
全国の頂点へ!総合力で4年ぶり優勝果たす/日本学生氷上競技選手権
ついに全国の頂点を勝ち取った。決勝の相手は日本学生氷上競技選手権(以下、インカレ)連覇中の東洋大。秋の関東大学リーグ戦では、セカンドリーグで勝利。しかし優勝を決める最終戦にて9-3と大差で敗北を喫した相手だ。「東洋に負けたくないという強い気持ちで臨んだ」(FW中條廉主将・政経4=白樺学園)。その強い気持ちで、4年ぶりのインカレ優勝をつかみ取った。
◆12・20~25 第95回日本学生氷上競技選手権(KOSE新横浜スケートセンター他)
▼12・25 決勝 対東洋大(KOSE新横浜スケートセンター)
〇明大2{0―0、0―0、1―1、1―0}1東洋大
「今日は第1Pが勝負だった」(中村直樹監督)。今シーズン東洋大に負けた試合では第1Pに大量失点、または連続失点をすることが多かった。そのため今試合のプランはロースコアでの試合展開。序盤からパック支配率、シュート数では東洋大がやや優勢も、GK中村柊志綺(政経3=北海道清水)の好セーブでプラン通り、点を決めさせない。「ずっと気の抜けない状態で体力的にも大変だった」(中村)。我慢の時間が続くが、何度も打ち込まれるシュートにも冷静に対応し、第2Pまで無失点で抑えた。
0―0のまま迎えた第3P。開始47秒、DF鍛治優輝(政経4=武修館)からFW唐津大輔(法4=日光明峰)へ縦にロングパスがつながると、ゴールを突き刺す待望の先制点。そのまま明大の流れになるかと思われたが、さすがは昨年度3冠・東洋大。4分後に同点弾を決められ、試合は再び振り出しに。その後も互いに一歩も譲らない攻防を繰り広げ、1―1で延長戦へもつれ込んだ。
3対3で行われる、5分間のサドンデスに優勝の行方は委ねられた。延長戦序盤から東洋大がパックを支配し、緊迫した場面が続く。中盤、真ん中から駆け上がってきた相手に鋭いシュートを打ち込まれ、その瞬間東洋大が歓喜に沸いた。ここで試合終了と思われたが、ビデオ判定の結果ノーゴールに。そして残り1分。フェイスオフで明大がパックを奪うと、最後のチャンスをうかがう。東洋大の選手チェンジのスキにDF竹谷莉央人(営3=白樺学園)がアタッキングゾーンに駆け出すと、FW丸山詳真(文3=北海道清水)からパスがつながった。「体が勝手に動いた」(竹谷)。相手をかわし、中に切り込むとゴール。延長戦残り29秒。4年ぶりのインカレ優勝をもたらす決勝弾に、今度は正真正銘、明大が歓喜に沸いた。
4年生にとってはこれが学生最後の試合。今年一年、中條組は「総合力」で戦ってきた。下級生がのびのびとプレーできるチームづくりをしてきた4年生を「絶対に優勝させてあげたい」(中村)。その思いで挑んだ最後の決戦、チーム全員で4年ぶりのインカレ王座を手にした。
[覺前日向子]
試合後のコメント
中村監督
――東洋大相手にどのような対策を考えていましたか。
「東洋は個の力もありますし、フィジカルも強いですが、とにかく第1Pを耐えようと考えていました。ニアサイドを打たれないよう守りを意識して、そこから攻撃へつなげていくことがポイントでした」
――今年度のチームを振り返っていかがでしたか。
「今年度の4年生は歴代の選手に比べると個が強い感じではないですが、その分下級生が練習や試合をやりやすい環境をつくっていたのが今年度のチームの特徴でした。陸上トレーニングを率先してやったり、インカレ優勝のためによくやってくれた4年生には頭が下がると言いますか、本当にしっかりした4年生だったと思います」
中條
――試合前は緊張されましたか。
「昨年度の3年生の時には味わえなかったような緊張感で、4年生ってすごく緊張するんだなと思いました。ですが、試合に観客が多く来ていて興奮しましたし、チアと応援団も来てくださって本当に楽しかったです」
――今年度のチームの強みは何ですか。
「個々のスキルももちろんですが、みんな仲が良いので自然と仲間を応援したくなるようなチームだと思います。4年生が中心となって試合中も声を掛けて、それこそ出場していない剣太(DF菅野・法4=釧路江南)や井島(DF拓紀・文4=北海)も声を掛けてくれたので、仲間に感謝したいです」
竹谷
――最後のプレーを振り返っていかがでしたか。
「正直ゴールを狙っていたわけではないですが、東洋大の選手チェンジのタイミングで(丸山)詳真もしっかり見てくれてパスを出してくれたので、あとは4年生のために決めるだけでした」
――昨年度の自分と比べて成長したところはありますか。
「昨年度は緊張したら周りが見えなくなってしまっていましたが、今回は緊張しても意外と周りが見えたので、落ち着いてプレーできるようになったなと思いました」
中村
――試合を振り返っていかがでしたか。
「攻められる時間も多かったですが、みんな体を張って守っていたし、最後のチャンスを決めて勝つことができたので本当にいいゲームだったと思います」
――延長戦を振り返ってはいかがでしたか。
「相手がパックをキープする時間が長くて危ないところも何回かありましたが、あまり負ける気はしませんでした。それで勝つことができたので本当にうれしいです」
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