
またもや強豪・桜美林大に悔しい敗戦 本領発揮ならずベスト8/全国大学選抜
優勝を目指して挑んだ全国学生選抜(以下、選抜)。予選を18中と全体1位の記録で通過し、決勝トーナメント1回戦でも18中の好的中で甲南大に快勝した。しかし、2回戦で強豪・桜美林大と戦い結果は16中。対する桜美林大は安定した射で18中を見せ明大は敗退。悔しさの残るベスト8で今大会を終えることとなった。
◆6・24~25 第35回全国大学選抜(明治神宮弓道場)
▼男子団体
明大――ベスト8
今回行われた選抜での明大の優勝は4年前が最後。以来優勝からは遠ざかり、決勝トーナメント初戦敗退が続いていた。「1回戦で負けてしまうのが3年連続続いている。今年はそんな醜態をさらすわけにはいかない。自分たち明大が全国で優勝するという目標でやっているので絶対に勝つつもりで臨んだ」(小林樹生・理工3=国学院)。今年度こそ選抜での勝利、そして優勝を。選手たちは並々ならぬ思いを胸に今大会に挑んだ。
予選では、5選手中4選手が皆中を見せるなど好的中を披露。予選の的中数トップタイの18中で決勝トーナメント進出を決めた。迎えた決勝トーナメント初戦の相手は甲南大。ここでも明大は安定した射で18中を決め危なげなく勝利。皆中の中嶋航太(農1=帝京長岡)は「落ち着いて冷静に自分のことを俯瞰(ふかん)して見ることができたので、緊張と挑戦の狭間のいい心のモチベーションで引けた」と自身を評価した。
決勝トーナメント2回戦の相手は、強豪・桜美林大。昨年度の全日本学生選手権(以下、インカレ)の明大戦で20射皆中という驚異的な結果をたたき出し、明大の勝利を阻んだ因縁の相手だ。明大は、当時の雪辱を果たすべく気合を入れて試合に挑んだ。しかし、絶対に決めたい初矢を外してしまうと、続く2本目も抜いてしまい序盤から緊張感漂う雰囲気に。その後3本目を中てるも的中は続かず4本目も外してしまう。未だ1本しか抜いていない桜美林大に対し明大はこの時点で3本外していた。「最初は相手の方が引いているスピードが速かったのに、1、2本目の後からどんどん引っ張られる形になり立のペースが速くなっていって自分たちの首を絞める形になってしまった」(中嶋)。また星山知慶(政経2=武雄)は「1本目から自分たちの弓道のペースを射場に作っていくことができなかった」。序盤は明大らしからぬ射で相手に差をつけられるも、後半は立て直し最後の一手は皆中を見せる。しかし的中数は16中。桜美林大は18中で、またしても辛酸を舐める結果に終わった。「去年20射皆中を出されて負けた相手なので、やり返してやるくらいの20射皆中をバンって出したかった」(小林)。
最終結果はベスト8。目指した優勝には届かなかった。試合後、小林は「全関東学生選手権(以下、全関東)で自分がふがいない結果を出して決勝で負けてしまったので、その反省を生かして2週間必死の思いで頑張ってきた。練習量も増やしたし、道具とかも見直して練習してきて優勝を狙っていた。本当に悔しい」と唇を噛んだ。次に見据える先は8月のインカレ。星山は「インカレ優勝に向けてチームの団結力と、気力と体力を充実させていきたい」。また若林優弥(農2=小笠)は「昨年度のインカレも桜美林大に負けて、今回の選抜も桜美林大に負けたので、今度こそ倒して日本一になりたい」と優勝への強い思いを見せた。目指し続けた日本一の壁。幾度となく立ちはだかる強豪の大きな壁を破るその日は、きっともうすぐに訪れるはずだ。
[布袋和音]
試合後のコメント
寺本裕明監督
――今日の試合の振り返りをお願いします。
「日大も敗れ、法大も敗れ、明大の位置としては非常に良くて、念願の優勝が目の前だったんだけど、若さが出てしまったというか、自滅してしまったという感じですね。どちらかというと自滅。18中、18中と中ててきたのに若さが出てしまいましたね」
田中海斗(営1=国学院久我山)
――決勝トーナメントの振り返りをお願いします。
「はい、チーム全体の最初ということもあって、自分に無駄なプレッシャーというか、無駄な負荷をかけてしまって全体の流れも悪くなりましたし、それが敗因になったという風に思います」
中嶋
――この大会にはどのような意気込みで臨みましたか。
「全関東の際に団体のメンバーに入っていなかったので、今回団体のメンバーに入って、絶対に中て抜いて今回の試合を勝つという気持ちで参加しました」
星山
――今大会は全試合で皆中でした。全関東の個人戦でも準優勝でしたが、中て続ける秘訣のようなものはありますか。
「弓道というかスポーツは練習が目立っていてそれで勝ちに行くという感じなんですけど、自分は睡眠を多く取ったりとか、逆に引きすぎずに体を整える方向を特に大事にしていましたので、それで当日までに体力をつけて、気力も高めて、万全に挑めるようにしていることが大事だと思います」
若林
――全関東が終わって2週間、何か力を入れて練習していたことはありますか。
「そうですね、それこそ全関東で1本外してしまった矢の原因をこの試合で出さないように意識付けをして、 その弱点を直すようにずっと練習していました」
小林
――桜美林大戦、後半は立て直したように見えましたが、それについてはいかがですか。
「自分たち諦めたら、諦めたらというか、そこでもう負けたと思わないでそこから抜かない練習をしてきたんです。試合前の集合でも、途中経過で負けていても諦めないで、最後まで戦い抜いてこいという風に、介添えの池田(遥人・営4=厚木東)さんから言われていたのでそれを意識して最後までやり切りました」
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