
無念の10位で本戦出場逃す/全日本大学駅伝対校選手権関東学連推薦校選考会
ケガから復帰したエース・児玉真輝(文4=鎌倉学園)や箱根駅伝(以下、箱根)で3区4位の走りを見せた森下翔太(政経2=世羅)、期待のルーキーである綾一輝(理工1=八千代松陰)が健闘するも、総合10位で予選通過はかなわなかった。伊勢路への切符を手にすることはできず、現実を突き付けられるかたちで今大会を終えた。
◆6・17 第55回全日本大学駅伝対校選手権関東学連推薦校選考会(相模原ギオンスタジアム)
10位 明大 4時間00分20秒02
復活が待たれていたエースの児玉は1組目に出場。「急ピッチで間に合わせたので焦りや不安はあったが、割り切って気合で頑張った」。スローペースで進む大集団の前方に位置取り、自身のペースを刻み続ける。残り2000メートルを切り他大がスパートをかける中、児玉は焦らず虎視眈々(たんたん)と機会を待つ。そしてラスト1周の鐘が鳴ると一気に集団を抜け出し、1組目3着という好成績でレースを終えた。同組に出場した甲斐涼介(情コミ3=宮崎日大)も苦しい局面での粘りを見せ、組16着に食い込んだ。2組目に出場した尾﨑健斗駅伝主将(商3=浜松商)は関東学生対校選手権後、ケガの影響で思うように練習ができず苦しいレース展開を強いられた。しかし主将としてのプライドを感じさせる走りを見せ、組17着でフィニッシュ。この組でより苦戦を強いられたのは、箱根後の連続したケガの影響もあり、対策し切れなかった堀颯介(商2=仙台育英)。大舞台で実力を発揮することができず、悔しさをにじませた。
2組目終了時点で明大は9位。予選突破のためにはさらに順位を上げていかなければならない。重要な3組目を任された吉川響(文2=世羅)は第2集団を引っ張り続ける。後半に差し掛かるにつれ徐々に後続に追い抜かされてしまうが「粘ってラストスパートで勝ち抜くプランを考えていた」。吉川の作戦もはまり、29分台を記録し7着と健闘した。ペース変動が激しいレースとなった3組目。大きなレースの経験が浅い溝上稜斗(商3=九州学院)にとっては厳しい戦いとなった。希望は各校のエースが集まる4組目を走る森下と綾に託された。序盤から綾が積極的に前に出て自分のペースで走り続ける。途中で第2集団に吸収されるも、その集団の先頭には森下の姿が。「非常に走りづらい中で森下さんが前に出てくれて、何が何でも付いていくと覚悟を決めた」(綾)。綾は森下の真後ろに食らいつき、2人で第2集団を引っ張るかたちでレースは進んだ。最終的にチームの順位を上げることはできなかったものの森下は28分台をマークし、綾も自己ベストを更新する走りで予選会を締めくくった。
今大会の結果から、明大は16大会連続となる全日本大学駅伝出場の機会を逃すこととなった。しかし、突き付けられた現状を誰よりも重く受け止めた選手たちはもう今後を見据えている。「残るは箱根一本になってしまったが、ここから箱根駅伝予選会までの数カ月間の僕たちの変化や、どう立ち上がっていくかを見てもらいたい」(尾﨑)。なんとしても紫紺の襷をつなぎ続けるために、この敗戦を糧に再起を誓う。
[春田麻衣]
※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。
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