トップバッター矢島・松井組 緊張跳ねのけ5位発進/全日本選手権

 いよいよ全日本選手権(以下、全日本)が開幕した。初日に行われたアイスダンスのRD(リズムダンス)トップバッターとして登場した矢島榛乃(西武東伏見FSC)・松井努夢(政経3=関西)組は5位につけた。

◆12・21~25 全日本選手権(東和薬品RACTABドーム)

 

 矢島の、ひときわ目を引くピンクのスカートと大胆に胸元が開いた松井の衣装。鮮やかな色を身にまとい、トップバッターとして登場した矢島・松井組は「体が緊張していた」(松井)と少し硬い表情で位置についた。不思議な音色でラテン調の音楽が始まり、一気に2人の世界に観客を引き込む。冒頭には新しくリフトを組み込んだが「焦っていた」(松井)と入りでふらつきを見せた。しかし、音の取り方を重視して練習してきた成果は「西日本選手権の時よりは良くなった」(矢島)としっかり手応えとして実感。ハイテンポになる後半に入ると、2人の表情が妖艶な笑みから弾けた笑顔に変化し、会場の照明が明るくなったかのように雰囲気を変えた。


  全日本初出場にして1番滑走という大きなプレッシャーを背負いながらも、リズムに合わせたステップと堂々としたスケーティングで観客を魅了した〝はるとむ〟組。得点は2人の目標点には届かなかったが、会場を生き生きとした雰囲気にしたことに違いはない。「次こそしっかりと力を発揮できるように頑張りたい」(松井)と24日のFD(フリーダンス)に向けて意気込む。FDでの新しい2人の世界観と実力発揮に期待がかかる。

 

[新村百華]

 

試合後のコメント

――トップバッターでしたがどのような気持ちで臨みましたか。

矢島(以下:矢)「場を少しでも盛り上げられたらいいなと思っていました」

松井(以下:松)「本当に1番だという焦りはありました」

 

――演技前はお互いにどのように声を掛け合いましたか。

「お互い『緊張してる?』みたいな。『まぁ大丈夫だよね』という感じでした」

「逆になんだか楽しくなってきたと自分に言い聞かせながら挑みました」

 

――今日のリフトはいかがでしたか。

「結構できると思っていたのですが」

「入りで少しズレてしまって持ち上げるのが遅くなってタイミングが合わず、今日は失敗してしまいました」

 

――FDの意気込みをお願いします。

「とにかく気持ちを切り替えて、今までやってきたこと、できることに集中して頑張りたいなと思います」

「切り替えて、楽しんで、次こそはしっかり力を発揮できるように頑張りたいです」