西が丘の悲劇 仙台大に敗戦で林組に終止符/全日本大学選手権

2022.12.12

 シード権により2回戦から登場の明大は初戦で東北王者・仙台大と対戦。試合は、30分に先制を許すも、58分に太田のゴールで同点に追い付いた。しかし、延長戦に突入した延長後半AT(アディショナルタイム)にまさかの失点。そのまま試合終了の笛が鳴り響き、全国制覇への挑戦が早くも2回戦で幕を閉じた。

 


 

 絶対に負けられない初戦。開始序盤は明大がゲームを支配する展開が続いた。しかし30分、相手を倒すと自陣左サイドでFK(フリーキック)を献上。放たれたボールに競り合ったものの、相手にこぼれ球を流し込まれ先制を許す。その後は細かなミスが目立ち攻撃の糸口をつかめず、リードを許す状況で前半を折り返した。

 何とか追い付きたい明大。前への推進力を持ち直すべく、後半開始と同時に島野を投入した。そして迎えた58分、ピッチ中央でボールを受けた正田がそのまま右サイドを駆け抜ける。「正田さんがいい形で(クロスを)上げてくれたのでマイナスに飛び込み、あとは合わせるだけだった」(太田)。クロスボールに反応した太田がボレーで合わせるとゴール左下に吸い込まれ同点に追い付く。以降はそのまま勢いに乗りたい明大の攻撃が続くも1点が遠く、勝負の行方は延長戦に持ち越された。

 

(写真:同点ゴールを決めた太田)

 

 延長戦に入ってからも明大が敵陣でプレーをする時間が続く。しかし、延長後半ATに悲劇は起きた。120+5分、仙台大にこの試合最初のCK(コーナーキック)を与える。右サイドから放たれたボールをファーサイドで折り返され、ゴール前でマークを外した相手に押し込まれると、ボールは無情にもゴールへ吸い込まれた。このままPK戦突入かと思われたラストプレーで失点を許し、120分間の死闘も空しく試合終了。「明治らしく圧倒するというテーマを体現できた」(遠藤)と相手の倍以上のシュートを放つも決め切れず、ワンチャンスをモノにした仙台大に勝利の女神はほほ笑んだ。

 

(写真:悔しさをにじませる林幸主将)

 

 全国制覇の夢は程遠く、2回戦という舞台で早くも林組の挑戦に終止符が打たれた。夏の総理大臣杯全日本大学トーナメント以降で課題とされてきたスキと甘さ。「自分たちのスキが積み重なってしまった」(林幸)。最後となった今回も、その課題に直面する形が結果に表れて涙を呑んだ。

 来年度はU―21日本代表の佐藤恵や不動のCB・岡をはじめとするタレント集団が最高学年に。「日々全力でもがいて明治のために戦って欲しい」(福田)。届かなかった全国制覇の夢は、後輩ら次の世代へと託された。悔しさ胸に前を向き続け、逆襲に燃える日々が始まる。

 

[長﨑昇太]

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