
女子エペ 王座連覇を達成し今季2冠に/全日本学生王座決定戦
昨年度に続く快挙となった。学生日本一を決める全日本学生王座決定戦(以下、王座)に、明大から女子エペが2年連続で出場。昨年度の女子エペは、同大会で女子創部初の優勝を果たして以来、秋の関東学生選手権(関カレ)と冬の全日本選手権(全日本)を含めて3冠を果たした。そんな快進撃の幕開けからおよそ1年。再び王座の舞台で宿敵・日大を撃破し、王座連覇を見事成し遂げた。
◆6・25 全日本学生王座決定戦(大山崎町体育館)
▼女子エペ 明大――1位
女子エペは、先月の関東学生リーグ戦(以下、リーグ戦)で初優勝を達成。昨年度の同大会では日大に敗北し準優勝に終わっていただけに、選手たちの思いは強かった。一方で、リーグ戦の優勝は新たな懸念事項でもあった。「去年はリーグ戦が2位で王座を絶対に勝とうという中での優勝。しかし、今回はリーグ戦優勝からの王座だったので応援がすごいあって、正直プレッシャーもあった」(稲山友梨・営3=星槎国際)。昨年度から偉業を収め続けている女子エペだが、彼女たちの背中には強者ゆえの重圧がのしかかっていた。
そうしたプレッシャーを跳ねのけた要因の一つに、確かなチーム力が挙げられる。「みんなそれぞれ試合に対して紳士。みんな真面目に誰一人としてやる気が落ちたりとかせずに、みんな絶対勝ちたいというのが意識として統一されている」(佐藤琴美主将・政経4=一関第二)。普段の練習から、仲が良いだけでなくお互いに思ったことを言い合える雰囲気がつくられている女子エペ。選手層の厚い他校と比べると少人数ではあるが、全員がそれぞれコミュニケーションを取り合える環境が整っている。昨年度と異なり今年度はメンバーの海外遠征もなく、メンバーがそろって練習して王座への準備は進められた。
迎えた王座の初戦は、関西の強豪・中京大との対戦。今年度は全員がベンチ入りする中での試合となった。「最初は緊張しすぎて思い通りに動きができなかったが、絶対逆転だけはされないようにやっていた」(盧承延・政経2=王子総合)。試合は出だしでリードを許すと、3セット終了時点で15―15の同点に。それでも声掛けなどのベンチワークや緊張の緩和からチームは徐々に勢いづいていく。7セット目以降は全員が各セットをプラスポイントで回し、45―36で勝利。2年連続で王座の決勝へ駒を進めた。
決勝の相手は、昨年度と同じく宿敵・日大。「リーグ戦のときは相手の海外遠征があって1番強いメンバーではなく、今回初めてそろったメンバーと戦った」(國谷優奈・政経2=宇都宮中央女子)。数々の大会の決勝にて対戦する強豪のベストメンバーを前に、試合は過去の対戦と同様に接戦に。6セット終了時点で28-28と両者一歩も譲らない。一進一退の攻防が繰り広げられる中、8セット目の終盤で器具の不調による試合中断が断続的に発生。「そこで流れが切れてしまったので、リードして試合を回すことを考えていた。同点とかリードされると苦しい試合展開になるので、点を取られてもリードで渡すことを意識していた」(佐藤)。中断時間で集中力が切れる懸念もあったが、佐藤が主将の意地を見せ33-32の1点リードをキープ。勝負は最終セットの稲山へ託された。器具の不調は最終セットでも続いたが、稲山は冷静だった。器具の整備が終わると、再開後は果敢な攻めで連続ポイント。最後まで相手に反撃のスキを見せず43―39とリードを広げて勝利。昨年度に続く優勝で、王座連覇を達成した。
試合後の取材で、選手たちは「今日は負ける気がしなかった」と声をそろえた。昨年度からいるメンバーで戦い続けている女子エペのチーム力は、確固たるものへと成長を続けている。今年度はすでにリーグ戦、王座と2冠を達成。秋シーズンに向けては、昨年度成し遂げられなかった5冠に向けてさらなる高みを目指していく。フェンシング女子の躍進に注目だ。
[渡辺悠志郎]
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