
住吉が優勝 来シーズンへ向け課題と収穫の一戦/関東学生選手権
11日、関東学生選手権が行われ、明大から3人が出場。S P(ショートプログラム)の点数で順位が決まる中、7、8級女子では住吉りをん(商1=駒場学園)が1位、堀見華那(商2=愛知みずほ大瑞穂)が7位、7、8級男子では堀義正(商3=新渡戸文化)が9位に入った。
7、8級女子の大学別成績では、出場した2選手がともに入賞した明大は2位に入り、笑顔で今シーズンを締めくくった。
◆2・11〜12 関東学生選手権(KOSE新横浜スケートセンター)
前回の大会から2週間ほどでの出場となった住吉。過密日程の中、コンディションを整えつつ「S Pは今シーズンの最後の演技となるので、締めくくりにきれいなものを」と意気込み今大会に臨んだ。冒頭のダブルアクセルをしっかりと決め、好調な滑り出しを見せるも2本目の3回転フリップで転倒。3本目の3回転ルッツでもミスが相次ぎ「ジャンプにキレがなかった」と悔しさをにじませた。しかし「全体的な流れは良く、ジャンプ以外はいいものが出せた」とスピンやステップなどの表現面には手応えを得ており、世界に通用する伸びのあるスケーティングは健在だった。今大会で得たものを力に変え、来シーズン、さらなる高みを目指していく。
(写真:優勝を果たした住吉)
2023年の初戦となった堀見。明るいアップテンポな曲調の『The Lady Is a Tramp』のリズムに乗りながら、キレのあるステップを披露し軽やかに氷上を舞う。「ステップを中心にたくさん練習を積んできた」と練習の成果を本番で生かすことができたことに自信をつけた様子だった。一方で「自分のものにできていない」と不安を抱えていたジャンプはうまくかみ合わず納得のいく演技とはならなかった。課題と収穫の両方を得ることができた今シーズン最後の大会。「来シーズンまでにジャンプを自分のものにしたい」と自身の中で課題は明確だ。万全な状態で来シーズンを迎えることができるか。注目である。
(写真:7位の堀見)
7、8級男子の最終滑走となった堀。「6分間練習でジャンプの軸が外れ、回転を抑えられなかった」と、冒頭の3回転ルッツが抜けてしまう。その後のジャンプでも、冒頭のミスの焦りから立て直すことができず決め切ることができなかった。しかし「昨シーズンと比べてスタミナがついた」と演技後半に入っても気持ちを保ち最後まで滑り切った。「何もできなかった」と課題の多く残る結果に満足のいかない様子だった堀。オフシーズンで演技の底上げを図り、自身の演技を取り戻したい。
(写真:9位の堀)
出場した3選手にとってシーズンの締めくくりとなった今大会。来シーズンへ向け弾みをつけたいところではあったが、選手たちの思い通りの演技とはならなかった。しかし、オフシーズン直前の実戦で課題を明確にできたことは今後の糧となるはずだ。課題の修正に励み、来シーズンにさらなる飛躍が見られることを期待したい。
[冨川航平]
試合後のコメント
住吉
――試合前はどこを重点的に練習しましたか。
「ルッツのジャンプが昨日から崩れてしまっていたので、そこを重点的にやっていたのですが、本番でも不安が残ってしまったままだったかなと思います」
――来シーズンへ向けて挑戦していきたいことはありますか。
「新しいジャンプに挑戦するのはもちろんですが、来シーズンは1種類の4回転を全試合で決めるために、練習でできるための練習というよりも、試合でできるための練習というのを意識したいです。どのような練習にするのかはこれから自分で考えなくてはいけないのですが、そのようなところを考慮してやっていきたいと思います」
堀見
――今大会はどのような目標を持って臨みましたか。
「今シーズン最後の試合ということで、1年間滑ってきてジャンプ以外のつなぎの部分などがようやくスムーズになり曲にも合うようになってきたので、1年間の成長を見せることができたらなと思って臨みました」
――改善したい点はありますか。
「今回S Pしかない大会ということで、F S(フリースケーティング)がない分、体力も落ちていると思いますし、ジャンプも模索中でうまくいっていない部分もあるので、そこを来シーズンまでに自分のものにできるように練習していきたいと思います」
堀
――試合前の調子はいかがでしたか。
「ホームリンクでのプログラムの最終確認の時に、最近ジャンプの軸が外れることがあったのでそこの確認をしました。調節重視で練習が進んでいって、6分間で最終調整という流れできました。いいイメージできてはいましたが、6分間練習でジャンプの軸が大きく外れてしまい、回転を抑えられないということが起きてしまったので、6分間練習で調子が崩れてしまいました」
――オフシーズンはどのようなところを中心に練習したいですか。
「高校生の時と比べるとジャンプの技術が劣ってきてしまっているので、一番力を入れたい点はジャンプになってきますが、シニアや大学の試合で戦っていくためにはスピンやステップなどのバランスの取れた演技が必要です。そこができると大学の試合でも戦えるのかなという感覚が昨日の試合でつかめたので、オフシーズンではジャンプ強化を筆頭に他の部分もバランスよくやっていきたいです」
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