下級生の日本一への挑戦 三品と島野のゴールで初戦を制す/全日本大学新人戦

2022.12.19

 2年生以下の選手が出場できる全日本大学新人戦(以下、新人戦)が開幕した。3日間で3試合を戦うグループリーグ初戦の相手は関西大。後半に三品のゴールで先制すると、その後もチャンスを作り続ける。終了間際には島野にもゴールが生まれ、2―0でグループリーグ初戦を制した。

 

 試合が動いたのは後半10分。「ボールを持った選手よりも前に関わる意識を増やせという指摘があって、それを実直に体現できた」(藤本)。前半は両サイドからチャンスを作るも中央で合わせられない展開が続いていたが、HTを通し改善。常盤のプレスから高い位置でボールを奪うと、田中禅が運び最後は右サイドの三品が流し込む。「自分は決めるだけで、チームで取った1点だった」(三品)。明大らしいハイプレスショートカウンターからのゴールで試合の主導権を握った。

(写真:先制点を決めた三品)

 その後も高い位置からの連動したプレスで関西大を圧倒。島野や田中禅、途中出場の田部に訪れたチャンスを決め切ることはできなかったが、試合終了間際には右サイドからボールを持ち上がると最後は逆サイドでフリーになっていた島野が決め勝負あり。相手の3倍となる12本のシュートを浴びせ、2―0というスコア以上の勝利で初戦を飾った。

(写真:左サイドで存在感を放った藤本)

 

 栗田大輔監督が今大会のテーマとして掲げたのは〝主体性〟。「言ったことは明確で、強烈な守備と3原則の徹底、それと勢いを持って攻撃すること、シンプルにそれだけだった」(栗田大輔監督)。日本一までの5試合は、来年度以降チームの主軸を担う下級生たちにとって明大を代表して戦う自覚を持つための貴重な機会となるだろう。

 

[土屋秋喜]

 

試合後のコメント

栗田監督

――試合を振り返っていかがでしたか。

 「全国大会ですけど新人戦なので、ミーティングで選手たちにも言いましたがとにかく主体性を持ってやることと、インカレでああいう悔しい負け方をしたので、それをチーム全体でつなげていかなくてはいけないので、1年生も含めてよくやったと思います」

 

――主体性というところで栗田監督もベンチから指示を送ることが少なかったように思いますがいかがでしたか。

 「言ったことは明確で、強烈な守備と3原則の徹底、それと勢いを持って攻撃すること、シンプルにそれだけで、あとはそこを選手たちがどれだけやってくれたかというところでした。後半はシュート数も増えて、もう一つプレーの精度は高めなくてはいけないですが、思い切ってやってくれたと思います」

 

――後半は得点の場面以外にも多くのチャンスがありましたがいかがでしたか。

 「自陣が風上になるという利点も生かしながら、守備も構築し直してショートカウンターからシュートまで持っていく場面も増えたのは良かったですが、しっかりと決め切らなければ苦しい試合になってきてしまうので、そこは課題かなと思います」

 

藤本

――90分を通してサイドを支配できていたと思いますが、SBでプレーしていてどのように感じていましたか。

 「今日は試合が始まる前から守備で圧倒することを意識していたので、自分の特徴である守備で前半はやられてしまう場面もありましたが、後半はある程度できたと思います。今日背負った明治の5番というのは林さん(幸多郎・法4=サガン鳥栖U―18)の番号で、自分の憧れでもあるので、どこまで林さんのようなプレーを追い求められるのか、林さんを追い越せるのかということを意識していました」

 

――連戦となりますが、次戦に向けての意気込みはいかがですか。

 「まずは下級生の総力戦となると思うので、この短期間でどこまで主体性を持ってやれるかが大事になると思います。来年につなげるためにも無駄にはできないので、毎日成長できるチャンスだと思ってやっていきたいと思います」

 

三品

――ゴールシーンは振り返っていかがでしたか。

 「常盤さんがボールを奪って、禅さんが右サイドに出してくれたので、自分は決めるだけで、チームで取った1点だったと思います」

 

――チームの同じポジションには佐藤恵允(文3=実践学園)など大学トップレベルの選手がいますが、そういった選手から学ぶことは多いですか。

 「本当に学ぶことばかりです。今日なら中村さんや、今日はいないですが熊取谷さん(一星・政経2=浜松開誠館)だったり、お手本になる、世界を知っている選手もいるので、盗めるところは盗んで自分のものにしたいと思っています。中村さんなら常に前に仕掛ける姿勢や細部にこだわるところ、クロスの質も見本になりますが、そこは越えていかなければいけないと思っています」