重量級で堂々の2冠! 団体戦に期待膨らむ/全日本学生個人選手権

 重量級の試技が行われた全日本学生個人選手権最終日。102キロ級の川上直哉主将(政経4=尼崎工)がスナッチで大会新記録となる148キロを拳上し優勝。+109キロ級の寺西洸志郎(営3=滑川)は4学年集まる公式戦で初めて1位に輝いた。今大会通じて5人が表彰台入りを果たした結果に、今後の団体戦へ期待が高まった。

 

◆5・12~14 第69回全日本学生個人選手権(はびきのコロセアム)

▼96キロ級 

2位 青柳(S131 J159 T290)

▼102キロ級

1位 川上(S148 J173 T321)

▼+109キロ級 

1位 寺西(S135 J180 T315)

※S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル

 

 「東日本大学対抗選手権前に今試合で実力を発揮してアピールしたい」と意気込んで臨んだ96キロ級の青柳昌孝(政経3=川口)。得意のスナッチでは、3回目に自己ベストタイの131キロを成功させ優勝。続くジャークでも安定した試技を見せ、2回目の159キロで自己ベストを更新し、表彰台を射程に収めた。優勝を懸けて挑んだ164キロは失敗してしまったが堂々の2位となる。それでも「目標なしにいけるとこまで目指していきたい」と満足せず上を向いている。

 

 102キロ級の川上は、ここ1カ月全日本選手権(以下、全日本)や兵庫県選手権と連戦で調整不足が心配された。スナッチでは3回目で大会新記録の148キロをマークし、応援席に向けて会心の笑顔を見せた。ジャークでは「最近調子が悪く思うようにできなかった」と振り返るも、全日本と同記録を成功させた。この結果トータル321キロと、2位と26キロ差をつけ圧勝した。

 

 最重量級の寺西は、持ち前の勝負強さが光った。スナッチでは、成功させて勢いづけたい2本目の133キロで失敗し、3本目に成功が表彰台への絶対条件となる厳しい状況に。失敗できない緊張感の中挑んだ3本目、見事135キロを成功させる。それでも中田健太郎監督は「これで気を緩めるな」と鼓舞。得意のジャークでは「アップから緊張感を持って取り組んだ」(寺西)ことが功を奏し、目標としていた180キロを拳上。自己ベストを更新し、4学年が戦う公式戦で初めて表彰台の頂点に登った。

(写真:試技を成功し雄たけびをあげる寺西)

 5階級で表彰台入りと団体戦で高順位が望める結果に終わった今大会。今年度の目標は「全日本大学対抗選手権で3位入賞と心に誓っている」(中田監督)と力強い姿勢を見せた。ここ数年団体部門の表彰台から遠ざかっている明大。今日からまた研さんに励む選手たちは、きっと表彰台からの景色を見せてくれるに違いない。

 

[杉田凜]

 

試合後のコメント

中田監督

――今大会に向けてどのような目標を持って指導されてきましたか。

「まずは成功率。失敗を減らしていくというのを心掛けていました。前半の1日目とかはなかなか上手くいきませんでしたが、後半につれて成功率が高まっていったのが良かったかなと。だからこそ順位が上に行ったと分析します」

 

――川上主将についてはどのようにお考えですか。

 「川上はケガが1、2年生とありましたが心も体も強くなって、主将としての自覚もできていると思います。練習に対する姿勢というのもしっかりしてきて、それが今回の結果につながったと思います」

 

青柳

――優勝したスナッチをどう振り返りますか。

 「優勝できたので、自己ベストタイでやるべき重量はやれたと思います。特に前回から調子が落ちることもなくいつ通りにできました。わがままを言うと、記録狙って132、3いっても良かったですが、順位を決めることが大事なので仕方ないと思います」

 

川上

――今大会記録面で目標は定めていましたか。

 「スナッチ150キロジャーク180キロを目標にしていましたが全く届かなくて結構悔しいです」

 

――ジャークで課題が何か見つかりましたか。

 「筋力がないので筋力つけてしっかり動ける体づくりをもう一回見直していかないと、今後上には登れないなというのを直近3試合でさらに実感したので、そこに焦点当てて頑張りたいと思います」

 

寺西

――3本目180キロの成功に中田監督も寺西選手の「勝負強さ」を挙げていましたが、ご自身ではどのように感じていますか。

 「緊張感がなくて、結構大会に強い方だと思います。前日もなんか緊張して寝れなかったりなども特になくて、しっかり寝て結構身体は万全の状態だったのはあります」