底力見せた 東洋大に快勝し、11位でリーグ戦閉幕/東日本学生1部リーグ戦

2023.05.20

 7階級で争うリーグ戦、2日目からは順位決定戦が行われた。育英大、神大にまさかの大敗を喫し、何としてでも勝ちたい3日目。東洋大相手に5―2で見事勝ち星を挙げ、最終順位11位で今大会に幕を下ろした。

 

◆5・16〜18 東日本学生1部リーグ戦(駒沢屋内球技場)

▼1部順位決定リーグ

 明大0―7育英大○

 明大1―6神大○

○明大5―2東洋大

 

 1日目の結果により3位リーグに進んだ明大。3位リーグ初戦は育英大と対峙(たいじ)。気持ちを切り替えて臨んだが、誰一人勝利することができずまさかの0―7で敗北。「1日目の反省が生かされていなかった」(太田匠海・営3=いなべ総合)と、2戦目での挽回を図った。

 

 迎えた2戦目・神大戦の先陣を切ったのは太田。開始1分で5点技を決め、勢いに乗る。その後は場外への押し出しなどで得点を重ね圧倒。第1P終了まで残り10秒のところでまたも押し出しで1点を追加し、見事10―0でテクニカルフォール勝ちを収めた。「自分が引っ張ろうと強気になれた」(太田)とチームを勢いづける。しかし続く2番手3番手で接戦をモノにできず、連敗。4番手の加賀田柊生(政経3=文化学園大杉並)は1―2と競った状態で2点を追加。意地を見せ逆転を果たしたが、その直後に相手に押し出され同点に追い付かれる。同点の場合は後に点を取った方が勝利となるため、窮地に追い込まれた。ここで加賀田は奮闘するも、点を取ることはできず試合はそのまま終了。その後も明大は悪い流れを断ち切れず、最終スコア1―6で黒星を喫した。「他の大学に比べてチーム力がなかった」(太田)。最終日に向けてチーム全体としての課題が見つかる1日となった。

(写真:勝利し、喜びをあらわにする太田)

  リーグ戦3日日、最後の相手は同じく2連敗中の東洋大。「団体戦であるリーグ戦は流れが重要。流れをつくるには初戦の入りがいい形でなければならない」(森陽保監督)。そんな肝心要の1戦目に出場したのは坂井孝太朗主将(文4=花咲徳栄)だ。前日の試合中のケガにより、本調子でない中「チームのために勝つしかないと思った」(坂井)。勝利へのこだわり、そして主将としての意地が坂井をマットに立たせた。開始20秒、相手を場外に出し1点を獲得するとすぐさまバックを取り2点技を決める。5―1で迎えた後半戦。最後まで相手にスキを与えず、力強いガッツポーズで試合を終えた。続く岩井知史(文3=前橋西)、塚田京(農3=埼玉栄)も手堅く勝利を収め、3―1で迎えた太田の第5戦。一進一退の攻防が続き、0―2で試合終了かと思われた残りわずか10秒。「相手の状態を頭で理解し、周りの声を聞き、秒数も見ることができていた」(太田)。冷静な判断で4点の大技を決め、見事逆転勝ち。この瞬間、明大の勝利が決まり、勝ち星で今大会を締めくくった。

(写真:攻撃のチャンスをうかがう坂井)

 

 「リーグ戦には彼の存在がなくてはならなかった」(森監督)。膝のケガにより出場できなかった田村拓斗(政経4=秋田商)はサポート側としてチームに貢献。団体戦である今大会に向け、日常生活のさまざまな面で団結力を高めるための環境づくりを行っていた。例えば食事面では、ケガなどで試合に出ることのできない部員を取りまとめ「普段はばらばらだが、寮でみんなでご飯を食べられるように体に摂取しやすい料理を考えて作っていた」(田村)。その他にも応援体制の強化、話しやすい関係性づくりの構築などに尽力。「選手でもサポート側でもあるからこそ一番よく分かっている」(田村)。試合に出た選手もサポートに回った部員もチーム一丸となって戦ったリーグ戦、東洋大との最終戦はまさに部員全員で勝ち取った一勝だった。

 

[井手満菜、末吉祐貴]

 

試合後のコメント

森監督

――リーグ戦独特の雰囲気やプレッシャーなどはあるのでしょうか。

 「このリーグ戦は個人名で出るのではなく、明治大学の代表として出場するのでそのプレッシャーは正直あると思います。プレッシャーがあるからこそ大学の代表として胸が張れると思いますし、その看板を背負っているからこそ自分がやらなきゃいけないという気持ちになると思います。プレッシャーに勝つくらいの精神力とかを普段の練習で養えるものだと思うので選手にはそういうことも踏まえてリーグ戦に向けて臨んでほしいと思っています」

 

――明治杯に向けてはいかがですか。

 「出場する4人には上位陣と接戦だったり、ポイントが取れたのは今後の自信になると思います。なので、自分のレスリングを突き通して少しでもポイントを取って自分の自信にしてほしいなと思います」

 

坂井

――3日目に向け、主将としてチームに声掛けを行っていたことなどはありますか。

 「ラスト1戦で、ここで勝った方が順位を上げることができる戦いだったので、絶対勝とう、何が何でも勝たないといけないということをみんなに伝えました。また、主力の選手一人一人に声掛けして『お前ならできるぞ』と、アドバイスをしたりなどは事前にしていました」

 

――リーグ戦全体を振り返っていかがですか。

 「最初の1日目は打倒・国士と青学でメンバーもそれに向けて練習を頑張ってきたので、国士には負けてしまって、悔しい部分もあります。やはりチームの団結力がなかったのかなと。試合に出ている選手もそうですし、上で応援している選手にも一体感がなかったのかなと思います。1日目も2日目も実力的には僅差だったと思うので、そういう流れとか気持ちの面で負けてしまったのかなと思います」

 

三井潤(法4=鹿島学園)

――最後のリーグ戦でしたが、振り返っていかがでしたか。

 「順位としては11位で、目標としては8位を目指していたので、それを達成できなかったのは悔しいです。個人としてはグレコローマンが専門の選手で、フリースタイル61キロ級に体重を落として挑戦したのは最初で最後でした。最後に一回勝つことができて良かったかなと思います」

 

――4年生としてチームに話していたことなどがあれば教えてください。

 「初日、2日目と結果が良くなかったのでミーティングなどで応援の方から声出して盛り上げていこうとか、接戦もずっと落としてきていたので、接戦を落とすのは気持ちの部分が大きいと思うので切り替えて気持ちを強く持っていこうと話していました」

 

田村

――リーグ戦を振り返っていかがですか。

 「自分は試合に出ていないですが、チームとしては納得のいく試合ではなく、悔しい結果でしたね。でも、これからどうしていくかということも明確になってきたと思うのでそこを取り組んでいけば来年は本当にいいところまで行けるのではないかなと思います」

 

――応援に関してチームに話していたことなどはありますか。

 「初日は大事なところで悔しい結果だったので、全力で負けないように、チームが落ちないように気分も上げるために、試合出ているメンバーも出ていないメンバーも声を出すように伝えました」

 

岩井

――2日目振り返っていかがですか。

 「育英大戦は、相手が対戦経験のない選手で自分よりも体重が20キロくらい重くて、体重差に全然対応できなかったです。東洋大戦は育英戦よりはできたかなと思いますが、あまり自分の技を出せませんでした。相手は自分の動きを分かっていって全部抑えられて何もできませんでした」

 

太田

――チーム内で唯一勝利した神大戦を振り返っていかがでしたか。

 「メンバーが全員3年生以下で自分が初戦だったので、引っ張ろうと思って強気になれて5点技を取ることができたのは良かったです」

 

――東日本学生選手権への意気込みをお願いします。

 「まだ課題がたくさんあってそこは一つ一つ克服して次の試合につなげていかないといけないなと思います。組手とか攻め手が全然なかったので、そこを次の試合までに克服したいです」