ベスト4進出 連覇へ向けて視界良好/全日本大学総合選手権・団体の部

2023.07.16

 全日本大学総合選手権・団体の部(以下、団体インカレ)は折り返しの3日目を迎え、決勝トーナメントが始まった。予選リーグを首位で突破した明大は、決勝トーナメント1回戦から準々決勝まで、途中苦しみながらも前回王者としての実力を見せつけて準決勝進出を決めた。

 

◆7・13~16 第92回全日本大学総合選手権・団体の部(横浜武道館)

▼7・15 決勝トーナメント

 ◯明大3―0東北福祉大

 ◯明大3―0法大

 ◯明大3―1駒大

 

 団体インカレ連覇にまた一歩近づいた。予選リーグを堂々の1位通過で、決勝トーナメントに乗り込んだ明大。東北福祉大との1回戦では宮川昌大(情コミ4=野田学園)と松田歩真(商3=野田学園)がそれぞれセットカウント3-1で相手を下し、幸先よく2ゲームを先取。第3ゲームは大会直前に急きょ結成された宇田幸矢(商4=大原学園)・松田ペアが登場。第1セットはいきなり7連続でポイントを先取して場を支配。そのままセットを奪う。シーソーゲームとなった第2セットも制すと、第3セットは途中相手に猛追されるも振り切って勝利を収めた。

 

 続く2回戦では法大との勝負。この試合も宮川と宇田が2人ともストレート勝ち。準々決勝進出へ王手をかけたが第3ゲームで流れが変わる。宇田・松田ペアは第1セット、ジュースまでもつれる緊迫した展開の中で、あと一点が遠い。15―14と勝ち越した時にタイムアウトを使ってベンチと確認を取るも、再び同点に追い付かれる。結局セットカウント16―18で落としてしまった。第2セットも悪い流れを払拭できず、ここも4―11で敗北。しかし、ここから怒涛(どとう)の逆転劇が始まる。チキータで相手を揺さぶりつつ、強力なフォアハンドを要所で決めて第3セットを取り返すと第4セット、再びジュースまで持ち込まれるも今度はすぐに2点を連取し、セットカウント2-2の同点に。「相手がボールの勢いを殺して返すタイプだったので、自分から焦らされずに仕掛けたら良くなっていった」(松田)。勢いを取り戻した宇田・松田ペアは第5セットで11―2と相手を圧倒。大逆転勝利を飾り、結果的にゲームカウント3-0のストレート勝ちで準々決勝に駒を進めた。

 

 駒大との準々決勝。この日全ての試合で第1ゲームを任された宮川の安定感は抜群だった。圧巻だったのはゲームカウント2-0で迎えた第3セット、7―5の2点リードの場面。強力なレシーブに相手が怯んだ隙を逃さなかった宮川は、ここからスマッシュを連発。相手が何とか返してきた打球に足を高く上げ、ジャンピングスマッシュを何度も打ち込み、ポイントを奪取。そのままの勢いで勝利した。「試合の流れをつくりたいと思って試合をしていたので、全部勝利できてすごいよかった」(宮川)。連戦の疲れを一切感じさせないその躍動した姿は明大を活気づける。続く宇田も順調に点を重ねていき、最後は7連続ポイントで相手を寄せ付けず、第2ゲームも勝利した。

 

 第3ゲームは宇田・松田ペアが登場。ゲームカウント2-1まで進み、第4セットのカウントは6-0。このまま勝利するかと思われたが、ここから相手の反撃を食らう。相手は共にカットマンだったが、途中からスマッシュを打つなど攻撃的に。逆転でこのセットを落とし、第5セットも主導権を握れず、大会通じて初めてゲームを落とした。「カット打ちに苦手意識があって、途中で相手の変化に引っかかってしまう部分が多かった」(松田)。この状況下で第4ゲームに姿を現したのはルーキーの飯村悠太(商1=野田学園)。このゲームもカットマンが相手だったが、むしろ「相手がカットマンだったので自信はあった」(飯村)。その言葉通り、独特な回転のかかった球に特段苦戦することなく2ゲームを先取。第3ゲームこそ落とすも、第4ゲームは再び強烈なフォアハンドを空いたコースに正確に打ち「いつも通り」の調子で圧倒していく。あまりの強さに相手は苦笑いを幾度となく浮かべるばかりだった。最後はスマッシュで試合を締め、明大は準決勝に進んだ。

 

 16日は準決勝、決勝が行われる。「自分らが目指すところは優勝しかないので、明日の2試合は強敵ですけど、優勝目指して頑張っていきたい」(宮川)。松田も「準決勝をまず勝って、決勝は連覇できるように全員で一丸となって頑張りたい」と気合十分だ。どこよりもきれいな全国の頂からの景色。団体インカレ連覇へ向けて、視界は良好だ。

 

[北原慶也]

 

試合後のコメント

髙山幸信監督

――明日の試合について意気込みをお願いします。

 「準決勝にまだ中大なのか筑波大なのか分からないけど、決勝に駒を進めて優勝に王手をかけたいなと思います」

 

宮川

――今日の試合の良かった点をお願いします。

 「ラリーの時に急ぐことなく、コース突いてできていたのでそこがすごい良かったかなと思います」

 

松田

――1試合目のシングルスを振り返っていかがでしたか。

 「前半の方は自分の本来の戦い方じゃなくて競ったんですけど、3ゲーム目からは本来のプレーができて状態もいいので良かったと思います」

 

飯村

――相手の独特の回転にはどう対応していこうと考えていましたか。

 「できればストップで、できなかったらミドルやバックで1本返してからカットという展開に持ち込もうって考えてました」