
今季ラストマッチ 強豪相手に健闘見せるも敗北/日本選手権
9月23日~25日に行われた日本選手権最終予選を3位で通過し、見事本選への切符をつかみ取った明大。第1Pで2点を得点するも、格上相手に力の差を見せつけられ1回戦敗退となった。今大会を最後に4年生は引退し、明大の挑戦は幕を閉じた。
◆10・7~10・9 第98回日本選手権
▼10・7 1回戦 対IKAI・Kingfisher74戦(東京辰巳国際水泳場)
明大2{2―9、0―9、0―10、0―9}37IKAI・Kingfisher74〇
今年度も日本一を決めるこの大舞台に立つことができた。初戦の相手は日本代表選手が数多く在籍し、大会3連覇中の強豪・IKAI・Kingfisher74。試合開始30秒、先制点を挙げたのはなんと明大だった。「自分たちがこの1年間強化してきたカウンターの形をしっかりと出すことができた」(熊谷泰人主将・営4=明大中野)。次期主将である狭間俊至(商3=明大中野)が魅せたシュートは明大の得意とする展開が日本トップレベルのチームにも通用することを証明した。その後は相手チームのスキのない強力なオフェンスに翻弄(ほんろう)され、4連続得点を許してしまう。しかし、GK兼本翔安(文1=修道)が相手の優位な流れを止め、ボールを熊谷につなげゴール。「マイボールになった瞬間に今までの経験から判断し、いち早く反応して攻守の切り替えを行うことができた」(熊谷)。主将としてチームをけん引してきた熊谷が最後に見せたプレーは、チームにとっても彼の15年の水球人生にとっても大きな意味のある1点だった。
続く第2Pは太田竜浩(商4=明大中野)がセンターボールを獲得しスタート。渡邊十雅(政経2=明大中野)の虚をつくパスカットや田中礁(総合2=明大中野)の好セーブが光るも、明大は中々得点につなげることができず、前半のみで16点差を開かれてしまう。「体力的にも技術的にも上手だった」(太田)。第3P以降も相手の攻撃に苦戦する展開が続き、惜しくも1回戦敗退。得点にこそつなげられなかったものの、格上相手にボールを奪う場面が何度も見られ、最後まで粘り強く戦い抜く姿勢はまさに今シーズンの集大成だった。
今大会を持ってチームは代替わりを迎える。「今年も成果を残さないといけないというプレッシャーがあった」(太田)。5月から6月にかけて行われた関東学生リーグでは準優勝という前年度の成績には及ばず、悔しさの残る6位で終わった。しかし日本学生選手権(以下、インカレ)では連敗中だった慶大との激戦を制し、チームとして大きく成長。創部史上初の銅メダル獲得し、昨年度に引けを取らない歴史的快挙を成し遂げた。「このチームは同期全員で引っ張ってきた」(熊谷)。試合に出場した部員もサポートに徹した部員もそれぞれの形で後輩に見せる背中があった。4年生の思いを確かに受け継いだ新星・明大は、今年度得たものを糧にさらなる高みを目指し、新たな歴史を刻んでいく。
[井手満菜]
試合後のコメント
熊谷
――試合前にチームで話されていたことを教えて下さい。
「とにかくこのチームのコンセプトである〝全力を楽しむ〟ということを意識して、『どんなに格上の相手でもその試合を楽しんでいこう』という話をしました」
――大学4年間を振り返っていかがでしたか。
「一言で言えば、本当に楽しい4年間でした。大学では今までと比べると試合数が多かったので、1年生の頃は本当に何も考えず、ただただ水球を楽しんでいる感じでした。2年次はコロナ禍で 試合ができなくなってしまい、他の競技をやっている友人と一緒にトレーニングをするなどしていました。『このスポーツのこういう動きは水球のこういうところに生かせるのだな』といったように様々な発見があり、新しい側面から水球の楽しさを見つめることができました。3年生は歴史を作った年でした。創部史上初の関東学生リーグ2位だったり、久しぶりの日本選手権に出場したりと、今までの努力が報われたことを感じることができた1年でした。4年次は同期やチームメートとミーティングを行い、チームを作り上げていく中で、インカレでメダルを取ることができ、改めて日本選手権に出場することもできました。本当に満足した4年間だったと思います」
――同期に向けてメッセージをお願いします。
「同期に対して言いたいのは、『支えてくれてありがとう』ということです。自分がやりたいこと、そしてその意図をしっかりくんでくれて、そのために自分たちが何をすればいいのかを考えて動いてくれていました。同期全員でつくり上げたチームなので、とても感謝しています」
太田
――4年間で1番の思い出はありますか。
「4年間の集大成としてインカレでメダル獲得という目標を達成したことだと思います」
――太田選手にとって水球とはどのようなものですか。
「青春そのものですかね。中学生から今日引退するまでほとんど離れることなく常に生活の傍らに水球の存在はあったので、私の青春の大半は水球でできていると思います」
――後輩に向けてメッセージをお願いします。
「あまりプレッシャーを感じ過ぎず、この勢いを止めないように来年以降も頑張り続けて欲しいと思います」
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