戸上が準決勝へ進出 宇田はベスト8に/全農CUP 第4回パリ五輪日本代表選考会

2023.05.07

 2024年度に開催されるパリ五輪の日本代表選考会である全農CUPが平塚で行われた。女子も男子も名だたる選手が勢ぞろいする中、明大からは宇田幸矢(商4=大原学園)と戸上隼輔(政経4=野田学園)が出場。初日は、戸上は準決勝進出、宇田は準々決勝敗退という結果に終わった。

 

◆5・6~7日 全農CUP 第4回パリ五輪日本代表選考会(トッケイセキュリティ平塚総合体育館)

◆1日目

▼男子シングルス

 戸上――準決勝進出

 宇田――準々決勝敗退

 

 世界で戦う戸上がその実力を見せた。1回戦目は初めから7連続得点で相手を圧倒。3セット目を取られたが、4-1の快勝で幸先よくスタートを切った。2回戦目も4-2で勝利を収め順調に準々決勝へと駒を進める。「体力勝負だった」という準々決勝は11―3という大差で1セット目を先取しその勢いで次々と得点を重ねていく。しかし食らいつく相手に翻弄され「自分が崩される展開が多かった」。さらに「時々集中力が途切れることがあった」と試合中に何度か苦しそうな表情を見せることもあったが、戸上を支えたのは日々の努力だった。足を中心としたトレーニングで激しいラリー戦を制し、磨いた台上技術で力強い球を生み出す。手ごわい相手との戦いに粘った末勝利の雄叫びを上げた。「取り組んできた練習を大いに発揮できた」と振り返り笑顔で2日目の準決勝に臨む。

 

 一方の宇田は初戦から接戦を強いられた。1セット目を先取され、その後もネットぎりぎりに打たれる球に苦しむ展開が続く。しかしその苦しい場面を自分の流れに変えられるのが宇田の強み。同点で迎えた5セット目では、勢いに乗った相手の流れを一気に崩すと6連続得点を決めた。力を込めたガッツポーズで自身を鼓舞し着実にゲームの流れをモノにする。最後まで気持ちを切らさず戦い抜き、4-3で相手を封じ込めた。2回戦目は4-1で大きく相手を引き離す結果に。強さを見せつけ準々決勝に臨んだ。しかしその準々決勝では打った球が台から出てしまうなど失点が続く。相手の得点時の叫び声が、威嚇のように宇田に降りかかる。厳しい展開にてこずり、最終セットは1-11と大きく差が開いた状態で悔しい終わりを迎えた。2日目に控えた順位決定戦では本領発揮を狙いたい。

 

 ハイレベルな戦いを見せている全農CUP。誰が勝ってもおかしくない熱い戦いは2日目も続く。戸上は準決勝、宇田は順位決定戦と場所は異なるがそれぞれが今できる最高のプレーで挑む。

 

[新村百華]

 

試合後のコメント

戸上

――今日のコンディションはいかがでしたか。

 「すごくいい状態でした。世界選手権も控えているのでかなり自分の中で追い込んできたというのもありますが、それがこうして出せてうれしいです」

 

――明日への意気込みをお願いします。

 「今大会は本当に大荒れの大会になっていますが、自分は自分のために優勝を目指して頑張りたいなと思っています」