2部リーグ開幕戦 強敵相手に健闘/関東大学2部リーグ戦

2023.05.16

 昨年度に悲願の2部昇格を果たし、迎えたリーグ開幕戦。昨年度まで1部に所属していた中大との対戦は、2―5で敗れ白星スタートとはならなかった。しかし、フライ級の堀太虎(商3=花咲徳栄)とミドル級の藤山成悟(商1=上市)が勝利を挙げるなどの活躍を見せた。

 

◆5・13~7・8 第76回関東大学2部リーグ戦(後楽園ホール)

▼5・13 対中大戦(後楽園ホール)

 明大2―5中大◯

▽ライトフライ級

 小沼(1回・RSC)柿沼◯

▽フライ級

◯堀(3回・判定)佐藤

▽バンタム級

 田中(3回・判定)山川◯

▽ライト級

 辻本(2回・ABD)森貞◯

▽ライトウェルター級

 渡辺(3回・判定)祝◯

▽ウェルター級

 奥山(3回・判定)髙橋◯

▽ミドル級

◯藤山(3回・判定)内村

 

 関東大学リーグ戦が開幕した。昨年度は3部リーグで優勝。そして、入替戦で平成国際大が辞退したため2部リーグへの昇格を果たした。3年ぶりとなる2部リーグの舞台。昨年度まで1部リーグに所属していた中大との初戦を迎えた。

 

 「昨年度まで1部にいた大学と3部にいた大学が勝負になるかと考えたら難しいと思っていた」(西尾忠久監督)。1番手で試合に臨んだのはライトフライ級の小沼夢有人(情コミ4=明大中野)。大学で競技を始め、試合経験が少ない中での出場であったが積極的に前に出て攻撃を仕掛けていく。しかし相手の正確な打撃と、中大サイドの声援にペースを握られ苦しい展開に。開始1分過ぎにダウンを奪われるとタオルが投げ入れられ、悔しい結果に終わった。

 

 中大に流れが傾く中、2番手で堀がフライ級のリングに上がる。相手は昨年度、バンタム級全日本ランキング5位の佐藤。実績のある強敵との対戦であったが「昇格後の大事な初戦で緊張したけど、自分のボクシングができた」(堀)。ガードの低い相手に対して顔面を中心にヒットさせ相手を終始圧倒。5―0の判定勝ちで試合を振り出しに戻した。

 

 しかしその後は四つの階級で敗れ、残すはミドル級のみとなった。なんとか最後に勝利を収め、いい流れで初戦を終えたい明大。期待のルーキー・藤山が最後のリングに上がった。藤山は高校時代にはインターハイ準優勝、ミドル級全日本ランキング5位と名実ともに兼ね備えた選手だ。序盤は相手の硬いガードと、懐への踏み込みで接近戦を強いられ、リーチの長さを生かせずに苦しむ場面が続く。それでも徐々に相手の動きを読み、カウンターを合わせて反撃に出る。「大学のレベルに慣れない中でも、彼のポテンシャルの高さが出た」(西尾監督)と最終的には4―1で判定勝ちを手にした。


(写真:大学デビュー戦を白星で飾った藤山)

 

 「今日は負けてしまったが2部上位を目指して頑張りたい」(田中優輝主将・商4=保土ヶ谷)。昨年度1部にいた強敵にも二つの階級で勝利を挙げ、引けを取らない戦いを見せた明大。「絶対に勝てない選手はいないが、総合力でいったら部員が少なく苦しい状況。まずは2部に定着するための土台を築いていきたい」(西尾監督)。まずは、2部の環境に慣れることが1部昇格へのカギとなりそうだ。古豪復活への挑戦が始まった。

 

[倉田泰]

 

試合後のコメント

西尾監督

――試合を振り返っていかがでしたか。

 「勝ちたかったですけど、力の差を考えると比較的良くやってくれたなという感じです。選手にも個人差があって、力を発揮して惜しくも負けてしまった選手もいれば、練習でやってきたことが全然出ないまま負けた選手もいて、実力を出せないまま負けた選手は場慣れが足りていないなと感じました」

 

田中

――試合を振り返っていかがでしたか。

 「最初は右のストレートを当ててタイミングが分かるなって感じだったんですけど、2R目からボディーとかをもらって焦ってペースを取られたので、そこで焦らないで自分のボクシングできてれば勝てる相手だったかなと思います」

 

――キャプテンという立場についてはどのようにお考えですか。

 「自分の実力がなかったらチームの後輩達もついてこないと思うので、まず自分が結果出して背中で引っ張っていけるようなキャプテンになりたいと思います」

 

――2部に上がって階級が増えたことについてどのように考えていますか。

 「自分も含めて替えがきかない階級があるので、ケガとかに気をつけて勝ち続けていきたいなと思います」