聖地・武道館で演武披露 全国から合気道家が集う/全国学生演武大会

2022.11.27

 1年間の総決算となる全国学生演武大会。全国から71団体の代表者約400人の選手が日本武道館に集結し、明大からは4人が出場。数多くの技を披露し、日頃の鍛錬の成果を発揮した。

 

◆11・26 第61回全国学生演武大会(日本武道館)

演武者

安藤、加藤、高澤、橋本

 

 5月に行われた全日本演武大会から約6カ月ぶりの演武披露の場となった今大会。4年生にとって最後の公式大会の場は武道の聖地・日本武道館で行われた。明大からは橋本開成(情コミ4=都立昭和)、加藤駿主将(商3=国学院)、高澤寿成(営2=東北学園榴ヶ岡)、安藤遼大(情コミ1=横浜翠嵐)の4人が出場。日頃の成果を全国大会の舞台で堂々発揮した。

 

(写真:堂々の演武を披露した安藤(左)と高澤(右))


 4年生の橋本にとっては最後の大会に挑むこととなった。わずかな競技時間に4年間の思いを集約した。「新型コロナウイルスの影響で大会が全てなくなってしまい4年間つらいこともたくさんあった」(橋本)。大会が中止になっただけではなく、練習自体もできない期間があった。同期が辞めてしまい同期の部員は橋本1人に。それでも「途中で辞めたら中途半端になると思った。最後までやってみて頑張ろう」と決意。先が見えない苦しみを懸命に乗り越えて、新型コロナウイルスによる制限が緩和された後は徐々に稽古を増やしていき、限られた部員の中で、工夫を凝らして互いに稽古に励んだ。そしてついに迎えた全国学生演武大会当日。「大学に入学し、合気道に出会って得られるものが大きかったので、4年間やってきてよかった」(橋本)。演武場では練習で取り組んできた以上の成果を発揮した。悔いを残すことなく迫真の演武を披露。達成感とともに4年間の学生生活での最後の大会は幕を閉じた。

 

[石田聖]

 

大会後のコメント 

 

橋本

――演武を振り返っていかがでしたか。

 「練習の成果が出たと思います。4年間ほとんど演武をする機会がなかったので4年間の集大成として、満足のいく演武ができて良かったかなと思います」

 

――つらい時期はありましたか。

 「2年の終わりくらいです。大会がなくなってしまい、モチベーションもなくなり、同期も何人か辞めていったのでつらかったです」

 

――最後までやり切ってどんな気持ちですか。

 「途中で辞めないで良かったと思っています。先生方、OBの先輩方、後輩たちの頑張りもあって幸せな4年間でした。やってきて良かったです」

 

加藤

――今大会に向けて意識して練習したことはありますか。

 「いつもの明治の練習で行っているのは人に技をかけて力をいかに使わずに倒すかという稽古ですが今回の演武大会は人に見てもらうということでなるべくきれいに大きく動くことを意識して稽古してきました」

 

――新主将としてどのようなことを心掛けていますか。

 「コロナ禍で人数が少なくなってしまい、人数が多い分の楽しさとか賑わいが今の合気道部にはないのでモチベーションが保てるように練習メニューも楽しくして、叱るのではなくいいところを見つけて伸ばしていくように心掛けています」

 

――新入部員の勧誘はどのように行っていきますか。

 「例年ですとキャンパス内でチラシを配って『このあと稽古あるから来ない?』と誘えたのですが今はブースが固定されているので来年度はSNSやホームページなどの春新歓に向けて整備していこうと思っています」

 

高澤

――合気道の魅力を教えてください。

 「合気道は漢字の通りで、気持ちを合わせていくスポーツなので、調和のあるスポーツということが、魅力の一つだと思います」

 

――合気道を始めたきっかけを教えてください。

 「僕は友達に誘われて合気道を高校から始めたので、その道を今も続けようと思って合気道を頑張っています」

 

――合気道の大会や昇段はどんな仕組みですか。

 「昇段は技が決まっています。昇級は、稽古日数もあり、それを足して、それがしっかりとできているのかを師範の方に判断していただいてそれで昇級が決まります」

 

安藤

――どのような心境で演武に臨みましたか。

 「僕は合気道を大学から始めたので、初めて人前で合気道をする機会だったので、かなり緊張をしていて、何も考えていなくて初めの太鼓が鳴った時に切り替えて頑張ろうと思いました」

 

――演武後はどのような心境でしたか。

 「大きな失敗というのはなかったので、ほっとしました。これからは思い通りの理想に近いような演武ができるように稽古に励んでいきたいと思います」

 

――普段はどのような練習を取り組んでいますか。

 「最初にやる技を先生などが決めて、先生が前で一度解説を見せてくださって、それを見たあとに現役部員同士で技を掛け合っています」