(女子)笑顔光ったSP 住吉見事な首位発進/げんさんサマーカップ

 13日、げんさんサマーカップは大会3日目を迎え、選手権女子のSP(ショートプログラム)が行われた。明大から2人が出場し、住吉りをん(商2=駒場学園)は首位、堀見華那(商3=愛知みずほ大瑞穂)は16位でSPを通過した。

 

◆8・11〜14 げんさんサマーカップ2023(木下カンセーアイスアリーナ)

 

 

 演技冒頭からリンクを異世界へと導いた住吉。ダブルアクセル、3回転フリップと3回転トーループの連続ジャンプをきれいに決め、熱い拍手が送られる。指を使ったユニークなポーズで魅せるスピンも美しさをもって回る。3回転ルッツも着氷を決め、にこやかな表情を見せた。視線の配り方で空間を広げ、観客の手拍子を生かしてプログラムの雰囲気に乗っていく。最後のポーズまでスキのない見事な演技で、観客席はスタンディングオベーションの嵐に包まれた。

 

 「木下トロフィー(木下トロフィー争奪大会)がすごく悔しくて、氷に合わせられなかったところで失敗してしまったのでその教訓を生かした」。悔しい思いを晴らし、69.63点で首位につけた。住吉の胸に秘める強い気持ちが、明日のFS(フリースケーティング)の演技にもつながることを願うばかりだ。


(写真:笑顔で舞う堀見)

 

 「今日は楽しんで滑ることができ、ジャンプは見た目で3本とも立つことができて良かった」。観客の歓声や拍手を支えに、充実した演技を見せた堀見。冒頭、3回転ループに2回転トーループを付け、ダブルアクセルもきれいに着氷。「スピンが早く終わってしまい、曲がかなり余ってしまった」と、その後は笑顔の裏で思考を働かせながらの演技に。3本目の3回転トーループは完璧な形は決められなかったが着氷させた。観客席に視線を向け持ち前の明るい表情でリンクを舞い、ブレのない右回りのスピンでは大きな拍手を浴びる。ステップシークエンスを含め最後まで体を大きく使い伸びやかに踊り切った。

 

 シーズンが開幕した7月の序盤から試合に出場し、今試合が3試合目になる堀見。「今日に集中すること」を心掛け、試合の演技中に集中力を保たせるように努めている。日々の練習で得た気付きをバネに、明日のFS以降も挑み続ける。

 

 東西から数多くの選手が集まり実力者も出場する中、温かい拍手や歓声で会場が盛り上がる今大会。住吉、堀見ともに演技後には心から笑う表情が光った。試合で得た収穫は進化の糧になるだろう。既に実戦を重ねる2人のFSの演技からも目が離せない。

 

[守屋沙弥香]

 

試合後のコメント

住吉

――木下トロフィー争奪大会(以下、木下トロフィー)から連戦となりましたが、切り替えなどはいかがでしたか。

 「連戦と思うよりも同じ試合といいますか、SP・FS、SP・FSでワンセットと思うようにしていて、昨日(木下トロフィー)で気持ちが切れてしまわないように意識しています」

 

――FSへの意気込みをお願いします。

 「今シーズン、アクアカップと木下トロフィーで120点には乗っていますが、完璧な演技ではないですし、4回転以外を完璧にするのと、もちろん4回転も明日の調子を見て調子次第にはなりますが、完璧に降りられるように挑戦したいなと思います」

 

堀見

――ステップシークエンスなどで笑顔が見られました。

 「お客さんもたくさんいるので、笑顔を振りまこうと思いました(笑)。ビデオなどで演技を見るとまだ足りないところがたくさんあるので、今日も振り返ってまた改善できるところを見つけたいと思います。ジャンプを失敗したとしてもステップが印象に残っていいなと思ってもらえるように、失敗が目立たないようなステップで挽回できるというのができたらいいなと思います」

 

――試合数を重ね、手応えを感じることはありますか。

 「恐らく、私の性格上、自信満々になることは一生ないと思いますが、それなりに自分の今までの積み重ねがやはり良くも悪くも試合に出るかなと思います。毎日同じことをするのが得意ではないのですが次はもうブロック大会(東京選手権)になってしまうので、日々の積み重ねを大事にしたいです」

 

――明日のFSに向けて意気込みをお願いします。

 「FSは長さもあって、今年作ったばかりでもあって、カメみたいに地道にしか伸びていかないので、目標を高くせずに一個ずつの要素をこなしていって、あとはお客さんがたくさんいるので楽しんで、最後まで集中して諦めずに滑り切ろうと思います」