ディフェンス光り 早大にリベンジ果たす/関東大学ジュニア選手権

2022.11.13

 『small effort』という試合テーマで挑んだ準決勝。相手は、ジュニア戦初戦で勝利を奪われた早大。雪辱を晴らす戦いが始まった。前半は明大の波に乗ったプレーで4トライも挙げ粘りのディフェンスで無失点に終える。後半は早大ペースに持っていかれるが、明大の意地を見せつけ決勝の切符をつかんだ。

 

◆11・12 関東大学ジュニア選手権(早大上井草グラウンド)

▼対早大戦

 ○明大35{28―0、7―7}7早大

 

 試合が動いたのは前半6分、ゴールライン前でマイボールラインアウトからモールでチャンスをつかむ。スタンドオフ池戸将太郎(政経3=東海大相模)の巧みなロングキックパスから右ウイング西川賢哉(政経3=桐蔭学園)が先制トライを挙げる。その後、自陣ゴールライン付近まで早大に攻められるも、意地のディフェンスで、相手のペナルティーを誘う。「前半は明大の流れだった」(左フランカー楢﨑海人・法4=筑紫)。その好機から明大は勢いを上げていく。前半16分、マイボールスクラムから左右にパスが展開し、右センター山村和也(商1=報徳学園)のゲインから左ウイング東海隼(情コミ1=光泉カトリック)が持ち味のハンドオフで逃げ切り、インゴールに飛び込む。前半28分、敵陣ゴールライン前の相手のスペースキックを右ロック亀井茜風(政経3=長崎北陽台)がチャージ。チャージで跳ね返ったボールを左フランカー楢﨑海人(法4=筑紫)がつかみグラウンディング。前半33分、マイボールラインアウトからフッカー金勇哲(営2=大阪朝鮮)がゲインし、パスが展開される。左センター山田歩季(商2=京都成章)が相手にタックルされるも立ち上がり、粘りのトライを見せつける。「試合前に『強みが縦のプレー。それを思い切りやっていこう』と話していて、思い切りトライできて良かった」(山田)。明大の安定したスクラム、輝くディフェンスプレーで、早大に点数を与えることなく、前半を終える。

 

 「早大はここで折れるようなチームではないので、80分間通して息を殺し続けなくてはならない。前半より一つ一つのプレーをしっかりしよう」(スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)と挑んだ後半。後半6分、西川のロングゲインで一気に自陣10メートルから敵陣22メートルラインまで攻め込む。相手ディフェンスのスキを盗み、右フランカー石浦大貴(政経3=報徳学園)がインゴールにダイブ。「前が空いていたので、置こうと思って置いた」(石浦)。池戸の安定したキックで、今試合全てコンバージョンゴールを成功に終える。その後、早大に得点を入れられ猛攻を受けるが、最後まで粘りのディフェンスを見せつけ、35―7と早大にリベンジを果たすことができた。

 今試合では、雪辱を晴らすために選手の気力が溢れていた。「試合が盛り上がるきっかけはみんなのやる気。亀井くん(茜風)がしっかり声を出してくれるので、そこにしっかりついていった」(石浦)。1トライは与えるも、我慢強いディフェンスが光った。だが「後半はペナルティーも多く取られてしまったので、思うようなプレーはできなかった」(山田)。次戦に向けての課題も見つかる。「決勝でジュニアが(優勝を)まず獲れないと、チームの日本一もない」(丸尾)。決勝の相手は因縁の相手、帝京大。ジュニア選手権優勝に向け、前へ突き進む明大に期待がかかる。

 

[井垣友希]

 

試合後のコメント

丸尾

――ゲームキャプテンから見た今試合のMVPはどなたですか。

 「これまでのジュニア戦に出られなかった山田(歩季)選手がスタメンで、期待通りにトライもとっていたし、強いタックルも決めていたし、山ちゃんだと思います」

 

楢﨑

――ジュニア選手権予選では負けてしまいましたが、今試合にむけてどんなところを準備してきましたか。

 「早明戦と言われるくらい絶対に負けられない相手だったので、今回は絶対リベンジを果たすという意味でも、自分たちで体を当てて、自分たちの試合に流れをつくっていくというのを意識していました」

 

石浦

――試合前の雰囲気はいかがでしたか。

「今日の午前、八幡山グラウンドでの練習はあまりいい練習ができていなくて、自分たちのサインミスがあったので、それをあまり出さないようにしていました。もう一回しっかりと確認してという感じだったので、あまりいい雰囲気ではなかったと思います」

 

山田

――ジュニア選手権初出場でしたがいかがでしたか。

「スタメンでとても緊張したのですが、周りの人たちが『思い切りやったらいい』と言ってくれたので思い切りできました」