(男子)佐藤が優勝 ノーミスの演技を見せる/東日本学生選手権

 女子5級に引き続き行われた男子7、8級。佐藤駿(政経1=埼玉栄)が1位、山隈太一朗(営4=芦屋国際)が3位、大島光翔(政経2=立教新座)が5位、松井努夢(政経3=関西)が16位につけ健闘を見せた。

 

10・14~16 東日本学生選手権(ぐんまALSOKアイスアリーナ)

 

 (写真:3位の山隈)

 重厚な曲に合わせ力強い滑り出しを見せた山隈。冒頭の3回転アクセルは、思い切り踏み込むもバランスを崩し失敗してしまう。最初のジャンプなだけに、後の流れが悪くなる可能性もあった。しかし、続く連続ジャンプは難なく成功。アクセル以外のルッツ、フリップは全て着氷し「決めるべきところを決めることができた」と、アクセルのミスを見事にカバーした。大技以外を確実に決めること。それは「大学に入ってから自分に一番足りなかった」乗り越えたい課題でもあった。東京選手権(以下、ブロック)ではミスをしていたルッツとフリップを跳び切り、大幅に点数を伸ばした。確実な成長を見せた今大会をステップに、東日本選手権(以下、東日本)へ向けてさらに磨きをかける。

 

(写真:5位の大島)

 大島は「自信を持って臨めた」と滑り出した。テンポの速いロック調の曲がよく似合う彼は、明るい笑顔でキレの良いダンスを披露。勢いよく跳んだ3回転ルッツと3回転トーループの連続ジャンプは完璧に着氷を決めた。前半は「ほぼ完璧な状態で後半につなげることができた」と実力を発揮。しかし続く後半はアクセルの失敗によって「気持ちが切れてしまった」。立て直すことができず、悔しさの残る演技となった。それでもスピードのあるスケーティングや、リンクを広く使う動きが彼の演技の迫力を手伝う。ジャンプの課題を克服し、完璧な“Army”としてとびきりの笑顔で敬礼を見せてくれるのが楽しみだ。

 

(写真:16位の松井)

 『ファンタスティック・ビースト』の曲に合わせた魔法使いのような動きと、少しの怖さを喚起するような不思議なメロディー。見る者を自分の世界に引き込むような演技力で松井は滑り出した。冒頭の3回転ループを決めるも、続くジャンプはで失敗が相次ぐ。演技終了直後には頭を抱えるしぐさを見せ、また「最悪だった」(松井)と振り返った。ブロックまでFSの調子が良かった分、今回の悔しさは大きい。「(自分を)追い込んで自信を持って滑れるようにしたい」と悔しさをバネに東日本では本領発揮を狙う。

 

 前日の疲れをしっかり癒やしてから臨んだという佐藤は、ノーミスの演技で優勝を飾った。「自分でもここまで点数が出ると思っていなかった」。今大会は、新しい靴に替えてからわずか2週間。ハンディキャップを感じさせない力強いスケーティングで最後まで滑り切った。そして今大会は、目標に掲げる180点まであと少しに迫る点数となった。それでも「スピンなど細かいところを取りこぼさないようにしたい」とまだまだ上を目指す。

 

 それぞれ得るものがあった今大会。全日本選手権や全日本学生氷上選手権など大きな戦いへと一歩ずつ近づいている。次戦、同じぐんまALSOKアイスアリーナで行われる東日本で、また一段成長した姿を見せるに違いない。

 

[新村百華]

 

試合後のコメント

山隈

――今日の演技の振り返りをお願いします。

 「アクセル以外をまずしっかり降りることができたのは自分としては大きいです。3回転の連続ジャンプとアクセルという自分の中で重要な得点源のジャンプは決めることができなかったのですが、その代わりそれ以外のジャンプ、確実に決めなければいけないところは確実に決めるということが、大学に入ってから僕に一番足りなったものなので、そういったところをこういう試合でしっかり拾えて良かったです。ブロックも手応えはありましたが、後半のルッツやフリップでミスをしました。今大会では大技以外のところでの集中もできましたし、(コンディションの)調整などが難しかった中でも、最低限決めるべきところをしっかり決めるということができたのが、何よりも自分の中で収穫かなと思います」

 

松井

――今日の演技の振り返りをお願いします。

 「今日の演技は、最悪でした。最初のループがバシッと決まったのは良かったのですが、いまいちそのままうまいこと持っていけず、もう少し集中できたら良かったかなと思います」

 

――東日本への意気込みをお願いします。

 「短い期間ですが、もう少し追い込んで自信を持って滑れるくらいに調子を上げていきたいです」

 

大島

――今日の状態はいかがでしたか。

 「正直調子の面での不安は全くなかったです。現地に来て一発本番だったので6分間練習はどうかなという感じでしたが、調子が悪いということは特になく自信を持って試合には臨めたと思います」

 

――悔しかったことは何ですか。

 「後半の部分が本当にいいところが一つもなかったことです。(ジャンプを)一つ失敗して気持ちが切れてしまうというのは今後改善していかないといけない点だと思います」

 

佐藤

――ノーミスの演技でしたが今日のコンディションはいかがでしたか。

  「試合が朝だったので、体が動くか心配だったのですが、6分間でしっかり体を動かして試合に臨むことができたので良かったです」

 

――今日のジャンプ構成はどのようにして決めたのですか。

  「今日は、本当はルッツをやる予定だったのですが、6分間練習の時に少しきついかなと思ったので、ルッツはなしと直前に決めました。先生とは最初の4回転トーループが決まったら次やろうと決めていたのですが、あまりにも体力がなくてこの後きついなと思ったので今回は跳ばなかったです。(結果的には)良かったのかなと思います」

 

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