
明大勢始動 春関本戦初日は5組が勝ち進む/関東学生トーナメント1日目
関東学生トーナメント(以下、春関)の本戦がついに開幕。1日目は明大から9人の選手が出場した。男子シングルスでは鈴木久統(政経3=湘南工科大付)が3時間を超える熱戦の末勝利。男子ダブルスでは松本洵(法2=松商学園)・河野隼也(営1=鳳凰)組といったフレッシュな顔触れも見られた。初日は9試合中5試合で勝ち星を挙げ、2回戦へ駒を進めた。
◆5・1〜7 関東学生トーナメント(有明テニスの森)
▼5・1
[男子シングルス1回戦]
〇坂井 2{6―2、3―6、6―1}1 佐藤(法大)
副田 0{2―6、2―6}2 川上(専大)〇
野田 0{1―6、2―6}2 小林(立大)〇
〇横田 2{6―3、6―4}0 柴田(日大)
〇大久保 {3―6、6―3(棄権)} 須田(青学大)
〇鈴木久 2{6―4、5―7、6―4}1 石川(中大)
[男子ダブルス1回戦]
〇野田・今里組 2{6―0、2―6、10―6}1 佐藤・古橋組(青学大)
松本・河野組 0{0―6、4―6}2 新垣・岡崎組(立大)〇
[女子シングルス1回戦]
南口 0{3―6、2―6}2 宮本(立大)〇
【男子シングルス1回戦:鈴木久VS石川真輝(中大)】
有明の舞台で激戦が繰り広げられた。第1セット、鈴木久はネット際に出てきた相手のサイドを突くショットを見せ、ゲームカウントを4-1まで引き離す。その後相手の強烈なサーブに対応し切れず一時5―4まで追い付かれるも、粘りのラリーでこのセットを奪った。しかし第2セットに入ると「なかなか決まらず苦しい展開だった」。慣れないコートということもあり、いま一歩決め球に欠ける。一進一退の攻防が続く中、少しのミスが命取りとなった。中盤になると徐々にネットミスやダブルフォールトが増え、このセットを落としてしまう。
迎えた第3セットも厳しい戦いが続く。互いにサービスゲームをキープし合う展開で先にブレークしたのは相手だった。万事休すかと思われたが、鈴木久は「長いラリーでできるだけミスを誘おう」。ピンチにも慌てることなく粘りのプレーを見せ、すぐさまブレークバックに成功。その勢いのままライン際の鋭いショットや力強いサーブで相手を圧倒し、6―4でゲームセット。3時間40分の激闘を制した。
試合途中、日差しが強くなり気温は急上昇。体力的に限界が近づく中で「チームメートがサポートしてくれたので、どうにかファイナルセットまで耐え抜くことができた」。気温に負けないほど熱気のこもった応援に突き動かされ、鈴木久は勝利をつかんだ。次なる相手は高校時代の同級生。チームメートの声援を背に、旧知の仲に挑む。
【男子ダブルス1回戦:松本・河野組VS新垣勇斗・岡崎開組(立大)】
「1年間、ずっと悔しい思いをしてきた」(松本)。右手首のケガにより、ほとんどテニスができていなかった松本にとって今試合はまさに久しぶりの大一番。1年生の河野にとっても入学後初めての公式戦だ。
第1セットは「自分のプレーができなかった」(河野)。相手のスキあらば前に詰めてくるような積極的なプレースタイルに全く歯が立たない。1ゲームも奪うことができないまま0-6で落としてしまった。気持ちを切り替えるため、トイレットブレークを取り、続く第2セット。「セカンドはまずキープをしよう、サーブのコースを狙い、僕らからもっと強気でいこう」(松本)。その言葉通り、第3ゲームでは初キープに成功。悪い流れを断ち切り、自分たちのプレースタイルを取り戻す。その後も鋭いコースのサーブや確実にチャンスをモノにするボレーで相手を翻弄(ほんろう)する。しかし、ゲームカウント4-5で迎えた第10ゲーム目、開いた点差を埋めることができず、4-6で第2セットを落とし、初戦敗退となった。
2人の強みは「隼也(河野)が組み立てて、僕が前衛として横に動いたり、プレッシャーをかけたりできること」(松本)。ペアを組んでまだ間もないが、お互いを信用しているからこそ、それぞれのやることをはっきりさせ、得意なプレーに注力することができる。2人にとって公式戦初白星を挙げることはかなわなかったものの、今大会が次戦の勝利への大きな一歩となったことは間違いない。
2日目には男女シングルス2回戦、女子ダブルス1回戦が行われる。さらにレベルの高い戦いが予想されるが、明大勢は上位進出に向け、勝利を挙げて見せる。
[高橋佳菜、井手満菜]
試合後のコメント
横田大夢男子部主将(政経4=足利大付)
――今大会の目標を教えてください。
「僕らは最後の年になるのでシングルスとダブルス両方で優勝を目指せるように頑張っていきたいと思います」
――今試合を振り返っていかがでしたか。
「僕自身はこのコートを知ることからスタートしたので出だしは全然点が取れなかったのですが、しっかりとつなげていったら相手が焦ってくれたので、第1セットは無理なく取れました。第2セットもそのままの勢いで4-1まで離せたところで、僕自身からポイントを取る展開にしようと思ったのですが、ミスが出てきてしまって、競った展開になってしまったことが今日の反省点かなと思います。最終的には勝てたので明日につなげることができて良かったです」
――今試合で見つかった次戦への課題を教えてください。
「このコートはボールが跳ねてくれるので落ち着いてラリーをすることと、跳ねてきたところでつなげてしまうと長いラリーになってしまい体力的にきつくなるので、前に入ってポイントのラリー数を短くしていくことが重要だと思います。ネット前に出て、プレッシャーをかけることが明日勝つうえで必要だと思うので、その点を反省して明日しっかりできたらなと思います」
野田成佑男子部副将(商4=大分舞鶴)
――シングルスからダブルスへどのように切り替えて臨みましたか。
「シングルスは負けてしまいましたが、全日本学生選手権(以下、インカレ)には行きたかったので、ダブルスでインカレに行こうという気持ちで臨みました」
――ダブルスの2セット目を終えてどのような話をしましたか。
「僕たちの強みは勢いがあるところだと思うので、その強みを生かして声を出して勢いで勝とうという話をしました」
坂井修造(理工4=湘南工科大付)
――相手との対戦経験はありましたか。
「そうですね。小学校からなじみがある選手で、相手の方が大学ですごく伸びていて自分としては上の選手でしたが、最後に4年生同士の戦いで勝つことができたので良かったです」
――ファイナルセットの流れが良かった要因を教えてください。
「2セット目であまり声が出ていなかったので、まず声を出すことを意識しました。メンタル部分では応援もすごく力になりました。相手に息をつく間を与えずに自分から攻めていくという意識になったのが良かったです」
鈴木久
――慣れないコートでの試合でしたが、いかがでしたか。
「明治のコートでやるよりも球が遅くなかなか決まらなかったです。その中で相手もタフなプレーヤーだったので、いつものようにストロークで攻めるというのができませんでした」
――試合全体を振り返っていかがでしたか。
「かなり苦しい展開でしたが、男女含めみんなが応援してくれて最後は気持ちで勝つことができたのですごくうれしかったです」
今里翔吾(営2=海星)
――試合を振り返っていかがでしたか。
「1セット目は僕たちのいいプレーが出てスムーズにいきましたが、2セット目は逆に僕たちの悪い部分が出たかなと。ファイナルセットは野田さんが引っ張ってくれたので、僕は緊張していましたが何とか勝つことができました」
――仲間の応援はどのように感じていましたか。
「みんな応援してくれているのに負けられないという気持ちで強気なプレーができました」
松本
――次戦への課題を教えてください。
「復帰して2カ月半くらいなので全体的にどのショットも質が高くないことが課題です。特にケガをしたのが右手首なので、フォアハンドの強化を今後取り入れていきたいです。ダブルスに関しては僕らの強みをもっと理解しないと本戦やインカレには行けないと感じたのでやることをもっとはっきりさせたいです」
――今試合の良かった点を教えてください。
「第2セットではファーストサーブの確率も上がり、スピンサーブを打つなどして、相手を翻弄できたかなと思います。彼(河野)がいいサーブを打ってくれたので僕が前で前でという意識を持って、ボレーも何回か決めることができました。そこに関しては第1セットと第2セットで全然違うことで相手にプレッシャーかけることができたし、その結果サービスキープができたので良かった点です」
河野
――今試合を振り返っていかがですか。
「1年生なので、大学の試合は初めてでした。1ゲーム目の1ポイント目から相手は強気できたのですが、僕は緊張して特に前半はいつも通りのテニスができませんでした。次はもっとしっかり練習して勝てるように頑張りたいです」
――次戦への課題を教えてください。
「全体を通してどうしても洵さん(松本)に頼り過ぎて僕が返すだけになってしまうことが多いところです。どうしてもプレッシャーがかかって僕がいけるボールも洵さんに任せてしまっているところがあります。次はもっと自分からいけるようにならないといけないと思います」
関連記事
RELATED ENTRIES