
〝はるとむ〟組悔し涙の6位 堂々の演技で観客を魅了した初全日本/全日本選手権
全日本選手権(以下、全日本)3日目。2日前に行われたRD(リズムダンス)に引き続きアイスダンスFD(フリーダンス)が行われた。矢島榛乃(西武東伏見FSC)・松井努夢(政経3=関西)組は総合6位につけ、悔し涙で全日本を終えた。
◆12・21~25 全日本選手権(東和薬品RACTABドーム)
緊張の色を浮かべながら登場した2人が演じたのは『レ・ミゼラブル』。冒頭のリフトをしっかり決め、安定したスケーティングを見せた。しかし「エッジが抜けてしまって滑ってこけてしまった」(松井)とワンフットターンズシークエンスで転倒してしまう。続くリフトでもミスがあり大幅な減点。キスアンドクライでは矢島が涙を見せ、悔しい結果となった。
ミスが重なり苦しい表情で演技は続いたが、編曲された曲の最後に組んだのは『民衆の歌』。徐々に重なっていく歌声と勇ましいリズムに合わせ、会場からは手拍子が起こった。「手拍子してくださったおかげで落ち着いてその後のステップとリフトを決められた」(松井)とローテーショナルリフトは見事に成功させた。何度打たれても立ち上がる。きっと明日は来る。そんな若い「民衆」の歌声はまるで2人を表すかのように力強く会場に響いた。マリウスとエポニーヌを演じる2人の一生懸命な姿には多くの観客が心を打たれたに違いない。
RD・FDともに堂々とした演技を見せたが、ペアを組んでまだ1年も経っていない。松井にとっては今年度アイスダンス自体が初めてだったにもかかわらず全日本出場を果たした。全日本の予選会であった西日本選手権では、できる技だけで演技を構成していた2人。1年も経たないうちに見せた成長は計り知れないほど大きかった。「来年もまた頑張っていきたい」(松井)。その言葉にさらなる躍進に期待せずにはいられない。来年度の全日本では、涙ではなく2人の最高の笑顔が見られることを願うばかりだ。
[新村百華]
試合後のコメント
――ミスも見受けられましたが、しっかりと手応えがあった部分もあったのではないでしょうか。
「大きい失敗を二つして、でも最後のコレオステップとリフトはしっかり自分たちの表現をして見せたいと思って最後まで諦めずにやれたので良かったなと思います」
――演技中の手拍子はいかがでしたか。
「すごくうれしかったです。励ましてもらいました。すごく焦っていましたが、手拍子してくださったおかげで落ち着いてその後のステップをして最後のリフトも決められて、最低限やれたかなと思います」
――これからの目標を教えてください。
「とにかくまだまだアイスダンサーとしてユニゾンがしっかりできていないので、もっとそこを極めて体力や筋力ももっと付けて安定した滑りをしてリベンジしたいなと思います」
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