入賞続出 ルーキーの活躍が光る大会に/日本選手権兼U20日本選手権

2023.06.04

 4日間にわたり行われた今大会。U20男子400メートルでは原田真聡(文1=東農大二)が会心の走りで準優勝。他にも多くの1年生が入賞し、チームとしても頼もしい結果となった。

 

◆6・1~4 第107回日本選手権兼U20日本選手権(ヤンマースタジアム長居)

[1日目]

▼U20男子200メートル予選

 3組 川津 1着 21秒27 決勝進出

▼U20男子1500メートル予選

 1組 乙守 4着 4分12秒19 決勝進出

 2組 加世堂 5着 3分51秒06 決勝進出

▼男子1500メートル予選

 2組 馬場 6着 3分50秒47

▼U20男子5000メートル決勝

 綾 4位 14分07秒74

 大湊 9位 14分33秒43

 

[2日目]

▼U20男子1500メートル決勝

 加世堂 6位 3分48秒57

 乙守 7位 3分49秒19

▼U20男子3000メートルSC決勝

 小林周 7位 9分04秒10

 鬼塚 11位 9分15秒20

▼U20男子200メートル決勝

 川津 4位 21秒42

 

[3日目]

▼U20男子400メートル予選

 2組 原田 1着 47秒07 決勝進出

 

[4日目]

▼U20男子400メートル決勝

 原田 2位 46秒97

 

 台風の接近により大雨の中で行われた1日目と2日目。コンディションは最悪かのように思われたが、多くの選手が入賞を果たし健闘を見せた。U20男子200メートル予選では、川津靖生(法1=明星学園)が他を寄せ付けない圧巻の走りで1位通過。決勝では華麗なスタートダッシュを決め、得意とするコーナリングで差をつける。しかしその位置をキープし切れず4位でゴールイン。「スピードが出ていても体力がなければ意味がないので、持久力や体力を付けていきたい」。川津の表彰台入りはもうもなくのところまで来ている。

 

 男子1500メートル予選には馬場勇一郎(政経4=中京大中京)が出場。明大からは唯一のシニアでの日本選手権出場を果たしたが、全国レベルの戦いで思うように記録が伸びず。集団の前方に付けたもののラストスパートで脱落し、無念の予選敗退となった。U20男子1500メートルでは乙守勇志(政経1=大阪)と加世堂懸(商1=仙台育英)がともに決勝へ進出。前半は集団の中で順調にペースを刻んでいたが、ラスト1周で他大の追い上げに食らいつくことができず。それでも入賞圏内でレースを終え、大舞台で好成績を残した。「全国大会で結果を残すことが競技人生の中で少なかったので、入賞できてほっとしている」(加世堂)。来たる駅伝シーズンに向けて、今後は長距離でも記録を伸ばしていきたい。

 

 U20男子5000メートル決勝では、綾一輝(理工1=八千代松陰)が積極的な走りで表彰台入りを狙う。序盤からトップに躍り出るとレースの流れを意のままにコントロール。しかし3000メートル付近で青木(国学院大)が飛び出したことで第2集団に。粘り強い走りで懸命に前を追うも、なかなか距離を縮められない。ラストスパートで他大に競り負け、惜しくも表彰台入りはかなわなかった。「悔しい気持ちもあるが、それ以上に初めて大学のレースで出し切れた。これから何をするべきかを自分で分かっているので、これで終わるのではなく、今後もしっかり取り組んでいきたい」。関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)では後半に失速し、悔しさをにじませた綾。その思いをバネに挑んだ今大会では見事4位入賞を果たし、全日本大学駅伝予選会につながる一戦となった。同種目に出場した大湊柊翔(情コミ1=学法石川)は9位でフィニッシュ。入賞にはあと一歩及ばなかった。

 

 鬼塚大翔(政経1=学法石川)と小林周太郎(営1=伊賀白鳳)はU20男子3000メートルSC決勝に出場。着々とレースは進んでいき、残り1000メートルで集団が分裂し始める。鬼塚はそのペース変化に乗り切れず徐々に前との差が開いていくも、小林周が先頭集団で粘り強い走りを見せる。ラスト1周でさらに集団は縦に伸び、小林周も先頭集団から脱落。ともに他大のラストスパートにペースを乱され、課題が残る結果となった。「8分台が出せたらというのはあったので、少し物足りなさは感じた。ここからは気持ちを切り替えて長い距離に行ってくれたらいい」(山本佑樹駅伝監督)。今回の経験を糧に、次戦ではさらなる好記録を狙いたい。

 

 前日とは打って変わり、気持ちの良い青空の下で行われたU20男子400メートル。出場した原田は関東インカレで自己ベストを更新し、今勢いのある選手の一人である。今大会でもその圧倒的な実力で自己記録を塗り替え、予選を全体の中でもトップの記録で通過。優勝候補として挑んだ決勝では、残り100メートルで勝負を仕掛ける。直線に入るや否や加速し始めると、先頭に飛び出した。しかし外側から迫る冨永(順大)に抜かされ、2位でフィニッシュ。優勝とはならなかったが、予選に続き決勝でも自己ベストを更新。「優勝を狙っていたので正直悔しい気持ちもある。前回の関東インカレの反省を生かして後半に耐える練習を積んだので、そのときよりはうまく動くことができた」。前回大会の結果を分析し練習を重ね、念願の46秒台を達成。しかし「まだ大学では戦えるようなレベルではない」と闘争心を垣間見せた。原田の快進撃は今後も続いていく。

 

 全国レベルの大会でも好成績を収めた選手たち。「特にU20の若手を多く出せたので、これから勢いをつけるという意味では、いいきっかけになったレースだと思う」(山本駅伝監督)。トラックでのレースが盛んになってくる、これからの時期。明大の未来を担うルーキーに注目だ。

 

[石井遥]

 

※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。