(男子)大島シーズン初戦7位 〝スタァ〟が魅せる『ムーラン・ルージュ』/げんさんサマーカップ

 13日、げんさんサマーカップの選手権男子FS(フリースケーティング)が行われた。SP(ショートプログラム)5位の大島光翔(政経3=立教新座)が新プログラムを披露し、総合7位でシーズン初戦を終えた。

◆8・11~14 げんさんサマーカップ2023(木下カンセーアイスアリーナ)

 

 白黒の新しい衣装に身を包み登場した大島のFSは『ムーラン・ルージュ』。重厚な音楽から動き出し、3回転ルッツを華麗に決める。続くトリプルアクセルではミスが出るものの、丁寧で大人しさのある滑りに視線が集まる。一つ目のスピンを回り切ると、突然の『Because We Can』から元気よく踊り出す。パワフルな楽曲に、会場からは自然と手拍子が湧き起こる。その後は『Your Song』の落ち着いた雰囲気の中、3回転の連続ジャンプなどを決める。回転が抜けるジャンプも見られたが、穏やかな表情や丁寧な所作を保ち、ラストはジャッジにポーズをささげ最後まで個性で魅せた。

 

(写真:『ムーラン・ルージュ』を披露する大島)

 演技内容を踏まえ「気持ちを入れ替えて、お客様の期待に応えられるような演技にしたい」と振り返った。初めて披露したプログラムだが、観客の反応には好感触を得た模様だ。シェイリーン・ボーン氏に振り付けを依頼し、振り付けをしながら曲を組んでもらったという。1曲目から2曲目の大胆な展開については「なかなか自分にはない発想」としつつ「自分らしいところも出せる場面」と捉えている。

 

 「実力として自分の今の立ち位置だったり、仕上がり具合だったりを確認する」ことを一つの目的に、夏の試合に出場した大島。今試合の経験を練習に生かし、ブロック大会に向かっていく。より多くの観客を魅了する演技に期待が寄せられる。

 

[守屋沙弥香]

 

試合後のコメント

大島

――演技を振り返っていかがですか。

 「ジャンプ以前にスケーティングやステップでもたついていたので、ジャンプに集中力が割けなかった感じです。技術面というよりかは体力面やメンタル面で自分の力不足が出たかなという感じです」

 

――プログラムの最後のポーズはジャッジの方に向けていました。

 「自分で思っていたよりも近かったので、自分でも新鮮な感じがしました。(『道』の振り付けも思い出されますが、ジャッジの方に向けたような振り付けは緊張せずにできるのですか)そうですね、曲がかかってからは緊張しないです」

 

――プログラムについて、振付師の方や曲をどのように決めたのか教えてください。

 「振付師さんを先に決めて、振りを決めながら曲を決めながらみたいな感じで、振り付けしながら曲も作っていただいていた感じです。シェイリーン・ボーンさんは世界的な振付師の方ですし、一度は自分もお願いしてみたい気持ちがあって、今年チャンスがあったのでお願いしました。シェイリーンさん自身がスケートがすごく上手なので、振りを付けてもらうだけではなく、彼女の表現力やスケーティングですごく勉強になる部分がたくさんありました」

 

――このプログラムに対してシェイリーン・ボーンさんから掛けてもらった言葉を教えていただけますか。

 「先生も僕の振り付けをするのはもちろん初めてのことだったので探り探りだったのですが、とにかく自分がこの曲をどう解釈してどう表現するかというのを軸にこのプログラムを踊ってほしいということを言われました」

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