
好演技で上位につけた明大勢 住吉4位、松原60点台記録し6位に/特別国民体育大会冬季大会
特別国民体育大会冬季大会(以下、国体)では、昨日の成年男子に続き成年女子SP(ショートプログラム)が行われた。松原星(商4=武蔵野学院)と住吉りをん(商1=駒場学園)が東京都代表、江川マリア(政経1=香椎)が福岡県代表として出場した。ミスを抑えた演技を見せ、住吉が4位、松原が6位、江川が9位と上位で明日のFS(フリースケーティング)を迎える。
◆1・27~31 特別国民体育大会冬季大会(FLAT HACHINOHE)
「自分の納得のいくように、ノーミスして笑顔で終わる」ことを目標に臨んだ住吉。冒頭から切なげな曲の世界に入りこみ、美しい身のこなしを見せる。ダブルアクセル、3回転フリップからの連続ジャンプ、3回転ルッツをこらえる部分もありながら全て着氷させる。最後のジャンプを降りた後、より伸びやかに氷上を舞う。優美な演技の後には、すぐに立ち上がる観客の姿もあった。FSでは4回転トーループを含めて、納得のいく演技を目指す。
(写真:6位の松原)
抱き続けたジャンプへの執念を演技で見せつけた松原。演技冒頭、3回転サルコウと3回転トーループの連続ジャンプは安定感をもって成功させる。続くダブルアクセルも落ち着いて決める。3本目に控えるループには「1、2回しか大会で降りたことがないので、ループには特に執念があった」。成功への思いが実り、本番での着氷がかなった。「ジャンプのレベルを下げているからこそ、他の部分にも力を入れられた」と、細部の表現まで力のこもっている演技となった。大学1年次以来超えることができていなかった60点の壁を超え、渾身の演技で62.50点を記録した。
(写真:9位の江川)
「毎シーズン、滑りも洗練させていけるように頑張ってきた」と、3シーズン『ラスト・エンペラー』を続けた江川。現地入りする前には「五分五分くらい」の成功率だった3回転ルッツからの連続ジャンプは、足に力が入り切らずルッツの回転が抜けてしまった。2本目では、3回転トーループからの連続ジャンプでリカバリーを図り、いい流れに乗る。最後にダブルアクセルを慎重に着氷させ、全てのスピンでレベル4を取った。FSは「今シーズン、いい演技ができているので自信を持っている」。演技のトータルパッケージで魅せる姿に期待が高まる。
チームの仲間の声援を力に変え、3選手ともに上位につけた。FSが都道府県別の結果のカギとなるに違いないだろう。シーズン終盤に差し掛かる中、各自が積み重ねた練習と込める思い、その全てが発揮されることを願うばかりだ。
[守屋沙弥香]
試合後のコメント
住吉
――今月すでに2試合を終えていますが、最近の課題は何かありましたか。
「連戦だとどんどん疲れがたまって練習でもつい抜きがちになってしまうのですが、ユニバ(ユニバーシティゲームズ)から今日までかなり追い込むことができたと思うので、そこは自分を褒めて自信にしたいと思っています」
松原
――全日本選手権後から国体までどのようなことを思いながら練習してきましたか。
「日本学生氷上競技選手権(インカレ)の応援に行って、伊吹ちゃん(佐藤伊吹・政経4=駒場学園)の引退を間近で見て心にくるものがあり、自分も最後まで頑張らなければと思いました。丁寧に練習して臨もうと思ってやってきました。今回の国体で、久しぶりに声を出して応援してくれるのがうれしくて、初めて出た国体が一番楽しかった思い出としてあって、それを思い出していい演技ができたのかなと思います」
――60点台を出しましたが、どのようなお気持ちですか。
「大学1年の春関(関東学生選手権)で初めて念願の60点台を出すことができましたが、それからは一度も60点という壁を越えられずにいました。このラストの国体で60点台をいただけてとてもうれしいです。中庭先生も喜んでくれていたと思います」
――昨シーズンから『Hallelujah』をやってきましたが、どのような思いがありますか。
「昨シーズンのハレルヤはジャンプに必死でそれ以外の踊りはあまり気持ちがこもっていない感じが強かったのかなと思っています。今シーズンはジャンプのレベルを下げているからこそ他の部分に力を入れられて、少しでも表現を良くしようと思って練習してこられたので、少しは成長できたのかなと思います」
江川
――今日の演技を振り返っていかがですか。
「今シーズン、大きな大会は最後だったので、最後にルッツとトーループのコンビネーションジャンプを決めたいと思っていました。国体前は、全く降りられないわけではなかったのですが五分五分くらいだったので、トーループのコンビネーションジャンプにする選択肢もありました。ですが、最後の大会ですし今シーズンずっと挑戦してきたのでやめたくないと思って跳ぶことに決めました。練習での不安定な感じが出てしまい、少し悔しい失敗の仕方でした」
――3シーズン続けてきた『ラスト・エンペラー』ですが、振り返ってみていかがですか。
「このプログラムを始めた最初のシーズンが、3回転3回転のトーループを入れた初めてのSPでした。その頃は踊り始めに毎回緊張してしまう部分もありましたが、ステップは滑り慣れている分、同じ曲ですが成長したところを見せることができたかなと思います。最近の試合ではステップでレベル4を取ることができるようになってきましたし、3年前よりは体を動かせているかなと思います」
――このSPのプログラムで全日本ジュニア選手権も全日本選手権も経験しているのですね。
「3回転のコンビネーションジャンプなどで悔しい思いをしたこともあるプログラムではあったのですが、他の部分で魅せるということもシニアになったら必要だと思うので、やはりいろいろな思いが詰まっているプログラムです。来シーズンは全然違った感じのプログラムにしようと思っています。まだ決めてはいないのですが、今からゆっくり考えていけたらなと思います」
関連記事
RELATED ENTRIES