戸上が死闘を制し準決勝進出 宇田は張本に惜敗/全農CUP第5回パリ五輪日本代表選考会

2023.07.23

 パリ五輪の代表枠を懸けた戦いが開幕した。前回大会に続き、戸上隼輔(政経4=野田学園)と宇田幸矢(商4=大原学園)が出場。それぞれが大熱戦を繰り広げ、戸上は準決勝進出、宇田は準々決勝敗退という結果で1日目を終えた。

 

◆7・22~23 全農CUP第5回パリ五輪日本代表選考会(東洋大学赤羽台キャンパスHELSPO HUB―3アリーナ)

◆1日目

▼男子シングルス

 戸上――準決勝進出

 宇田――準々決勝敗退

 

 前回王者、戸上は連戦の疲労がありながらも圧巻の試合運びを見せる。1回戦はゲームカウント3―0まで順調に勝ち進めたが第4ゲームで相手の気迫のこもったプレーに翻弄(ほんろう)される。それでも得意のチキータを連発しゲームカウント4―1で勝利する。続く準々決勝も順調に勝ち進むかと思いきや1回戦で吉村(TEAM MAHARU)を破って勢いに乗る横谷(愛知工大)に苦戦を強いられる。2ゲームを連続で奪われ、迎えた第3ゲーム。9―4と大量にリードするも、勝負どころで決め切ることができず9―8となってしまう。それでも冷静な試合運びでこのゲームを死守した。このまま追い付きたい戸上だったが、第4セットも横谷のチキータに反応することができず10―12で落としてしまう。ゲームカウント1―3と絶体絶命の大ピンチだったが、ここから怒涛(どとう)の反撃が始まる。体制を崩されながらの打ち合いを何度も制し勝負を振り出しに戻してみせる。張りつめた雰囲気の中行われた最終ゲームは序盤から競った展開になったが戸上は落ち着いていた。着実に点を積み重ねていき11―9で試合終了。見事大逆転勝利を果たした。

 

 もう1人の紫紺、宇田は「及川(木下グループ)との1回戦を勝たないと何も始まらない」と1回戦をストレート勝ち。準々決勝でパリ五輪選考ポイント1位の張本(智和企画)と激突した。第1ゲームから強烈なフォアハンドが飛び出し、好スタートを切る。その後も張本の強烈なチキータをバックハンドで返す場面が多く見られた。特に第3ゲームは6連続ポイントを奪い、11―5の大差をつけた。このまま一気にたたみかけたい宇田だったが「ネットに引っかかった点数が多く迷いが出てしまった」と本来の持ち味が発揮できず。どちらに転んでもおかしくない試合展開の中、先に流れをつかんだのは張本だった。宇田にとっては「チャンスはあったと思う」と悔しい敗戦を喫した。その後の順位決定戦では谷垣(愛知工大)を4―1で撃破。2日目の5-6位順位決定戦に駒を進めた。

 

 2日目は順位決定戦と準決勝、決勝が行われる。宇田は5位、戸上は優勝に向けての戦いが続く。世界へ羽ばたく紫紺の快進撃が止まらない。

 

[七海千紗]

 

試合後のコメント

宇田

――本日の3試合を振り返っていかがですか。

 「1試合目いい流れで入って、2試合目も惜しいところまで行きましたが試合の流れに最後まで乗り切れなかったと思っています。3試合目は勝ったのですが、やっぱり2試合目に関して悔しい気持ちでいっぱいです」

 

――敗因があるとしたらどのような部分だと思いますか。

 「お互いに久しぶりだったので探り探りの展開が続きましたが、展開をつくっていく中でネットインが多かったのでお互いの引き出しを逆に封じられたなと思いました」

 

――今後成長していくために何が必要だと思いますか。

 「負けてしまって気持ちの整理がついていないのですが、また1から、2日目の順位決定戦に向けて準備していきたいです」