試合復帰の元榮 大学初戦8位 堀見は9位で終える/リリーカップカナガワ

 16日、KOSE新横浜スケートセンターで行われたリリーカップカナガワ。FS(フリースケーティング)のみの競技となる今大会に、明大から2人が出場した。今春、明大に入学した元榮愛子(商1=目黒日大)はケガの影響で昨シーズンは試合出場がかなわず、約1年ぶりの試合で8位に入った。9位に堀見華那(商3=愛知みずほ大瑞穂)が続き、新年度の初戦を終えた。

 

◆4・9、15~16 第46回リリーカップカナガワ(KOSE新横浜スケートセンター)


 

 「気負わず楽しく滑れたらいいなと思っていたけれど、いざ滑ったら足が震えてしまった」。緊張を感じながらも、大学生として臨む初めての試合で滑り切った元榮。仲間の掛け声を背にリンク中央に向かい『Black Swan』を披露。冒頭、一歩ずつ大きな滑りでリンクを回り、2本目で3回転ルッツをやや乱れるも着氷させた。その後、ダブルサルコウやダブルアクセルからのコンビネーションジャンプなど、前半はジャンプが占める構成となった。『白鳥の湖』を思い起こさせるダイナミックな曲調や世界観を丁寧に表現していく。スピンでは三つ全てに観客から拍手が送られたが「回るのがすごくゆっくりだった。レベルも取れていなさそうだな」と振り返った。体が疲れている中で見せたスピンに不完全さを感じていたが二つでレベル4を取る結果となった。ポーズを決めた後にはほほ笑む姿が。「元榮愛子と書かれているものを振ってくれているのが見えてうれしかった」。最後にはリンクに一礼し、8位で試合を終えた。

 

 元榮にとって今試合は復帰戦でもあった。全日本ジュニア選手権(以下、全日本ジュニア)にも出場した高校2年次に足の指を疲労骨折した。一度休んで復帰した矢先、膝にケガを負ってしまった。その影響で3年次は試合に出場できず、今試合が久しぶりの試合出場となった。「いい時は3回転ジャンプ5種類跳べていた時期があって、今しっかりできているのは2種類くらい。トリプル5種類を戻したい。スピンも前は加点をもらえていたけれど今はあまりもらえていないのでスピンもきれいにしたい」。今でも時折、痛みを感じることもあるが、練習でできることの幅は広がっている。前へ進む気持ちを胸に、大学4年間のスタートを切った。


 (写真:集中して演技に臨む堀見)


 「少しでも点数を取りにいこうと頑張った。失敗しても失うものはないし、今日の試合で守りに入ったら試合に出た意味は何だったのだろうとなると思ったので」。持ち前の笑顔は少なかったように見えたが、最後の要素まで意識を維持していた堀見。前半、2本のループを跳んだが、どちらも転倒。最近の練習で決められていなかったというループは課題として残った。中盤ではコンビネーションジャンプで着氷を決めるも、回転が抜けて予定とは異なった。「最後、ダブルルッツの予定だったところで3回転トーループを跳んでみたり、スピンもなるべく早く回ろうとして、ジャンプが跳べない分、他のところで少しでも稼ごうとした」。実践の経験を積む姿勢を貫き、リズミカルなピアノ協奏曲の演技を終えた。

 

 2シーズン続けたFSも今回で最後とし、これから新しいプログラムの振り付けに入っていく。演技とインタビューを通して見えたのは、残り2年を戦い抜く確かな気持ち。「気付いたらあと2年しかない。大学生活もあと2年しかないけれど自分はここまでスケートをやってきて、調子があまり良くない状態で終わるのは嫌だなと思って。振り返ると、スケートのためにできたことはもう少しあったのかなと思うので、スケートに対して自分に厳しくやっていきたい」。高みを目指すその姿に注目が集まる。

 

 学年が上がり、新たな1年が始まった。今試合に具体的な目標を設定して臨んだ二人。一つ一つの経験を今後に生かしていくに違いない。それぞれが抱くスケートへの気持ちが、形となって表れる日に期待が寄せられる。

 

[守屋沙弥香]

 

試合後のコメント

堀見

――今日の演技を振り返っていかがですか。

 「少しでも点数を稼ぎにいこうとしたなと思っていて、トーループも本当は2本目と4本目でやる予定で、4本目で抜けてしまってダブルになってしまい、ダブルルッツを跳ぶところでトリプルトーループに挑んでみたりしました。最後のステップやスピンで、ジャンプが跳べていない分、他のところで少しでも稼ごうと頑張ったのが今日の総評です。失敗しても失うものがないから、とりあえずいろいろなことやってみようと思いました」

 

――それも影響していたのか、笑顔が少なかったように見えました。

 「確かに、今日はいろいろ考えながら滑ったので。音に合わせることや取り方などは、この曲で2年滑っているのであまり考えなくても体に染み付いているのですが、顔の表情とか目線とかはそこまで今日は行き届いていなくて。やはり全てやるのは、2年やっていても難しいなと思いました」

 

――新しいプログラムのイメージは決まっていますか。

 「『ラ・ラ・ランド』で滑ります。ずっとやりたくて、もしかしたら最後の曲になるかもしれないこともあって。大学4年でもプログラムを続けるか変えるかはまだ分からないですが、多くてもあと2回しか曲を選べないと考えたときに、いろいろな人が使っているからどうしようかなとは思いましたが、やはりやりたいなと思って。そうして選んだのでプログラムができるのが楽しみです。今のプログラムを作ってくださった先生と同じで宮本賢二先生の振り付けです」

 

――今年の目標を教えてください。

 「やはり大学のうちに全日本選手権に出たい気持ちがあるので、ジャンプもトリプル5種類跳べていた時代に戻して、練習と大学の上手な両立の仕方も2年生が終わって慣れてきたので、スケートにもっと力を入れて今年度はもっとレベルアップしたいです。『勉強があるから』とか『友達とも遊びたいし』とか、よく考えたらスケートのためにできることはもう少しあったのかなと振り返って思うところがたくさんあって、その結果が今の状況につながっていると思うので、もう少しスケートに対して自分に厳しくやっていけたらと思います」

 

元榮

――試合を終えてみていかがですか。

 「思ったよりも緊張して足が震えてうまくできなかった印象です。6分間練習では平気だったのですが、演技で滑り出して周りを回って滑る時に『震え出しているな』と思いました。久々だから緊張すると思うからそんなに気負わずに楽しく滑れたらいいなと思っていましたが、いざ滑ったらすごくガクガクしてしまいました」

 

――演技を振り返っていかがですか。

 「パンクしてしまって、それが2本もあったし、ダブルアクセルであまり失敗しないのですが、そこも失敗してしまって。スピンもすごくゆっくりだったのでやはりもっと練習しないといけないなと思いました」

 

――FSの『Black Swan』は高校2年生の時も滑っていましたが、このプログラムを続ける理由はありますか。

 「高3のシーズンもこの曲でやろうと思っていてたくさん練習していたのですが、そのシーズン滑れなかったので今シーズンもう1シーズン頑張ろうと思いました」

 

――ケガは完治していますか。

 「完治するのかは謎なところで。少し痛かったらマッサージしたりケアしたりして、痛さと付き合う感じです」

 

――今年1年の目標を教えてください。

 「トリプルを5種類戻したいです」

 

――これからの4年間をどのように過ごしていきたいですか。

 「大学の勉強もスケートもどちらもみんなに追い付けるように頑張りたいと思います。(選手としてどうなっていきたいと思いますか)前はスピンでけっこう加点をもらえていたのですが今はあまりもらえないので、スピンがきれいな選手になりたいです。滑りもジャンプもできたらいいなと思います。パワーアップしたいです」

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