
同大を圧倒 和歌山ラグビーフェスティバルを盛り上げた!/招待試合
あいにくの天気の中行われた東西伝統校対決。試合序盤は両者譲らない戦いが見られたが、主導権をつかみ、明大ペースで試合を展開していく。アタック、ディフェンスともに光ったプレーを見せつけ、会場に足を運んだ観客を沸かせた。最終スコア38―8と快勝を挙げた。
◆6・11 招待試合(和歌山県紀三井寺公園陸上競技場)
▼対同大戦
○明大38{19―3、19―5}8同大
試合序盤、同大の粘り強いディフェンスで、なかなか点数をあげることができず両者我慢の時間が続いた。「(入りが)良くなかった」(右ウイング安田昂平・商3=御所実)。しかしまず試合を動かしたのは明大。前半16分、自陣22メートルラインでのマイボールスクラムから、スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)が約40メートル近くゲインを切り、安田が先制トライを挙げる。「同大のディフェンスのクセを事前に見ながら、(どこに)スペースが空くか事前に考えていた。それが試合に出せて良かった」(伊藤耕)。前半28分には、同大のハイパントキックを左ウイング西川賢哉(政経4=桐蔭学園)がキャッチし、フルバック池戸将太郎が相手のディフェンスを次々とかわし、最後はスクラムハーフ萩原周(商4=大阪桐蔭)がインゴールへトライ。その後も同大に主導権を渡さず、明大の前へ出るディフェンスで圧倒した。前半37分、自陣10メートルライン付近でのマイボールスクラム。左右にパスを展開しながら敵陣深く攻め込み、萩原からパスを受け取った左センター廣瀬雄也(商4=東福岡)が走り込んでグラウンディング。「周(萩原)が難しいボールをいいところに仕掛けてくれたので、周のおかげ」(廣瀬)。前半終了間際、相手にペナルティーゴールを与えてしまうも同大をノートライで抑え、19―3といい形で前半を終える。
「粘り強いディフェンスに対してしっかり継続することと、裏のスペースを突くようなキックのオプションにチャレンジしていこう」(伊藤耕)と挑んだ後半。後半3分、廣瀬の巧みなショートパントキックを途中出場の秋濱悠太(商3=桐蔭学圏)がキャッチし大きくゲイン。「後半1発目にチャレンジしてみようとハーフタイムの時に言っていたのでうまく決まって良かった」(廣瀬)。この好機を生かして、秋濱からロングパスを受けた安田が今試合2本目のトライを挙げる。「自分の14番の仕事を全うできた」(安田)。その後、同大に攻め込まれるシーンでも、左プロップ中山律希(政経4=天理)が食らいつきジャッカル。相手にトライを与えない鉄壁のディフェンス力を見せつけた。後半18分、敵陣22メートルラインでのマイボールラインアウトのチャンスから、途中出場海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)がゴールライン近くまでゲインし、右フランカー福田大晟(商3=中部大春日丘)が中央にグラウンディング。「やってきた練習通りにサポートについて、トライできて良かった」(福田)。初紫紺の選手やルーキーが加わるなどメンバーを一掃し、チームがさらに勢いづいていく。後半37分には、敵陣ゴールライン近くのマイボールラインアウトからモールへ。モールは崩れるも、途中出場の木谷光(商1=報徳学園)がルーキーの意地を見せつけ、空いたスペースに飛び込みトライ。「自分たちがしたいモールで押してトライという方向ではなかったが、モメンタムを持ってトライできたので良かった」(木谷)。試合終了間際、明大のスキを突かれ相手にトライを許してしまう。「ノートライを目標にしていたので、1トライ取られたのは反省点」(右プロップ為房慶次朗・文4=常翔学園)。課題も見つかったが、同大を圧倒し、38―8で勝利を飾った。
試合を通して、アタックはもちろんディフェンスの強さが光った。「東海の時にディフェンスのラインスピードがあまり出ていなかったので、今週はディフェンスをメインとして練習してきた」(福田)。また、今試合では5人のルーキーが出場し、臆せずのびのびとプレーをする姿から、チームの雰囲気の良さを感じさせた。「1年生でも遠慮しないでガツガツきてくれるのでいい刺激になる」(為房)。今週は新人明早戦、来週は関東大学春季交流大会最終戦・東洋大戦を控えている明大。「しっかりチーム全体で『ONE MEIJI』になって戦っていきたい」(廣瀬)。残りの春シーズン、チームとしてさらなる成長に期待がかかる。
[井垣友希]
試合後のコメント
廣瀬
――今日の試合までのチームの雰囲気はいかがですか。
「先週帝京が中止になって、モチベーション的にも大丈夫かなって感じでした。でも、そこは関係なく絶対負けられない試合なので個々で準備してくれてモチベーション的にもよかったですね」
――結果を振り返っていかがですか。
「あまり点差は開かなかったですけど、自分たちのやりたいことや春に積み上げてきたものをやろうとしていたので、そこはポジティブに捉えています。もう一回映像を確認し直して、最後の東洋もいい形で終われるように頑張っていきたいなと思います」
為房
――これからの意気込みをお願いします。
「(関東大学)対抗戦で去年帝京に負けているので、そこはやっぱり春の修正するべきところを修正したいです。打倒帝京という感じで頑張ります」
福田
――今試合のご自身のプレー全体に点数をつけるといかがですか。
「70点くらいですかね。(足りない30点は)まだ運動量が足りないところやブレークダウンをあまりかけられてなかったので。もっと相手の出玉をつぶしたりとかもう少し泥臭いプレーができたのかなと思っています」
――FWのセットプレーはいかがでしたか。
「今日は雨でスクラムが多くて、結構組む回数も多かったんですけど、練習通り8人でまとまってスクラムができました。その結果ちょっとペナルティーとられたところもあったんですけど、自分たちのいいスクラムを組むことができたので良かったかなと思います」
伊藤耕
――今日の試合に向けて意識したことを教えてください。
「同志社さんはディフェンスで上げてくるイメージで、あまりいいタックルをもらわないように心がけながらやっていました。あとは、関西のチームとやることはあまりないので、チャレンジしようと意識してました」
安田
――和歌山県での試合はいかがでしたか。
「和歌山での試合は初めてです。僕も関西出身で、自分のお父さん、お母さんとか試合に来ていたので、楽しかったです」
木谷
――トライされた後に手でポーズしていましたが、どのような意味があるのですか。
「あだ名がぺっぺなので、同部屋の山本嶺二郎(法4=京都成章)さんから『Pの文字をやれ』と言われたのでトライパフォーマンスをしました」
――今試合では報徳学園出身のルーキーの4人全員が出場されましたがいかがでしたか。
「今日、竹之下仁吾(政経1=報徳学園)が誕生日で、(報徳学園出身の)ルーキー全員そろって試合に出ることができて良かったです」
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