女子エペ団体金! 個人でも下級生が大躍進/関東学生選手権

2022.10.15

 全日本学生選手権(以下、インカレ)の出場権が懸かる今大会。女子エペは2日目に個人戦、3日目に団体戦が行われた。個人戦には明大から6人が出場。下級生が躍動し、稲山友梨(営2=星槎国際)が準優勝、盧承延(政経1=王子総合)がベスト4に輝いた。団体戦でも勢いは止まらない。決勝では強豪・日大と対戦するも自分たちのプレーを展開。32―31と接戦を制し、見事優勝を果たした。

 

◆10・11~13、20~21 第74回関東学生選手権(駒沢体育館)

▼女子エペ個

稲山――2位、盧――4位、中村――9位、

佐藤――11位、小佐井――15位、國谷――30位

▼女子エペ団体 明大――1位

 

<女子エペ個人>

関東学生選手権(以下、関カレ)2日目、女子エペ個人戦は出場者全員が決勝トーナメントに進出。中でも、ルーキー・盧は初めての関カレで大きな活躍を見せた。「とても緊張していたが、逆に慎重になって戦えたことが良かった」。予選を7位で通過すると、破竹の勢いで上位に駒を進める。準々決勝では、中村優里(営4=成立学園)が1点差で惜敗した日大の選手に15―6で勝利。ベスト4の舞台まで一気に上り詰めた。迎えた準決勝では、一進一退の接戦が繰り広げられる。終盤では9―12と3点差まで離されるが何とか食らいつき、終了間際に同点に追い付く。しかし延長戦の一本勝負では一瞬のスキを突かれ敗北を喫した。最後の3位決定戦でも終盤の追い上げを見せたが一歩及ばず。「自分の強みである相手のアタックの処理がうまくいかなかった」。13―15の僅差で敗れ、表彰台には届かなかった。それでも1年生ながら見事ベスト4に輝いた盧。期待のルーキーはインカレでも大暴れしてみせる。

 

 昨年度王者の稲山は第1シードとして決勝トーナメント2回戦から出場した。初戦を15―1と圧勝すると、その後も失点を1桁に収め続け準決勝まで危なげなく進出。しかし迎えた準決勝ではかなりの接戦を強いられた。終始3点以上の点差が広がらない攻防になったが、最後まで集中力を切らさない。こちらも延長戦までもつれる大混戦の中、最後は王者の意地を見せた稲山の一突きが得点に。一本勝負を制し、2年連続で決勝の舞台に立った。決勝の相手は同学年の明石(法大)。試合は出だしから相手に主導権を握られていた。「最初の入りが大事だったが、リラックスしすぎてしまった」。第2セットでは相手に痛恨の5連続得点を許し4-11と7点差に。最後まで流れをつかめず、最終スコア10-15で敗北。昨年度王者は悔しさ残る準優勝で個人戦を終えた。今回の反省を糧に、インカレでの2連覇を目指していく。 

 

<女子エペ団体>

 大会3日目には女子エペ団体が行われた。シードとして出場し、初戦は日体大との3回戦。「緊張していた」と皆が声をそろえるように、動きが硬い入りとなった。残り1戦となる8戦目の時点で28―30とリードを許す展開。しかし最後の稲山が「(相手の勝利まで)まだ15点あったので(注1)焦らずに一本ずつ決めていこうと思って冷静にプレーできた」と勝負を決めた。初戦を45―42で終え、準決勝へと勝ち進んだ。準決勝からは盧が団体戦初出場。何度か練習試合をしたという法大との一戦に。緊張がほぐれた明大は強かった。「相手が待ち剣だということは分かっていたので(同時突きになっても)焦らずに軽く受け止めようという話をしていた」(稲山)。序盤からポイントを量産し、一度も追い付かれることなく41―29で勝利。宿敵・日大が待ち受ける決勝の舞台に立った。

 

幾度となく決勝の舞台で対決してきた日大。しかし今回は今までとは違い、佐藤琴美(政経3=一関第二)、稲山、盧の新体制で臨んだ。「中村からスンちゃん(盧)に変わってどういう戦い方ができるかというのは期待半分不安半分だった」(長尾康司監督)。しかしこの策が的中する。日大のエースポジションでもある最後回りの寺山に対し4―2で帰ってくるなど、盧が活躍を見せる。佐藤、稲山もそれぞれの役割を果たし、日大戦でも一度もリードされることなく最後の一戦を迎えた。8戦目終了時点で点差は1点。「追い付ける点差だったので、相手が来ることは分かっていた。焦る場面もあったが、最後は冷静に逃げ切った」(稲山)。残り20秒の怒涛(どとう)の攻めを切り抜け、5年ぶり2度目の関カレ優勝を果たした。

 

 次の舞台は昨年ベスト8に終わったインカレ。この1年間で鍛え上げられたチームワークはさらに強固なものとなっている。圧倒的チーム力と確かな実力を兼ね備えた明大。見据える先は優勝しかない。

 

[渡辺悠志郎、萩原亜依]

 

(注1)フェンシングの団体戦は3分間で5本先取の試合を1試合として、9試合で45本先取したチームの勝利となる。9試合目終了時に45本先取していない場合は、リードしているチームの勝利となる。

 

試合後のコメント

長尾監督

――チームの状態はいかがですか。

 「雰囲気が最高ですね。女子はエペしかいないですが6人はとても仲が良くて、けじめをつけている時はけじめをつけているし、チームとして一体となって戦わなければいけない時はそういったところはないと思えるような仲の良さで戦ってくれます。励まし合ったりしながら戦ってくれるので非常に頼もしいチームだと思います」

 

稲山

――準優勝という結果についてはいかがですか。

 「また優勝したいという気持ちはあったのですが、試合前日は楽しめばいいやくらいの気持ちではいました。ですが最後はやはり勝ちたかったという気持ちが強いです。後悔は残りますが、改めて自分の悪いところに気付けて収穫があったので、これからまたインカレにつなげていきたいと思います」

 

――初めての団体戦はいかがでしたか。

 「個人戦とは全然違いました。先輩方のアドバイスが本当に心に響きました。ベンチの声をしっかりと聞きながら試合に臨むことができて良かったです」