
駒大に勝利! リーグ戦初白星で1部残留果たす/関東大学女子リーグ1部2部入替戦
〝紫合戦〟を制し1部の座を守り切った。関東大学女子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)で全敗を喫した明大は4年ぶりに入替戦に突入。天候や試合日程の関係により、約3週間の中断を挟んで試合は行われた。ダブルスでは竹本萌乃(政経4=高松北)主将・徳安莉菜(文3=野田学園)組がストレートで勝利。竹本はシングルスでも圧勝し、自身最後のリーグ戦に2勝を飾った。他にも五十嵐唯愛(政経1=四日市商)がリーグ戦自身初勝利を収めるなどの活躍により、今季初白星を挙げリーグ戦は幕を下ろした。
【S4竹本VS山田梨香子】
不屈の主将は最後のリーグ戦を笑顔で終えた。リーグ第3戦・筑波大戦から肩が痛み出していた竹本。入替戦が中断し、関東学生選手権(以下、夏関)や国民体育大会(以下、国体)など試合がめじろ押しとなる中、プレーに不安を抱えていた。それでも「浜田健成アスレチックトレーナーにケアを毎日のようにしていただき、9日(入替戦)のことを1番に考えてここまでやってきた」。一時はフォアハンドすら振れなかった状態から、何とか調子を整え試合再開を迎えることができた。
徳安との最後のダブルスを6-3、6-2とストレート勝ちで終え、迎えたシングルスは「自分でも自分が今日は調子が良いなと思ったほどだった」。第1ゲームからブレークを決めると、その後のゲームでも相手を全く寄せつけない。6-0で制した第1セットにおけるジュースはわずか2回のみ。「6―0というスコアを付けられるとは正直思っていなかった」と自身も驚くほどの好プレーを見せつけた。続く第2セットの出だしはキープ合戦が展開された。「焦らず、自分がムキにさえならなければ絶対取れると思った」。相手への応援も自分に言っているとポジティブに考え強気のプレーを貫くと、第5ゲームでついにブレーク。勢いそのままに最後までスキを見せなかった竹本は、第2セットも6-2と圧倒。この完勝をもって明大の勝利、そして1部残留が決定した。
「自分は大学に入ってからのテニスが1番楽しかった」。最初の頃は周りの強さに圧倒され、思うようなプレーもできなかった竹本だが、上原真吾監督の「自分を信じなさい」という言葉が後押しになっていた。「なかなか自分を信じ切れない中でも、今日はこうして最高のプレーで勝つことができた。4年間やってきて飛び抜けた成績は出せなかったが、自分のテニスの成長をとても感じられたので、感謝の一言に尽きる」。自身の力を出し切った主将の表情は、どこまでも晴れ渡っていた。
【S2鈴木渚左(国際2=野田学園)VS谷本ひなた】
「絶対に負けられない」。先輩たちがつくり上げてきた1部の座を守り抜くため、自分に何度もそう言い聞かせて試合に挑んだ。第1セット序盤は「緊張でラケットが振り切れず、足も動かなかった」。プレッシャーもあり、左右に振ってくる相手のプレーに苦戦。しかし「まずは真ん中に深く返すことだけを意識して、浅くなったボールをたたいていこうと思った」。プレーを分析し、戦略を立てると徐々に自分のスタイルを取り戻していく。3-3で迎えた7ゲーム目。安定感のあるストロークでミスを誘うと、チャンスを確実にモノにし、ブレークに成功。その後は一歩も譲らず、6-3でこのセットを制した。完全に流れを引き寄せ、続く第2セットも6-0と圧巻の強さで獲得。チームに1勝を献上した。
「正直、ほっとしている」。亜大戦、山梨学大戦に出場できない悔しさも味わった鈴木にとって何よりも安堵(あんど)の気持ちが大きかった。「本当にハプニングだらけだったが、多くの経験から学んだことを来年のリーグに生かしていきたい」。今試合を持って代替わりを迎え、彼女はより一層下級生をけん引する立場になる。今シーズンで得たことを糧に、チームの主力として来年こそは王座出場を目指す。
今季の最終成績は1部最下位。男女の目標であった全日本大学対抗王座決定試合(以下、王座)出場を、女子部も果たすことはかなわなかった。それでも全日本学生選手権(以下、インカレ)や夏関では近年まれに見る〝個の強さ〟を発揮した今年度。1部残留を果たしたことで来年度に悲願達成の望みをつなげることに成功した。4年生から下級生へ。王座をつかむ目標は、次のチームへ託された。
[渡辺悠志郎、井手満菜]
関連記事
RELATED ENTRIES