
(2)明大スポーツ第530号『一般生も活躍中! 体育会特集』ヨット部インタビュー拡大版 副将・安藤彩葵
8月1日発行の明大スポーツ第530号の3面『一般生も活躍中! 体育会特集』で大学から競技を始めたいわゆる〝一般生〟が活躍できる要因を語ってくださったヨット部。本企画ではやむを得ず紙面に載せることのできなかったインタビュー部分を掲載いたします。
第2回は安藤彩葵(商4=塩釜)のインタビューをお届けします。
(この取材は6月27日に行われたものです)
――ヨットを始めたきっかけを教えてください。
「新しいスポーツを始めたいなと思っていて、そこであったのがヨット部でした。自分が今までやったことがないスポーツでテニスとかバスケとかメジャースポーツも一度は考えたんですけど、やっぱり高校からってなると中学校からやっている人とかと一緒に活動するってなるとちょっと難しいものがあるのかなと思っていて。そこで部活の新歓期間にビラでヨット部っていうものがあるのを知って、また全国大会も出場していて、自分が活躍できると思ったのでヨット部に入りました」
――中学校までは別のスポーツをしていたのですか。
「はい。弓道部に入っていました」
――ヨットをやっていて、今までやってきたスポーツと根本的に違うと思うことはありましたか。
「全く違います。まず自然を相手にするというところで例えば、すごい風が強い日だったり弱い日だったり、波が高い日だったり天気が悪い日だったりとかあるので、その日にする内容、取り組むことが変わってきて臨機応変にいろんなことを考えながら乗らなければいけないです。そういう面では自然を相手にするっていう面で大きく違うなって思います」
――初めてヨットで海に出た時のことは覚えていますか。
「はい、覚えています。高校の時なんですけど、先輩に乗せていただいてヨットに乗りました。最初の印象としては宙に浮いているみたいって思いました。なんかふわふわして揺れるし、でも面白いなって思いました」
――明大では一般生が入部してから海に出るのにはどのくらいかかるのですか。
「基本的には、入部してもらって全員海に出てボートに乗るんですけど本格的にヨットに乗るのは大会シーズンのこともあります。ですが基本的にはすぐ一緒に乗って活動するという感じです」
――普段はどのような練習をしていますか。
「毎週葉山の海でやるんですけど、ヨットに乗ってその日の船のコンディションを今日いい感じだな、今日こんな感じかと見たりします。あとは実際のレースを想定した練習とか、その上で必要になってくる動作練習とかをやっています。他のスポーツと違うのは、他大学との合同練習が頻繁に行われることかなと思います」
――例えばどのような大学と練習しているのですか。
「基本的に葉山で活動している大学です。今何連覇もしている早稲田大学だったり、優勝経験が多い日大や慶應など葉山には強豪校がいっぱいいるので一緒に練習することによって技術を高めていく感じです」
――船の上で帆を張ったり風を読んだり今まで普通に生きていたらなかなかしないような動きも多いですが、そのような動きはどのように学んでいくのですか。
「最初ヨット部に入りたての頃は何も分からないと思うので覚えることがいっぱいで大変だなと思うんですけど、基本的に1個上の先輩や同級生に2人はセレクション部員がいるので同期に教えてもらうっていう感じです。あとは乗ってひたすら覚えるっていう感じです。でも覚えるのに苦労しないくらい気付いたら覚えています」
――ヨット競技に向いている人やすぐ上達する人はどのような人ですか。
「さっきは、乗っていたら覚えていくとは言ったんですけどそこで先輩の教えだったりを理解できる人です。これはどのスポーツにもあるかもしれないんですけど、理解力があったりとかヨットは頭を使うスポーツなので戦略だったりとかを考えられる人が向いていると思います」
――高校時代で印象に残っている試合はありますか。
「悔しい思い出ばかりです。地方の大会なんですけど、そこで自分たちは優勝を狙えるポジションにはいたんですけど、ヨットって審問っていう裁判みたいのがあって会場でルール違反をしたときに陸上に持って帰ってきて勝負するというのがあります。そこで負けてしまってすごく順位が落ちてしまいました。ギリギリインターハイには行けるぐらいの順位でしたがそのレースはすごく覚えていますね。めちゃくちゃ怒られました(笑)。」
――審問というのは具体的にはどのようなことをするのですか。
「例えばなんですけど船が向かってきてどっちに権利があるとかがあります。それで権利がない方が権利がある方を避けさせた時などに、相手はその船に向かって『プロテスト』という言葉をかけて、船を2回転回らせるんですね。そこで2回転回れば問題ないんですけど、自分たちが悪くないと思ったら回らないでレース続行します。そういうときに、陸上に帰ってきてレース委員会の方にこういう状況があったので抗議を出しますっていうことを言って裁判みたいに、私は何時何分にこういう状況があって避けましたと言います。証言艇もいると結構強くなってきますね」
――それはよくあることなのですか。
「そうですね、私はそれ以来ないんですけど各大会で2ケースくらいは大体あると思います。それで負けてしまうと参加した艇数分のポイントが加算されてしまうのでだいぶ順位が下がってしまいます」
――明大に進学を決めた1番の理由を教えてください。
「スポーツ推薦者だけじゃないっていうのが大きくて、強い大学っていうのはスポーツ推薦者だけとか、ほとんどがスポーツ推薦者の環境でプレーするんですね。でも明治大学は基本的に2人ずつしかいなくて、部員の8割は一般生でできているのに入賞経験があったりとかそういう環境づくりっていうのは監督が力を入れていてそれが素敵だなと思いました。私も一般生の人の力になって自分の力で成果を残していきたいなと思って入部しました」
――合宿所は部員にとってどのような存在ですか。
「私はすごく好きです。基本的にはずっと海にいるんですけど、ミーティングとかご飯食べ終わって解散になった時に部員が学年関係なく自由に話せる場所です。みんなもコミュニケーションをはかれるいい場所だと思っています」
――経験者の安藤さんから見て一般生でも活躍できる理由はどのようなところですか。
「ヨットは、筋肉とかそういうものではなくて頭を使うスポーツなんですね。例えばどこに風があるとか自分がこの道を行ったら早く相手に勝てるとかすごく頭脳戦なので、そういうところで一般生でも活躍できると思っています」
――ヨット競技の楽しいところ、やりがいを教えてください。
「ヨット競技の楽しいところは、毎日違ったコンディションで活動できるというところですね。自然を相手にするので、すごい天気いい日だったらテンション上がるし(笑)。雨だったら少しは嫌だなってなりますが雨は雨なりの楽しさがあったりするので、そういうところに楽しさを感じています」
――逆にきついところや難しいところを教えてください。
「悔しいことはレースで負けたりとか、自分の一つのミスですごい順位が落ちてしまうんですよ。ミスを繰り返してしまうときはやっぱり残念です」
――男女混ざって同じ大会に出ることはどう考えていますか。
「私も女子なんですけど、女子でも普通に男子と同じフィールドで争って勝ったり負けたりできます。私はさっき言った通り頭脳とか、筋肉とかじゃなくて頭を使うという面でヨットはいいなと思っています」
――夏休みでチームとして意識していくことを教えてください。
「私たちは『一丸』と掲げているんですけど、今スナイプと470のクラスがあるんですけど、去年までは別々に練習していたので合宿所の中でしか基本的に一緒にならないっていう状況があったんですね。ですが最近は一緒に練習したりしてお互いを高めるということを意識しているので、夏合宿でもそういったところを意識していけたらなと思います」
――今シーズンの具体的な目標とスローガン『一丸』について教えてください。
「今年は全日本選手権(以下、全日本)総合入賞を目指しています。というのも昨年までは全日本総合優勝を目指していたんですけど自分たちの現状とかを比べたりとか、今年の代の始まりの時に部員にアンケートを取って、届かなそうな目標よりも頑張って届くような目標の方がやりがいを感じやすいっていう意見がすごい多かったんですね。ということから全日本総合入賞を目指して今やっています。『一丸』については、部員今いっぱいいるんですけど、私たちの同期が6人しかいなくて、コロナの代ということもあってすごく少ないんですけど少ないからこそ下の協力が必須になってきます。そういうことを考えた時に一人一人が当事者意識を持って活動することによって部活にいる自分の存在意義を高めて一丸となって頑張っていこうっていうことで決めました」
――明大ヨット部の一番の売りや良さを教えてください。
「一般生からでも全日本目指して活躍できるっていうのと、学業と部活の両立ができることですかね。部活が週2日土日しかなくて基本的に授業がある日は練習がないのとテスト休み1カ月は部活がないので、学業に支障をきたさないことと、平日はアルバイトも全然できるので学生生活に全然支障をきたさない体育会だと思っています」
――来年の新入生に向けて、メッセージをお願いします。
「ヨットは普通に生活していたら触れることのないものだと思いますが、ヨットという新しいスポーツで全国を目指して一緒に頑張りましょう!」
――ありがとうございました。
◆安藤 彩葵(あんどう・あき)商4、塩釜高、160センチ
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