
競泳2日目 松元が一騎打ちの末に準決勝敗退/世界選手権2023福岡大会
〝カツオ〟の背中に大きな声援が送られた。7月23日に始まった世界選手権2023福岡大会(以下、世界水泳)の競泳は2日目を迎えた。明大勢からは前日の男子400メートルフリーリレーに続いて松元克央選手(令1政経卒・現ミツウロコ)が男子200メートル自由形に出場。予選8位通過で挑んだ準決勝では8位同着となり、勝負は1対1のスイムオフに委ねられた。22時より始まった一騎打ちの結果、松元は0.07秒差で惜しくも決勝進出を逃した。
◆7・14~30 世界選手権2023福岡大会(マリンメッセ福岡A館他)
◆7・24 競泳2日目
▼男子200メートル自由形予選
8位 松元選手 1分46秒44
▼男子200メートル自由形準決勝
8位タイ 松元選手 1分45秒97
▼男子200メートル自由形準決勝スイムオフ
準決勝敗退 松元選手 1分46秒37
世界の舞台は、まさに紙一重の戦いだ。前日に五味智信(商3=湘南工科大付)らと共に男子400メートルフリーリレーに出場した松元選手は、この日は男子200メートル自由形に出場。日本の自由形エースである松元選手が姿を現すと、会場では愛称の〝カツオ〟の名が飛び交っていた。「しっかり準決勝、決勝と駒を進めることを意識していた」と力強い泳ぎで予選を全体の8位で通過し、迎えた準決勝。世界のトップスイマーに食らいつき予選よりタイムを上げたものの、わずか0.01秒差で8位タイ。決勝進出最後の1枠を懸けた、1対1のスイムオフの実施が決まった。
この日に予定されていた全てのスケジュールが終了した22時。3本目の200メートル自由形に挑む松元選手には、応援のために残った多くの観客から非常に大きな声援が送られた。運命の一騎打ちは、終始横一線のデッドヒートに。50メートル、100メートルの時点ではわずかに松元選手のタイムが上回るも、その差は0.5秒以内。徐々に相手選手のスピードが勝り、150メートルのターン時点で、松元選手のタイムは0.22秒下回っていた。そんな熱戦のままレースはラスト50メートルに突入。会場の盛り上がりは最高潮に達していた。そしてタッチの瞬間、目視では順位が判別できず会場は一瞬の静寂に包まれる。電光掲示板に2位の表示が映し出されると同時に、松元選手の準決勝敗退が明らかとなった。
2019年に松元選手はこの種目で日本初の銀メダルを獲得。2021年の東京五輪でまさかの予選落ちを経験し、リベンジの舞台として今大会に臨んだ。決勝進出には至らなかったものの1日で200メートル自由形3本を泳ぎ切り、いずれのレースでも好タイムを残した事実は大きい。かつては紫紺を、現在は日の丸を背負う自由形エースの雄姿は、多くの人の目に焼き付いている。
競泳は2日目を終え、中盤戦に差しかかる。明大勢は今後も続々と参戦予定だ。現役からは栁川大樹(政経3=日大藤沢)が男子200メートル背泳ぎ、五味が混合400メートルフリーリレーに、OBからは松元選手が男子100メートル自由形、バタフライなどに、吉田冬優選手(令2政経卒・現三谷産業)が男子800メートルフリーリレーに出場予定だ。熱戦が予想される世界最速決定戦はまだ始まったばかり。あなたもぜひ、この〝熱い夏〟を体感してほしい。
[渡辺悠志郎]
試合後のコメント(予選後)
松元選手
――レースの感触はいかがでしたか。
「やはり緊張しましたが、本当に温かい声援があって緊張が少しほぐれました。自分のレースをしてその声援に応えたいなという気持ちに切り替えることができました」
――レースの展開はいかがでしたか。
「しっかり準決勝、決勝と駒を進めることを意識していて、タイムも順位もしっかり準決勝に駒を進めることができると思います。しっかり疲れを取って準決勝で自分のレースができるように頑張りたいと思います」
――150メートル時点の組7位から最後の50メートルで組2位まで順位を上げました。
「ラスト50メートルは今までやってきた練習を信じて、まくれると思っていました。冷静に150メートルまで落ち着いてレースをして、間違いなく準決勝に残るような順位でタッチしようと思っていました。思っていた通りのレースができたかなと思います」
今後の試合予定(7・25時点の最新情報)
◆競泳
▼7・26
男子100メートル自由形 松元選手
※決勝は27日
▼7・27
男子200メートル背泳ぎ 栁川
※決勝は28日
▼7・28
男子100メートルバタフライ 松元選手
※決勝は29日
男子800メートルフリーリレー 松元選手、吉田選手
▼7・29
混合400メートルフリーリレー 五味
▼7・30
男子400メートルメドレーリレー 松元選手
※リレー種目は出場選手が変更する場合があります。
※競泳予選はBS朝日にて放送予定(各日11時または12時頃より放送開始)
※競泳決勝はテレビ朝日系列とABEMAにて放送予定(各日19時または20時頃より放送開始)
※全競技の決勝ハイライトはABEMAにて配信中
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