
(女子)ルーキー江川が優勝! 明大勢が上位占める/東京選手権
SP(ショートプログラム)に引き続き行われた女子FS(フリースケーティング)。江川マリア(政経1=香椎)が優勝、住吉りをん(商1=駒場学園)が準優勝、6位に佐藤伊吹(政経4=駒場学園)、7位に松原星(商4=武蔵野学院)、8位に本田真凜(政経3=青森山田)、11位に岡部季枝(法3=新渡戸文化)、21位に堀見華那(商2=愛知みずほ大瑞穂)が入り、全員が東日本選手権(以下、東日本)への進出を決めた。
◆9・30〜10・2 東京選手権(ダイドードリンコアイスアリーナ)
(写真:優勝した江川)
SPで首位に立った江川。その勢いはFSの演技でも健在だった。演技冒頭のトリプルルッツとダブルトーループの連続ジャンプを危なげなく成功させると、その後のジャンプも次々と成功。疲れが見え始めた後半にジャンプの抜けはあったものの、『民衆の歌』の力強い曲調と滑らかなスケーティングで魅了し、ルーキーながら優勝を果たした。それでも「FSはまだ納得のいく演技ではない」と優勝という結果に満足することはない。これからも、成長の著しいルーキーの活躍から目が離せない。
(写真:準優勝の住吉)
SPでは5位に終わった住吉。巻き返しを図るFSでは冒頭の4回転トーループで転倒するも、その後のトリプルループは成功。強みである伸びのあるスケーティングを生かしながらその後は立て直し2位にまで順位を上げた。SPでの課題となった試合への恐怖心に関しては「楽しむだけと自分に言い聞かせた」と前向きに捉えたことが功を奏し、自身の演技をすることができた。今大会で得られたものを自信に変え、グランプリシリーズ(以下、GP)へ向けて挑んでいく。
(写真:6位の佐藤)
SPで11位と悔しい結果に終わった佐藤。挽回を期すFSでは練習時から調子の良さを感じていた。冒頭のダブルアクセルとトリプルループの連続ジャンプを成功。不安を感じていたフリップではミスが出るも「気持ちを切り替え練習通りにできた」としなやかで伸びのある演技を見せ、順位を6位まで上げた。課題となったスピンやステップも修正し最後の冬へと挑んでいく。
(写真:7位の松原)
SPでは3位につけた松原だったが、FSでは序盤からジャンプで相次いで失敗。数日前に跳び方を再考して臨んだこともあり、試合の緊張感に打ち勝つことはできなかった。しかし、7本目のダブルアクセルとトリプルトーループの連続ジャンプは成功。最後まで気を抜かず丁寧な滑りで『フォレスト・ガンプ』を披露した。次戦に向けて「サルコウトー(サルコウとトーループの連続ジャンプ)は昔のものに戻したので少しでも精度を上げていきたい」と話した松原。自身の演技を取り戻すことができればさらなる高みも見えてくるはずだ。
(写真:8位の本田)
本田が選んだ新しいプログラムは『ムーラン・ルージュ』。「滑りやすくて新しい自分を出せる」と華やかさを見せながら曲の世界観を表現して滑り切った。ジャンプでのミスが続き結果は88・01点で総合8位となるも「練習では本当に状態が良くて、あとはちょっとしたタイミングとか少しのズレを修正するだけでガラッとよくなるところまできている」と調子が上がりつつあることをうかがわせた。自信を持って次戦に挑む。
(写真:11位の岡部)
情感豊かで気品のある滑りで魅了した岡部は総合11位につけた。叙情的な『エクソジェネシス』の調べによく調和したふわりと跳び上がる美しいジャンプを次々と着氷した。後半のフリップの転倒からその後のジャンプも乱れてしまい「前半調子良くできていたため気が抜けてしまい、少し軸がぶれてしまった」と悔しい部分もあった。しかし3回転のジャンプを3本とダブルアクセルも成功させ、演技の完成度の高さを印象づけた。
(写真:21位の堀見)
大会前から足に不安を抱えていた堀見。十分に練習を積むことができず、緊張が演技に出てしまった。それでもダブルルッツを成功させるなど最後まで諦めることなく紫の鮮やかな衣装と共に氷上を舞った。「この悔しさを忘れずに、次の試合ではこんな思いをしないようにしたい」。今大会の悔しさを糧に、万全な状態で次戦に臨んでいきたい。
それぞれ課題はあったものの、全員が東日本への出場権をつかんだ明大勢。シーズン開幕戦で得られたものは間違いなく今後のシーズンへ向けての資金石となる。それぞれの目標を胸に戦う選手たち。勝負の冬への戦いはまだ始まったばかりだ。
[冨川航平]
試合後のコメント
江川
――演技前から優勝は狙っていましたか。
「自分の満足のいく演技ができて、ようやくもしかしたらという位置だと思っていました。とにかく完璧な演技がしたいと思っていて、初めての東京選手権ということもあり、わくわくした気持ちで臨みました」
住吉
――4回転ジャンプはあとどのようなところが足りなかったですか。
「練習でもあのような転び方はよくありました。少し回転のつけ始めが遅かったのでそこは気持ちの問題というよりも技術の向上で直せそうな課題ではありました」
佐藤
――次戦へ向けての意気込みをお願いします。
「東日本は全日本選手権が懸かる試合なのでかなり緊張すると思いますが、今よりも調子を上げて自信を持つために、不安にならないような練習をしたいと思っています。それができれば試合でも練習してきたことを発揮するだけだと思うので、そこまでの一日一日を大事にしたいと思います」
松原
――演技を振り返っていかがですか。
「今大会の1週間前や数日前くらいにサルコウトーを元に戻したり、フリップとルッツをこれまでやってきたものとはまた違って昨年度までやっていたものとの融合、変えたものを一切合切戻すのではないけども新しく取り込んだものと昔のものを混ぜていこうという、今更ですが方向転換して臨んだ試合でした。最近は練習で跳べていないから、本番に跳べるかな跳べないかなという緊張感がなく試合に臨んでしまっていたのですが、今回のFSの時、緊張してしまっていた自分がいて、今までは大会前の練習で緊張したりする中での練習ができていたのですが、最近そういう練習ができていなかったからこそ久しぶりに緊張してその緊張が抑えられずに失敗を引きずってしまったというのが自分の中にあります」
本田
――今日の演技を振り返っていかがですか。
「試合というのは何年やっていても練習とは違うなと思いますし、難しいことも多いなと思いますが、とりあえずは次に進めたので良かったと思います」
岡部
――今大会で得られた課題や収穫はありますか。
「FSでスピンの取りこぼしがあったのでそこを練習しないといけないなと思いました。あとはまだ体力が足りないと感じる部分もあるので、東日本までに体力をつけて最後まで滑り切れるようにしたいです」
堀見
――悔しさの一番の要因はどこですか。
「自信をつける練習というのを夏の試合が終わってから心掛けていましたが、自信をつけるにはまだ期間が足りなかったなと思います。東日本には一応通りましたが1カ月くらいあるので、切り替えていきたいです」
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