
ラストインタビュー(3) 鍛冶優輝
DF鍛治優輝(政経4=武修館)
(※この取材は1月14日に行われました)
――日本学生氷上競技選手権(以下、インカレ)の決勝戦を振り返っていかがでしたか。
「見ている側からは『面白い試合だったね』など、いろいろな感想が聞けました。個人的には、インカレの決勝というだけあって、1つのミスが失点や悪い流れにつながって、流れを戻すのにも時間がかかることを身に染みて感じた大会だったと思います。関東大学リーグ戦(以下、秋リーグ)ならそこで失点を重ねて、自分たちのゲームができず負けることもありました。インカレでは、そういう時にみんなが体を張ってシュートブロックをしていたので、やはり最後はチーム力で勝つことができたと思います」
――4年間を振り返っていかがですか。
「1、2年次はあまり試合に出られなくて、3年生でようやく出場できるようになりました。印象に残っているのは3、4年次のインカレです。3年次は初めてインカレという大きい大会に出て、チームのために戦うのが初めてで緊張もしました。その時は、組んでいた三浦大輝(令4法卒・現横浜GRITS)部屋長の方が変にプレッシャーがかかっていて、昨年度の自分は伸び伸びできたと思います。今年度はそれを自分がやらないといけない立場になって、正直見えないところでのプレッシャーが大きかったです。でも、4年次でやっと大人数のお客さんの前で試合をできたことが、本当に印象に残っています。応援してくれた人たちがあれだけ喜んでくれるのはうれしいです。スポーツっていいですね」
――応援はプレッシャーにもなることもありましたか。
「確かにプレッシャーにもなります。大学の名前もあるし、前まで負けていたからこそのプレッシャーもありましたが、決勝に関しては楽しくプレーできたと思います。ベンチも盛り上がっていたし、吹っ切れて楽しくできました。楽しむことを忘れたら終わりで、モチベーションにつながるし、プレッシャーも楽になるから本当に大事だと思います」
――東洋大の石田主将はインカレについて『鍛冶選手がカギだった』とおっしゃっていましたが、東洋大戦では何を意識されていましたか。
「秩父宮関東大学選手権からずっと、東洋大のプレッシャーが速いのは分かっていました。石田陸みたいなタイプは、体に当てられてもびくともしないでプレーできますが、自分は体に当てられるのが嫌なタイプです。なので、ずっと東洋大は苦手なチームでしたが、そこではパックを速く離すことを意識していました。FWにすぐつないで、自分にチェックが来てもパックはすでに前にパスしているような、自分がパックを持っていない状況を作ることを意識していました」
――この1年を振り返っていかがですか。
「波が少なかったのは良かったと思います。チームの浮き沈みが少なく、常に自分たちのやりたいホッケーができていました。秋リーグでは、東洋大にファーストリーグで負け、セカンドリーグは勝って、ファイナルリーグは負けました。東洋大に大差で負けた後は、しっかりみんなで対策をして同じ方向を向いて、その後立て直すこともできました。やることを徹底したらできるチームだったと思います。また、インカレの決勝点を決めたのも3年生だったし最後は後輩たちにも助けられて、そこでもチーム力を感じた1年でした。春の優勝からずっとみんなモチベーションが下がらなかったから、最後も優勝を獲ることができたと思います」
――同期に伝えたいことはありますか。
「大輔(FW唐津・法4=日光明峰)と廉(FW中條・政経4=白樺学園)は1年次からベンチに入って4年間試合に出続けていました。それでも、あまり出場していなかった自分たちDFを気にかけてくれていました。剣太(DF菅野・法4=釧路江南)が出場した時もすごく盛り上がって、4年生が楽しむことによって下級生も盛り上がっていました。4年生はなんだかんだ仲が良いなと思いました。本当にこの4年間いろいろなことがありましたが、みんなで乗り越えられました。ありがとうと言いたいです」
――これからアイスホッケーにどのように関わっていきますか。
「就職先にチームがあって、そこで続けようと思っています。同期で競技を続けるのは自分だけになります。 続けると決めたのは、シンプルにホッケーが好きで、まだまだやりたいなと思ったからです。ずっと小さい頃からホッケーをやっていて、ホッケーしかできないからこれからも携わっていきたいなと思います」
――後輩へのメッセージをお願いします。
「やはり〝楽しむ〟ことは忘れてほしくないです。インカレで優勝した時は、ベンチの雰囲気も良くて、みんなで声を出して盛り上げて楽しんでいたのが勝ちにつながったところもあります。そこはやはり変えてほしくないし、残していってほしいと思います」
――ありがとうございました。
[杉田凜]
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