻めるかというのを早急に決めていきたい。その上で組織のすり合わせをして、しっかり試合で発揮できればと思う」(木村直樹主将・商4=桜美林)。これ以上の負けは許されない。HUSKIESの快進撃に期待がかかる。

 

[石井遥]

 

試合後のコメント

鈴木尚敏ヘッドコーチ(平29法卒) 

――今のチームの中で注目選手はいらっしゃいますか。

 「やはり4番の丹賀澤くんですかね。フェイスオファーでATもやっているので、彼がポゼッションを取るか取らないかが重要になってくると思います。あとは7番の不破選手はエースとして頑張ってほしいなと思います」

 

木村

――次の試合につながるところや課題点はありましたか。

 「課題でいうと、早大は全く違う組織でやってくる相手なので、そこに向けてしっかり組織のすり合わせをすることです。つながるところは、ずっと負けていたところから一つ勝利をつかんで流れを作って早大戦に臨めるので、しっかりチームの雰囲気作りというところはこのまま持っていけたらなと思います」

 

佐藤

――武蔵大はどういった相手でしたか。

 「武蔵大も結構オフェンスがうまくて、ずっと相手に攻められている状態が続いていました。ディフェンスがいかに守ってオフェンスにつないで決め切れるかっていう勝負だったので、そこで決められたのは大きいと思います。お互い負けられない試合で力は拮抗していたので、どこまでミスを減らしてみんなでカバーできるかが勝負になると思っていました」