
同中競射の末……法大に一歩及ばず準優勝 個人は星山が準優勝/全関東学生選手権
前回覇者として挑んだ全関東学生選手権(以下、全関東)。決勝トーナメント3回戦、強豪・日大との同中競射を12射皆中で制し勢いに乗るも、決勝では法大に同中競射の末敗れ準優勝。あと一歩届かず悔しさが残る結果となった。選手たちは、次なる全国選抜選手権(以下、選抜)での優勝を見据える。
◆6・10~11 第53回全関東学生選手権(日本武道館)
▼男子団体
明大――準優勝
▼男子個人
星山――準優勝
中嶋――5位
若林――6位
小林――8位
「伊山(優樹主将・政経4=東北学院)さんが主将の時に絶対に優勝させてあげたい」(小林樹・理工3=国学院)。主将への思いを胸に全関東優勝を目指した。2回戦からとなった決勝トーナメント初戦は、21中と安定した射で東洋大に危なげなく勝利。3回戦へと駒を進めた。
迎えた3回戦の相手は強豪・日大。「やっぱり日大は毎年強い大学の一つ」(小林)。日大相手に緊張感ただよう空気感の中明大は集中した射を見せた。結果は20中-20中。勝敗はつかず同中競射にもつれ込むと、明大は地力の差を見せつけた。なんと12射皆中という驚異的な射で鮮やかに勝利。「緊張したが、競射になった時の練習をしていた。その成果が出せた」と小林は振り返った。
続く準決勝でも、筑波大の14中に対し明大は20中で快勝。見事決勝進出を決めてみせた。そして決勝戦、向かう相手は初戦を24射皆中で勝ち上がった法大。勝つには一本も抜くことはできない。そんな張り詰めた空気感の下、明大は優勝に挑んだ。「絶対に抜けない、抜いてはいけないと自分自身にプレッシャーをかけつつ、自分が中てて、明治を勝たせて優勝させてあげるくらいの気持ちで臨んだ」(小林)。的中のたびの大きな掛け声が明大と法大で交互に飛び交う。緊迫の試合結果はまたしても20中-20中。運命の同中競射で再び12射皆中を見せたい明大だったが、結果3本抜いてしまい、法大の12射皆中の前に屈した形となった。優勝まであと一歩惜しくも届かず結果は準優勝。今回チームを率いた伊山は、「下級生が頑張っているのに上級生が頑張れなくて悔しい」とした上で「(法大は)去年勝てた相手なのに今年勝てなかった。法大のレベルが上がってこっちが合わせられなかった」と悔しさをにじませた。
個人では、寺本裕明監督も「射型がきれい」と太鼓判を押す星山知慶(政経2=武雄)が準優勝。「自分の中ではできた方だったんですけど、ここまで来たらもう少しやれたのかな」(星山)。さらには5位に1年生の中嶋航大(農1=帝京長岡)が入賞。「周りの人たちのレベルが高校の時よりも段違いに高くてその背中を追いかけるのに必死だった」(中嶋)と先輩の背中を追いかけながら射技の向上を図る。本来なら試合に出られる実力の選手が多く控えている明大弓道部。「選抜は、本気で優勝を勝ち取りに行くだけで、僕個人的には優勝しなければ意味がないと思っている。しっかりと優勝して、みんなで楽しく試合を終わらせられたら」(増田皓太・理工2=富士宮西)。今回成し得なかった優勝を勝ち取る。その強い思いを胸に全国の舞台に挑む。
[布袋和音]
試合後のコメント
寺本監督
――団体戦を振り返っていかがですか。
「今までなかったプレリーグっていう秋のリーグ戦の前哨戦みたいな試合で男女ともに全勝して、そういった意味で言うと法大にも勝ったし練習試合でも何度も勝っていたけど、最後調整してきたのがやっぱりさすがだなという感じですね」
伊山
――団体戦を振り返っていかがですか。
「前で引いていた2年生の3人は頑張っていたんですけど、後ろの3人の3年生と4年生が頑張れなくて負担を全部下級生に回してしまったので、上級生としてはふがいないなと思います」
小林
――一般入部で活躍されていますが、その秘訣はありますか。
「スポーツ推薦と一般入部というだけで、若干自分の中でスポーツ推薦の方が上という固定観念が入部当初はあったんですけど、1年生の時とか最初は絶対に負けていたんですけど、絶対に追いつく、追いつくというか、あいつら全員ぶっ飛ばしてやるくらいの、もうほんとに全員に勝ってやるくらいの気持ちで練習して、しっかり食らいついて練習しています、もうそれしかないです。気合いです。彼ら本当にすごいです」
細川凌平(営3=秀岳館)
――今回の良かった点と次につなげていきたい点を教えてください。
「日大戦の競射と、決勝戦の最後の矢を入れられたことが良かったと思います。2週間後に選抜があるんですけどそのメンバーに入れなかったので、この次のインターハイはまたアリーナであるので、今日のアリーナで得た感覚をしっかり帰ってからも反省して、詰められるようにしたいと思います」
星山
――選抜に向けての意気込みをお願いします。
「選手が絞られて人数が少なくなるので、レギュラー争いもそうですし、他の大学もレベルの高い選手だけが集まってくるので、もっと練習量を増やして精度を高めていきたいです」
増田
――今回20射中19中という結果でしたが調子はいかがでしたか。
「昨日の調子がとんでもなく悪くて、今日はどうなることかと思ったんですけど、昨日の自主練習とかだったり、今日の朝の自主練習でなんとなく感覚をつかめたのでそこで調整できて今日ぼちぼち中ったので、それは少し良かったのかなと思います」
若林優弥(農2=小笠)
――団体戦を振り返っていかがですか。
「本当に大事なところで1本を抜いてしまって、その矢のせいで負けたと言っても過言ではない外し方でしたので、悔しさだけが残った試合でした」
中嶋
――緊張などはありましたか。
「久しぶりに本当に大きい会場で引いて緊張もあったのですが、先輩たちの声掛けもあって緊張をプラスに変えられたので、むしろ緊張があって良かったなと思います」
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