
(男子)7、8級男子 チーム力でつかんだ団体優勝/日本学生氷上選手権
日本学生氷上選手権(以下、インカレ)初日。男子7、8級の試合が行われ明大からは3人が出場。大技4回転ルッツを決めた佐藤駿(政経1=埼玉栄)が1位、大島光翔(政経2=立教新座)が7位、山隈太一朗(営4=芦屋国際)が9位に入り、男子団体は優勝。目標とする男女優勝、総合優勝へ向け好発進を切った。
◆1・5〜7 日本学生氷上選手権(苫小牧市白鳥王子アイスアリーナ)
(写真:4回転ルッツを決め優勝した佐藤)
2023年のフィギュアスケート界の主役は彼になるかもしれない。そう思わせるほどの圧巻の演技だった。冒頭の4回転ルッツ。直前の6分間練習で年明けで初めて挑戦し好感触をつかみ、その場で本番のプログラムに取り入れることを決断した。会場が緊張感を持った独特の静けさに包まれる中、G O E4.60の完璧なジャンプを披露。「リラックスして落ち着いてできた」。会場が一気に沸き上がり、これに乗った佐藤の勢いは止まらない。続く4回転トーループ、3回転トーループのジャンプもきれいに成功させ、その後のジャンプもほとんどミスなく滑り切った。スピンやステップでも質の高さを見せ180点越えの高得点を叩き出し、優勝を収めた佐藤。今月中旬に控えるユニバーシアードに向け大きく弾みをつける今大会となった。
(写真:笑顔で滑り切った大島)
安定した滑りで7位に入った大島。冒頭のトリプルアクセルを2本とも成功させると波に乗った。『トップガン』のリズムに乗りながらキレのあるスケーティングを披露。徐々に会場の雰囲気を自身のものにしていく。後半のジャンプに少しミスがあり「トリプルアクセルを2本決めて、いけるだろうという気持ちだっただけに悔しさの残る演技だった」と納得のいかない点があったものの、笑顔で氷上を舞う姿は見る者の視線を釘付けにした。2023年も大島の圧倒的な存在感は健在だ。
(写真:最後のインカレを演じ切った山隈)
チーム明大の1番手として登場した主将の山隈。冒頭の3回転アクセル、ダブルトーループをきれいに着氷。続くダブルルッツ、ダブルトーループの連続ジャンプ、3回転ループも立て続けに成功させ順調な滑り出しを見せる。演技中盤のジャンプにミスはあったものの『Somewhere in time』の優雅な曲調に思いをはせながら流れるようなスケーティングを見せる。最後の3回転フリップは着氷を耐えた形になったが「年始から一つだけかみ合わず、一番の不安要素という中でうまく力を抜いて降りることができた」と安堵の表情を見せた。堂々とした演技で最後のインカレを演じ切った山隈。自身にとっての最後の試合となる冬季国民大会(以下、国体)へ向け「最後まで楽しみ尽くす」と気合は十分だ。
3人がそれぞれの役割を果たしつかんだ男子団体の優勝。仲間の演技の際にはリンク脇から歓声を送るなどチーム明大の結束力というのは会場の中でひときわ目立っていた。
[冨川航平]
試合後のコメント
佐藤
ーー全日本選手権(以下、全日本)は自分を強くしてくれた舞台と言っていましたが、具体的にはどのような意味がありますか。
「正直、表彰台に乗りたかったという思いはとても強いのですが、4位という結果は来シーズンに向けての自分にとって、大きく強くしてくれる試合になったかなと思っています。フリップなどでミスがありましたが、そこを4回転フリップに変えたりなどの工夫ができればいいなと思います」
大島
ーー大会の雰囲気を非常に楽しんでいるように見えました。
「自分が楽しむことが競技をする上で大切だと思っています。他の選手がジャンプを降りた時は自分が1番盛り上がりたいと思っていますし、試合全体を通して楽しんでいくのは自分のモットーというか考え方ですね」
ーー2023年、いいスタートを切ることはできましたか。
「1試合目から団体優勝できたというところで、今年のスタートとしては本当に最高だと思いますし、いい2023年になるかなと思います」
ーー全日本などの個人戦とは違う団体戦、その点に関してはいかがですか。
「団体戦ということで4年生の山隈先輩と1年生のスーパールーキー佐藤くんがいて、僕の前で2人ともすごくいい演技をしてくれたので本当に心強くて何も気負うことなくいい気持ちで滑ることができました」
山隈
ーー明大のキャプテンとして、最後のインカレが終わってどのような気分ですか。
「難しい試合で物足りない演技ではありますが、この試合に関しては僕の演技も重要ですけどそれ以上に明治が優勝することが大事です。終わってみないと分かりませんが、総合優勝に近づくような順位と結果は出せたので、どうにか優勝に貢献できていたらいいなと思います。全日本が自分の中で大きくて、あの後の試合で気持ち的に乗り切らないところもあって、どう気持ちを作っていくかが難しかったです。その中でアクセルを決めて、サルコーこけてしまったのが想定外だったのですが、他の2本をしっかり決めて最後まであがくことができて、拾えるところも頑張って拾えたこと、130点台をこうやって出せるようになってきたのは成長だと思います。昼の練習から安定感というのはすごく出ていて、練習の質というのは今年に入ってからすごく良くできていますし、試合前の落ち着きなどもそうです。最終的に少しでも優勝に貢献できていればなと思うのでなんとか耐えたなと思います」
ーー国体を控えていますが、そこに向けていかがですか。
「最後と思うと緊張して難しいと思いますが、スケートを滑るとことが楽しいというのを表現したいですし、こうやって試合で緊張して、できるかなと思いながらやって練習するという作業があと1回しかできないことに寂しい気持ちもありますがとにかく最後まで楽しみたいです。自分がお世話になってきたものに対して恩返しというか代表して滑るので、最後までこの緊張感を感じながら、現役のできた、できなかったのワクワクする感じ、団体戦ならではの団体の結果どうなるんだろうという感覚を味わい尽くしていけたらと思います」
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