王者の意地 木村が圧巻の3連覇/全日本学生個人選手権

2022.10.24

 学生個人ナンバー1の称号を懸け行われた全日本学生個人選手権。「完璧だった」(木村柊也主将・文4=関西福祉科学大)と、木村はすべての試合で一本も取られることなく完全優勝。同大会3連覇を達成し、学生王者の称号を守り抜いた。

 

◆10・24 全日本学生個人選手権(パロマ瑞穂アリーナ)

▼男子の部

 木村――1位

 大川、森川――ベスト8

 國枝、矢吹、土屋――4回戦敗退

 玉置――3回戦敗退

 古川、政岡、吉田、野村、井上、山田――2回戦敗退

 蓮野、野見山――初戦敗退

▼女子の部

 西尾――2回戦敗退

 市川――初戦敗退

 

 やはり木村は強かった。相手を寄せ付けない圧倒的な強さで勝ち抜き、迎えた準々決勝。対するは同じ明大で後輩にあたる森川征那(文2=三井)。「長期戦になることは予想していた」(木村)と、試合は両者一歩も譲らぬ展開のまま硬直状態となった。刻々と残り時間が減り、このまま判定に持ち込まれるかに思われた。しかし「スキを狙っていた」(木村)と、残り1秒で木村の渾身の右ストレートがさく裂。試合終了間際に一本を奪い取った。「やはり木村さんは強かった」(森川)。木村が先輩としての威厳を守り明大対決を制した。

 

 準決勝の相手は吉井蓮(大経大)。少年時代から面識があり、何度も対戦してきた相手に対し猛攻を見せる。試合開始早々、右のハイキックが決まり幸先よく一本を先取すると、続けざまに片足タックルを決めた。高校2年次以来となった旧友との対決を見事制し、決勝へと駒を進めた。同大会3連覇の称号を懸け迎えた決勝の相手は、先日行われた東日本大学選手権決勝でも対峙した横井竜太(中大)。「何も考えずただ集中して3分間使い切ることだけを意識していた」(木村)と、突きを中心に序盤から果敢に技を繰り出していった。そんな中、先制したのは木村だった。相手の一瞬のスキを見逃さず左フックを打ち込み一本。その後は両者互角の試合を展開していたが試合時間残り1分、木村が繰り出した左のハイキックが見事に決まり勝負あり。「試合前から勝たなければいけないというプレッシャーがすごかった」(木村)。優勝が決まるとプレッシャーから解放された安堵(あんど)感からか天を仰ぎ、こぶしを握りしめ小さくガッツポーズをして見せた。今回の優勝で木村は大会3連覇の偉業を達成。学生王者としての誇りを見事に守り切った。

 

 関西の強豪校も参加した今大会で木村、大川翔(法3=藤嶺学園藤沢)、森川の3人がベスト8入りを果たした。それでも「チーム全体の結果はあまりよくなかった」(木村)と、各々に課題の残る大会でもあった。全日本学生選手権(以下、府立)まで残り約1カ月半。「相手がもう明治と戦いたくないと思うくらいコテンパンにする」(玉置剛・法4=済美)。府立3連覇を達成し、木村メイジとして挑む最後の大会で有終の美を飾りたい。

 

[菅波陸哉]

 

試合後のコメント

木村

――優勝を振り返っていかがですか。

 「1年の時と去年は優勝までに一本取られることがあったのですが、今回は1回戦から決勝まで一本を取られずに勝てたのでとてもうれしいです」

 

――府立へ向けての意気込みをお願いします。

 「残り1カ月半をチーム一丸となって全員で追い込んで、最後はみんながベストを尽くして笑顔で終われればいいなと思います」

 

玉置

――府立へ向けての意気込みをお願いします。

 「今回は判定負けになり納得のいかない部分もあったので、府立では判定に持ち込むことなく相手を圧倒したいと思います」

 

西尾文花(文4=多治見北)

――今大会を振り返っていかがですか。

 「優勝した選手と戦えていい経験になりました。ただ、もっとうまく動けたなという部分もあるので、その反省を活かして練習していきたいと思います」

 

――府立へ向けての意気込みをお願いします。

 「2人での出場になるので不利な部分もありますが市川由奈(法3=関東学院)と一緒にできる限り上を目指して戦っていきたいなと思います」

 

森川

――府立へ向けての意気込みをお願いします。

 「今大会のように圧倒的に勝つことを意識して残りの期間頑張っていきたいと思います」